呼と循ゼミナール
虚血心における局所心筋動態—実験的験究(その6)
久萬田 俊明
1
,
松崎 益徳
1
,
楠川 禮造
1
1山口大学第2内科
pp.718
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203594
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正常心ではsympathetic activityが亢進すると心拍数(HR)の上昇や心収縮性の増強が起る。これに反し,局所心筋に虚血があるとcatecholamineやisoproterenol infusionによって虚血巣は拡大する。急性あるいは慢性冠動脈狭窄が存在する時にもexerciseによって局所収縮異常が出現する1)。心筋に対するこのようなsympathetic activityの悪影響は心筋酸素消費量の増大に起因する。即ち,coronary flow reserveが低下している心臓では,sympathetic stimulationによって心筋代謝が亢進するが,それに見合うだけの送血量の増加が伴わないために酸素の需要と供給の間に不均衡が生じ虚血をもたらす。虚血の改善にsympathetic toneを抑制するβ-blocker剤が使用される所以である。
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