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本誌が発行される頃は,まだまだ寒い日が続いていると思います。皆様はいかがお過ごしでしょうか。寒い日が嫌いな私は,どうも冬は好きではありません。そんな気温に敏感(?)な私にとって,本特集はたいへん魅力的な内容です。「温度」というテーマで,これだけ多くの知見があることに驚愕しました。日々の診療では,患者さんに向かって「お風呂のお湯の温度を感じますか?」程度しか尋ねていない私にとって,たいへん勉強になった特集です。私と同じような先生もおられるかもしれません。本誌をぜひお買い求めのうえ,お読みください。
自分自身を振り返ってみれば,熱いとか痛いといったことを,あまり真剣に考えていなかったと思っています。最近になって,外来で痛みなどを訴える患者さんを診療する機会が多くなりました。いままでであれば,痛み止めの処方のことばかり考えていましたが,最近は,痛みをもう少し深く理解して治療に当たりたいと思っています。私も含めて,多くの臨床医は,痛みなどのような症状に立ち向かうことが,必ずしも得意ではないような気がします。画像検査,血液検査など,目で見えるもの以外を,受け入れにくいという心理があるのかもしれませんし,そういった言葉を医師から聞くこともあります。しかし,明確な検査方法がわからない病態ほど,これからの臨床医の腕の見せどころかとも思います。私も若い頃は,手がしびれたり,痛かったりしたことはなかったのですが,最近は手がしびれたり,あちこち痛かったりすることもあって,病院にお見えになる患者さんの気持ちがわかるようになってきました。でも,それほど良いアイデアもなく,一般的な処方をして,症状と付き合ってくださいなどと説明をしていますが,もう少しなんとかしないといけないと思っているのです。そういった意味でも本特集の意義はたいへん大きいと思います。
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