連載 ティーチング・ポートフォリオ作成講座・3
ティーチング・ポートフォリオ・チャートを見直す
吉田 塁
1
,
栗田 佳代子
2
1東京大学教養学部
2東京大学大学総合教育研究センター
pp.500-505
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201007
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はじめに
前回は,ティーチング・ポートフォリオ作成の第一歩として,ティーチング・ポートフォリオ・チャート(以下,TPチャート,図1)について知り,実際に作成をしました。
TPチャートは,自分の教育活動を振り返り,そして,自分の理念に自分で気づき,その理念を軸にして教育活動をとらえ直すためのものです。TPチャートの作成により,「すっきりした」「やっていることの自信につながった」あるいは「今後の見通しが立った」と感じられる方が多いようです。
TPチャートは,まず,「つくってみること」が重要です。実際に第2回で紹介した作成方法では各項目において比較的短い時間設定を示していますが,これは研修として行う場合の進行とおおよそ同じです。振り返りにはいくらでも時間がかけられ,制限がないと作成が進まなくなってしまうことがあるため,そのような設定にしています。したがって,TPチャートの作成では教育活動に関する一定の振り返りを行っているものの,深い振り返りを行う余地が十分に残っています。理念として書き出したつもりのものがそうではなかったり,方針・方法とうまく対応づいていなかったりすることがあります。
そこで,この第3回では,いったん作成されたTPチャートを見直し,より的確な教育理念を見出すことを目的とします。
今回の目標
・TPチャートを見直す方法や留意点を説明できる
・TPチャートを5つの問いにしたがい見直す
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