保健師ジャーナル 75巻10号 (2019年10月)

特集 団地×高齢化—急速な地域の変化に対応する

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高度経済成長期の人口増加により全国各地に開発された団地には,同世代が同時期に入居するという特徴があるため,急激な高齢化による要支援者の増加,認知症によるトラブルなど,これまでなかったリスクが表面化してきている。こうしたリスクが先行して生じる団地の課題に対することは,未来の保健師活動のヒントにもなる。本特集では,団地の特徴と課題を挙げた上で,保健師が担うべき役割の方向性を検討したい。

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団地を抱える地域では急激な高齢化率の伸びにより,これまでになかった支援の必要性が生まれてきている。団地には生活困窮や希薄な社会関係といった課題がある一方で,保健活動に有利な点もある。そうした団地の特徴を踏まえ,住民への働きかけ方について考える。

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少子高齢化の進行が顕著な地域として,集合住宅や団地への社会的な関心が高まっている。本稿では,筆者がニュータウンの地区担当保健師を対象として行ったインタビュー調査の結果を基に,その特徴と課題を踏まえ,行政保健師が行うべき健康づくり活動の方向性を考察する。

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大規模団地である高蔵寺ニュータウンを抱える愛知県春日井市では,高齢化が進む団地固有の課題解決に向けて,2016(平成28)年3月に「高蔵寺リ・ニュータウン計画」を策定し,行政と住民が一体となって「団地モデル事業」を展開した。この取り組みについて紹介する。

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兵庫県神戸市では,住民が主体的に介護予防に取り組む環境を作ることを目標に,要介護リスクの高い地域を選定し,市,区,地域包括支援センターが一体となって介護予防サロンの立ち上げ支援に取り組んだ。この取り組みについて紹介する。

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UR都市機構では,団地を含む地域一体で,多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち「ミクストコミュニティ」の実現を目指し,2014(平成26)年度からUR賃貸住宅団地の地域医療福祉拠点化に取り組んでいる。この概要や実践例,今後の展開について紹介する。

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はじめに

取り組みの背景

 静岡県伊豆の国市は伊豆半島の付け根に位置している(図1)。2019年4月1日現在,高齢化率:32.6%(地区幅:25.5〜52.6%),65歳以上ひとり暮らし世帯率:18.2%,高齢者のみ世帯率:31.5%,高齢者に占める要介護認定率:13.9%で,65歳以上の12人に1人は認知症(介護認定を受けて把握している者のみ)である。

 また,1つの市とはいえ,市街地・中山間地・山間地と区分けられ,人口・産業・移動問題と地域課題が地区により分化されている特徴がある。そのため,地区課題は市内51地区(住民自治組織単位)により全く異なり,個別性を持った対策が各地区単位で必要となっている。

 

静岡県伊豆の国市では,地域コミュニティ再生のきっかけとして,市内に「手づくりベンチ」を設置するベンチプロジェクトを進めてきた。「地域の見守りの目の発掘」やベンチの製作者と活用者との出会い・交流も意図したこの取り組みを紹介する。

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はじめに

 島根県立大学看護栄養学部看護学科では,学生と教員が地域で取り組む課外活動において,高齢者の健康づくり応援プロジェクト「健幸フェスタ2018」を県内企業と連携し企画・実施した。本稿ではその概要と成果について報告する。

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「公衆衛生看護学の体系」とは,保健師が公衆衛生看護活動を実践していく上で必要な学問を体系的に整理したものです。現場の保健師もその内容を理解し,自身のスキルアップや人材育成に活用できます。今回は,難病対策における施策化の事例から,保健師活動と体系との関連を学びます。

連載 数式不要!はめ込み統計学 保健師のための統計これだけ・10

相関係数を求めてみよう! 加藤 丈夫
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連続変数の相関を調べる

 前回は傾向性の検定であるコクラン・アーミテージ検定を勉強しました。この検定では,順序変数(前回の例題では,天然歯数を〈<5〉〈5-9〉〈10-14〉〈15-19〉〈20≦〉の5つのグループに分類)と名義変数(認知機能を〈正常者〉〈低下者〉の2つに分類)を扱い,順序変数の変化に伴い名義変数が一定の傾向(天然歯数が減少するにつれて,認知機能正常者の割合が減少)を示すのか否かを検定しました。

 今回も2つの変数の間に一定の傾向(相関)があるのか否かを検定しますが,扱う変数は順序変数や名義変数ではなく,連続変数です。例えば,空腹時血糖値が高くなるにつれてHbA1c値も高くなるか(つまり,空腹時血糖値〔mg/dL〕とHbA1c値〔%〕は相関するのか:図1),あるいは,体格指数(BMI)が大きくなるにつれてHbA1c値は上昇するのか(つまり,BMI〔kg/m2〕とHbA1c値〔%〕は相関するのか:図2)などを検定します。

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 鶴岡市の保健師活動の歴史で特記すべきこととして,現在の総合保健福祉センター(以下,保健センター)が建設される2010(平成22)年まで,鶴岡市の郊外地域のコミュニティセンターに,保健師が地区駐在制をとっていたことがあります。地区駐在制では,住民組織の基盤になっているコミュニティセンターに保健師の机があり,地区担当活動の拠点となっていました。コミュニティセンターに机があるということは,単に物理的なことだけでなく,地域住民にとって保健師が身近な存在となります。一方,保健師にとっても地域に居場所があることを示していたと思います。この歴史を受けて,現在も合併した町村の庁舎地域担当制(駐在制)をとり,本庁以外に旧町村の5庁舎に9人が勤務しています。鶴岡市の保健師活動を語る時,昔の駐在制の保健師活動をしてみたかったという,若い保健師の声を聞くこともあります。

 現在の保健師活動を体系的に見ますと,地区担当制と係業務担当制の「二足のわらじ」をはき,活動拠点を保健センター(本所)とコミュニティセンター(鶴岡地域21地区)と庁舎(5地域)に置いています。地区担当制では,個人・家族・地域を対象とした活動を行い,①一定の地区を基盤とした生涯にわたる健康づくり活動,②顔が見える・信頼できる関係,③個を見る・生活を見ることに焦点を置いています。係業務担当制では,各係を中心に全市における健康づくり活動の展開を目標としています。この「二足のわらじ」による保健活動の中で,個人から家族,集団や組織,地域を丸ごと見ていくことと,全市的な取り組みを横断的に捉える力量形成を期待しています。また,組織としてこの体制を維持するとともに,地域を複数の目で見ていく体制の確立や効果的なジョブローテーションなどが課題であると考えています。

連載 ニュースウォーク・257

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 今年7月24日から8月9日まで17日間,東京都心の最高気温は35℃以上の「猛暑日」が6日間,残る11日間もすべて30℃以上の「真夏日」だった。この期間は1年後の「2020年東京五輪・パラリンピック大会」の五輪大会期間に当たる。真夏開催の“気象リスク”は以前から心配されていたが,何やら現実味を増す雲行きである。

 さて,五輪の東京開催が決まったのは2013年9月,ブエノスアイレスでのIOC総会だった。候補都市マドリードとイスタンブールを退けた決め手は,総会に出席した安倍首相の「原発汚染水は五輪に心配をかけない」という演説にあった。

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 2011年3月に発生した東日本大震災に伴う原子力発電所施設事故は,福島県下を中心に,広域にわたる生態系や人々の暮らしへ影響をもたらし,多くの住民が健康への不安を感じ,その動向は世界からも注目を集めた。

 本書は,この未曾有の被害と脅威をもたらした事故の直後から,地域住民への支援に最前線で従事した保健師の経験に基づき,放射線事故時に,保健師に求められる役割と,そのために必要な知識や技術を体系的に示した“すぐに使える”(副題一部)テキストである。保健師を対象とした自治体研修や,保健師学生を対象とした基礎教育課程での学習教材としての活用を想定し,全編カラーで,イラストや写真が豊富に用いられ,日頃の業務とは馴染みの薄い知識に対しても容易に読み進めることができる。

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基本情報

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保健師ジャーナル
75巻10号 (2019年10月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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