Special feature 新型コロナを経て見直す 隔離予防策—手指衛生と接触予防策
■手指衛生と手荒れ対策 ❸手荒れ対策による手指衛生遵守率の向上
梶川 智弘
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1藤田医科大学岡崎医療センター感染対策室 看護長 感染管理認定看護師
pp.183-187
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000484
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医療者にとって手指衛生は,医療関連感染や交差感染を減らすための最も重要かつ基礎的な手技と考えられている。新型コロナウイルス感染症が世界的に流行していた時期に全職員へ手指衛生の啓発活動を行い,結果として医療関連感染率の低下から改めてその必要性を実感している。当院でも手指衛生を継続的に実施することを推奨し職員は携帯用アルコールジェルの活用や,流水と石鹸による手洗いを実践している。しかし新型コロナウイルスの感染対策について継続性を求められているが,実際には手指消毒薬の使用量や遵守率低下を認めた。この要因について調べてみると手指衛生を継続的に実施することで皮脂が取り除かれ皮膚炎の発症リスクが高くなるとの報告があり,臨床現場からは手指の乾燥や炎症が出現して手指衛生の実施が難しいという声が聞かれた。手荒れは継続した手指衛生を拒む要因となっていると感じた。手荒れ対策を見直すことが手指衛生遵守率向上のカギとなるのではと考えて対応したことを報告する。
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