呼と循ゼミナール
虚血心における局所心筋動態—臨床的研究(その3)
松崎 益徳
1
,
久萬田 俊明
1
,
楠川 禮造
1
1山口大学医学部第2内科
pp.92
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203708
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心周期における心室壁厚の変化がwhole heartの機能にどのように影響するのかを知るのは興味深い。正常心において,収縮期の壁厚増加率(ΔW/EDWTh×100)と壁厚増加速度(mean velocity of wall thickening)は,左室内径短縮率(ΔL/EDD×100)と左室内径短縮速度(mean velocity of internal diameter shortening)と密な関係にあり,種々なlevelのinotropic stateの変化に対し,両者はほぼ同様に変化する。ゆえに,局所的収縮異常のない例では局所の壁厚変化の解析は,whole heartの収縮動態を知るうえに非常に有用である。また,局所心筋の収縮能を評価するのに使用されるsegment lengthも,その局所の壁厚と密に相関し,segmentの短縮距離segment shorteningの減少は,壁厚増加の減少とほぼ直線的な関係となる。
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