Special feature 一人ひとりの管理と実施で解決 手指の健康と手指衛生
■Department 場所別『手指衛生の5つのタイミング』の実践
❷小児科病棟・新生児集中治療室(NICU)
森谷 恵子
1
1宮城県立こども病院 感染管理室 看護師長 感染管理認定看護師
pp.216-221
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,薬剤耐性菌をはじめとした感染症の問題は,感染伝播に医療従事者の手指が関与していることが報告され,さらにその感染予防対策として手指衛生の重要性が明らかにされている1)。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)が公表している手指衛生のガイドラインは,手指衛生が必要な5つのタイミングを提示している2)。このようなガイドライン2)を参考に,各医療施設では様々な手指衛生遵守率向上への取り組みが行われている。その一方で,手指衛生の実践において,適切なタイミングで実践されていない状況3)や,手指を介した医療関連感染に関する報告もある。
また,感染予防対策として手指衛生の重要性が示されている一方で,医療従事者の手指衛生に関連する手荒れが問題となっている。医療従事者の手荒れは,手指衛生のコンプライアンスの低下を招き,皮膚細菌叢の変化により,自らが感染源となるリスクがある。手荒れが原因とされる院内感染事例では,深刻な手荒れにより手指衛生回数が著しく低下していたことが報告されている4)。
本稿では,小児科病棟および新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)における手指衛生のタイミングと手指衛生に関連する手荒れ予防対策について述べる。
Copyright © 2020, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.