感染対策ICTジャーナル 16巻2号 (2021年4月)

Special feature 診療危機に立ち向かう新型コロナ対策マネジメント

■Review

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019年12月に中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎として認知された。翌年1月14日に原因ウイルスとして新しいコロナウイルスが同定され,1月30日には世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発出したが,その後も急速に世界へ拡がり,現在も世界を席巻している。発生当事国である中国では,強力なロックダウンと徹底した検査体制と隔離予防策で早期に流行を食い止めたが,米国,欧州諸国,ブラジルをはじめとする中南米諸国,インドなどで新規患者発生が著しく増加し,2021年3月25日現在世界での累積感染者数は,約1億2,500万人,累積総死亡者数はおよそ250万人に上る。中国の他には台湾,シンガポール,ニュージーランド,オーストラリアなどの国々はCOVID-19の流行の封じ込めに成功している国々である。

■Pros & Cons 新型コロナ患者の受け入れ時マネジメント―最新知見と現場の実情

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来診療は,感染症指定医療機関をはじめ,地域の中核病院が「帰国者・接触者外来(以下,接触者外来)」を開設して対応してきた。また現在では,民間病院やクリニック,医師会PCRセンターなど,多くの機関で診療・検査が行われている。COVID-19における外来診療を安全・円滑に行うためには,個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)やゾーニングなどのルールを明確にして対応し,流行状況や施設の実情に合わせて運用方法を見直していくことが重要である。

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2020年1月から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,全世界に急速に拡大し,いまだに収束には至っていない。流行状況が目まぐるしく変化していく中,多くの医療機関が様々な工夫を重ねながら診療にあたっている。医療関連施設による院内感染事例が多数報告されている今,病床コントールを含めた入院マネジメントの実際について述べる。

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2019年12月頃に中国湖北省武漢市ではじまった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,世界各地に拡散し未だ収束を認めず,2021年3月1日には世界で1億人以上が感染し,250万人以上が死亡している。現在,COVID-19に対する特効薬は存在せず,ワクチンも国民の多くが接種を完了するには時間がかかる状況である。そこで,感染拡大の抑制のため,早期探知とその後の感染対策が非常に重要であることに変わりない。

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今なお世界中で大流行しており,世界的な大規模災害とも言える。日本国内でも多くの感染者が発生し,高齢者や基礎疾患(心血管疾患,慢性呼吸器疾患,慢性腎疾患,糖尿病など)を有する患者を中心に重症例が増加している。

■New perspective 新型コロナから生まれた新しい感染対策の視点

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防策は標準予防策に加え接触・飛沫感染予防策である1)。そのためには個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)の正しい着脱と適切なタイミングでの手指衛生が必須となる。しかし,COVID-19の世界的流行に伴い,本邦においても2020年1月から感染症患者の増加がみられ,当院(福島県立医科大学附属病院)では2月よりCOVID-19患者の受け入れを開始した。その後,PPEや消毒薬の需要が高まり,病院としてそれらを確保することが困難な時期があった。そこで,PPEや消毒薬の不足時における工夫や対応について考察する。

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2019年12月初旬に中国湖北省武漢市を発生源とする新型肺炎として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が報告されて以来,世界中の人々の生活は大きく変わった。国をあげて3密(密閉,密集,密接)を避けた行動,手指衛生と連続的なマスク着用による感染予防を啓発し,そして多くの人が行うようになった。COVID-19が発生する前の感染対策は,咳やくしゃみなど呼吸器分泌物を飛散させる可能性のある者に対して,手指衛生とマスク着用,いわゆる「咳エチケット」の啓発と指導を行ってきた。しかし,それでも年間1,000万人以上のインフルエンザ感染者が報告され,医療機関においても院内発生やアウトブレイクの報告が後を絶たない状況であった。その原因として,発症前(潜伏期間)からのウイルスの排出や無症状患者の存在があったことが推察される。COVID-19においては更に潜伏期間中のウイルス排出期間が長く1),感染者の多くが軽症であることから,咳エチケットだけでは感染拡大を防ぐことはできない。呼吸器症状がない人も感染源となる可能性があるため,症状の有無に関わらず,すべての人が公共の場においてマスクを着用する「ユニバーサルマスキング」という感染対策が誕生した2)。もちろん,医療施設は公共の場であることから,施設に訪れるすべての者にマスク着用の理解と協力を今後も求めていく必要がある。

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湿性生体物質の曝露から身を守るために個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)が用いられる。PPEには,手袋,ガウン(エプロン),マスク,フェイスシールドなどがあげられる。『隔離予防策のためのCDCガイドライン』においては,眼,鼻,口の防御として血液,体液,分泌物,排泄物の飛散やしぶきを作り出す可能性のある処置や患者ケアの間は,眼,鼻,口の粘膜を守るために必要に応じてマスク,ゴーグル,フェイスシールドを使用することが勧告されている。新型コロナウイルス感染症においても,標準予防策に追加して飛沫感染対策,接触感染対策の実施が求められることから,眼の防護具(ゴーグル,フェイスシールド,アイガード)の着用は重要である。本稿では眼の防護について解説していく。

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チーム医療とは,多様な医療スタッフが,互いに連携し情報を共有して,各自の専門性を発揮し,最良の医療を提供することとされている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19,以下コロナと略)患者への対応を巡って,どんなことが問題になるだろうか?

■Daily 新型コロナ対策下の日常診療マネジメント―新型コロナの影響と運営方法の実際

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宝塚市立病院(当院)は診療科31科,一般病床436床を有する地域中核病院である。2020年3月11日より帰国者・接触者外来(接触者外来)を新設した。2020年4月1日より一般外来での感染を回避するために,新たに発熱外来を新設し,発熱患者の動線を確保した。2021年1月1日付けで,兵庫県新型コロナウイルス感染症患者入院重点医療機関に指定された。本稿では,当院における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延の影響と,この危機に対して,当院が一般診療科における通常診療をどのように維持しているか,その運営方法を述べる。

❷手術室 菊地 龍明
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防対策は,標準予防策に飛沫予防策と接触予防策を併せた対策を行うことが重要である点は手術室における感染対策においても同様である。これに加えて,手術室ではエアロゾルを発生する手技(AGP:Aerosol Generating Procedures)が多く行われるため,①エアロゾルを可能な限りトラップし,バイオハザードとして処理をする。②エアロゾルをトラップしきれない場合には,空気感染予防策に準じた防御を行う。ことがポイントとなる。

❸透析室・透析施設 多湖 ゆかり
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血液透析療法は,慢性透析患者が易感染性であるということや,体外循環治療を多数の患者が同時に行う治療法が一般的であるということから,新型コロナウイルス感染症においても極めて感染リスクの高い状況にあると言える。

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高齢者施設における新型コロナ対策の最大の目標は,「日常業務の維持」である。施設内でクラスターが発生すれば,施設運営だけではなく,多くの高齢者にとっても様々な不利益をもたらすことにつながる。多くの高齢者を守るためにも,施設職員のみならず法人グループ全体で感染対策を行い,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行以前と同様のサービスを提供するということを目標としている。

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基本情報

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感染対策ICTジャーナル
16巻2号 (2021年4月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1881-4964 ヴァン メディカル

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