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編集後記
山本 伸一
pp.102
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100028
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今月の特集は,「痛みと作業療法」である.かつて,このような企画はなかったのではないだろうか.思えば,私がOTの免許を取得した25年以上前のこと,新人ながら20名以上の患者を担当していたが,そのほとんどが脳血管疾患であった.温泉病院として機能していたからである.中には肩の痛みを患っている方も多く,その治療を望まれておられた.当時は,健側指向のリハが主流であったこともあり,患者の思いに応えられない自分がいた.「麻痺側は捨てるのか!?」私は,長い間そのような葛藤と闘っていたことも覚えている.しかし痛みに対する介入は,卒前・卒後教育にも組み込まれておらず,途方に暮れた.なぜ痛いのかさえわからない状態であった.
10年以上前に,回復期リハビリテーション病棟が誕生した.このことから,ADLの自立目標と共に機能回復も重要視されたといっていい.全国的に麻痺側に介入する機会が増えた.画期的でもあっただろう.OTは,身体機能とともに「痛み」にも対応するようになったといっても過言ではない.現在は,ペインクリニックに勤務するOTも存在する.これも時代の流れである.
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