Special feature 診療危機に立ち向かう新型コロナ対策マネジメント
■Review
新型コロナ対策と診療体制の在り方
-―これまでの経緯,現状,これからの対応
八木 哲也
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 臨床感染統御学 教授
pp.87-92
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000220
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019年12月に中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎として認知された。翌年1月14日に原因ウイルスとして新しいコロナウイルスが同定され,1月30日には世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発出したが,その後も急速に世界へ拡がり,現在も世界を席巻している。発生当事国である中国では,強力なロックダウンと徹底した検査体制と隔離予防策で早期に流行を食い止めたが,米国,欧州諸国,ブラジルをはじめとする中南米諸国,インドなどで新規患者発生が著しく増加し,2021年3月25日現在世界での累積感染者数は,約1億2,500万人,累積総死亡者数はおよそ250万人に上る。中国の他には台湾,シンガポール,ニュージーランド,オーストラリアなどの国々はCOVID-19の流行の封じ込めに成功している国々である。
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