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あとがき
髙尾 昌樹
pp.182
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201503
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今回は,αシヌクレイノパチーの特集です。パーキンソン病(PD),多系統萎縮症(MSA),遺伝性疾患,睡眠障害,新規診断手法,新規治療戦略と近年の進歩と未来が凝縮された内容となっています。また,疾患研究を着実に進められている著者の先生方に感銘を受けた次第です。鼎談も大変重要なテーマが扱われており,ぜひ手にとっていただき,すべてお読みになられることを切に願います。
今日は,朝からシヌクレイノパチーの連続でした。まず,病理からご依頼のあった,がん患者の病理解剖例の脳を顕微鏡で見ておりました。小さい転移巣や急性期梗塞に加えて,動眼神経核,青斑核,迷走神経背側核などに,ヘマトキシリン・エオジン染色でわかる,たくさんのレヴィ小体がありました。それぞれの神経核などの神経細胞脱落は目立ちませんし,黒質の異常もないにもかかわらず,レヴィ小体だけが本当にたくさんありました。患者さんの生前は,パーキンソン症状はあったのか,非運動症状はあったのかなどちょっと気になりました。がん患者さんでも,神経学的な評価を加えることは重要かなと思っておりますが,それはまた別の機会に。
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