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あとがき
髙尾 昌樹
pp.320
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202605
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今月も『BRAIN and NERVE』をお読みいただいている皆様へ,編集委員の一人として御礼申し上げます。お若い先生の中は,本誌が長い歴史のあった医学雑誌『脳と神経』と『神経研究の進歩』が2007年に統合され,改題されたことをご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。『脳と神経』は比較的臨床重視の内容で私もよく読んでいました。一方,『神経研究の進歩』は基礎的な内容も多く,自分では読んで理解できるものではありませんでした。医学雑誌を取り巻く環境はきっといろいろ厳しいものもあると思いますが,基礎から臨床までを広くカバーできる本誌の価値がいつまでも続くことを願っています。
本号はそういった意味では臨床神経学寄りの内容になりました。少し変わったタイトルの特集になりましたが,私自身にはまさに目が覚めるような内容です。言うまでもなく神経組織は全身に広がっています。中枢から指先の末梢に至るまでさまざまな変化が起こり,多くの症状に関わるはずです。そして,神経系以外の臓器と神経疾患が合併する疾患や病態も少なくありません。自分の目の前にいる患者さんの神経疾患と一般臓器の問題との重大な関連に気付いていないこともあるかもしれません。私自身は診療をしているときに,いつもそういったことが気になり,勉強不足を再認識させられる毎日です。
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