呼と循ゼミナール
虚血心における局所心筋動態—実験的研究(その1)
久萬田 俊明
1
,
松崎 益徳
1
,
楠川 禮造
1
1山口大学医学部第2内科
pp.78
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203506
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冠動脈疾患にみられる局所収縮異常は,心筋の酸素需要と供給の不均衡,即ちmyocardial ischemia,を最も敏速にかつ鋭敏に反映する指標の一つである。一方,心電図変化やanginal attackも虚血の診断には欠かせない。しかし収縮異常があるのにanginaを欠く症例や,収縮障害の出現が心電図異常に先行する場合があり,心電図や臨床所見から虚血の存在を探知するには,その鋭敏さにおいて局所のmechanical perforlnanceの所見に劣る。虚血心における局所心筋動態の検索が重要視される所以である。
冠動脈結紮後の局所心筋機能に関する実験的研究は,古くは1937年のTennant, Wiggersらに始まる。
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