呼と循ゼミナール
虚血心における局所心筋動態—局所壁挙動と心電図変化
松崎 益徳
1
,
久萬田 俊明
1
,
楠川 禮造
1
1山口大学医学部第2内科
pp.604
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203783
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局所心室壁挙動と同様に心電図変化,特にST seg—mentの偏位も心筋虚血を知る指標として古くから用いられている。しかし,一般に使用されている体表面心電図は,"虚血部の中心の電気的変化を常にとらえているとは限らない"や,"心内膜下や心筋内の狭い範囲の虚血を反映しうるかどうか"などの問題や,虚血以外の他の要因の影響などにより,局所心筋の虚血を真に表現しているとは限らず,false-negativeやfalse-positiveが多いのも事実である。
虚血時の心電図学的所見と心室壁挙動との関係や,虚血に対し,どちらがよりsensitiveであるかという問題は興味のあるところである。Heyndrickxら1)は,心筋内心電図とminiature ultrasonic crystalを用い局所長を測定した意識下犬での実験で,冠動脈結紮時の虚血壁の心電図ST segmentの偏位と壁挙動とを検討した。
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