保健師ジャーナル 74巻8号 (2018年8月)

特集 多職種連携で取り組む—児童虐待防止対策

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2018年4月に改正児童福祉法・児童虐待防止法が施行され,母子保健と児童福祉などとの連携がより重要となっている。本特集では,最近の児童虐待防止に係る動向を理解するとともに,組織横断による対策はどうあるべきか考える。

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児童虐待防止法は2016(平成28)年,2017(平成29)年に改正されている。改正の概要とともに,児童相談所強化プランなど,児童虐待防止対策を巡る最近の動きについて解説する。

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国は子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について報告しているが,検証事例は後を絶たず毎年報告されている現状にある。子ども一人一人の死のメッセージを無駄にしないため,検証を通じて得られた課題や示されている提言などについて紹介する。

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神奈川県では2007年(平成19)年度から児童相談所に保健師を配置している。これまでの保健師配置の経過や,児童相談所内のチームとしての保健師の役割,今後の期待などについて述べる。

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岩手県では児童虐待防止に向けて,事業項目ごとに行動指標や成果指標を記載した「児童虐待防止アクションプラン」を策定している。その取り組みについて紹介するとともに児童福祉司業務を兼務して虐待対応相談に当たっている保健師の立場から,保健師配置の意義や実情について述べる。

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石川県南加賀保健福祉センターにおける児童虐待予防を支えているさまざまな仕組みについて紹介すると共に,児童福祉(児童相談所)との協働の在り方,また母子保健においてケース対応への対人支援としての役割が見えにくくなっている県型保健師の取り組みについて述べる。

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富山県の立山町では母子保健分野において切れ目のない支援による虐待予防に取り組んでいる。取り組みの一環としての要保護児童対策地域協議会の活動について紹介するとともに,課題と保健師の役割について述べる。

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特に対策が必要とされる出生直後の虐待防止について,にんしんSOS東京での活動を紹介する。また,関係機関との連携や今後の虐待防止の在り方について述べる。

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はじめに

 2010(平成22)年国民生活基礎調査(大規模調査)をもとに厚生労働省研究班が2014(平成26)年に公表した岡山市の健康寿命は,男性が69.0歳,女性が72.7歳となっており,大都市を含む政令市20都市の中で,男性が18位,女性が15位と低位であることが分かった(図1)。その結果を踏まえ,岡山市ではハード,ソフトの両面で,市民の健康寿命延伸に取り組み始めた。その取り組みについて紹介する。

 

岡山県岡山市では,民間企業と連携して,歩行や体操などの運動や健診受診,健康状態の改善に対して健康グッズか電子マネーと交換できるポイントを付与する「岡山丸ごと!健幸ポイントプロジェクト」を実施し,市民の健康づくりを応援している。その取り組みを紹介する。

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統括保健師の配置

 2007(平成19)年3月に「市町村保健活動の再構築に関する検討会報告書」が公表された。この検討会は,1994(平成6)年の地域保健法の制定や2000(平成12)年の介護保険法の施行,2006(平成18)年の児童福祉法の改正および障害者自立支援法の制定,2008(平成20)年度から開始される特定健診・特定保健指導が医療保険者に義務付けられた背景を踏まえ,2006(平成18)年から開催された。増大し多様化する保健活動の課題に的確に対応するためには,行政主体としての役割を明確化するとともに,保健師,管理栄養士などの技術職員の活動や人材育成など市町村保健活動体制を再構築することが喫緊の課題となっているとされ,議論が交わされた。

 報告書の中で,市町村保健活動の再構築に向けた推進方策として,保健師が分散して配置されている中で組織横断的な体制を構築するための統括的な役割を担う保健師の配置の必要性について示された。保健師が複数の部署に配置されている場合は,人材育成や地域全体の健康課題を明確にする観点から,保健衛生部門に技術的に指導調整する統括的な役割の保健師の配置が必要であるとされたのである。これにより,人材育成が実施されやすくなることや,地域の健康に関するニーズや課題を共有し地域の実情に合った保健活動が企画立案できること,統括者として分掌事務に明記されている場合は職種の配置決定のプロセスにも参加でき,適正配置を可能することが期待されている。

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はじめに

 2015(平成27)年度より開始された「すこやか親子21」の第二次計画では,「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」等,子育て困難や子ども虐待の発生予防や早期介入を取り組むべき課題とし,子ども虐待を起こしやすい社会的ハイリスク妊婦へ妊娠期から支援を開始することを勧めている。

 一方で,社会的ハイリスク妊婦は,その認知や感情の特性から,支援者や支援そのものを拒否,中断することも多い。本稿では,英米の母子保健・子ども虐待防止領域で広く用いられている「動機づけ面接」を紹介し,日本での母子保健・予防領域での活用の可能性について述べる。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・62

あらためまして…… 中板 育美
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 安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」が頭に浮かびます。せっかくなので,“安室ちゃん”の力をお借りして,みなさま改めまして「どうぞよろしく♬」お願いしますという気持ちです。

 6月の日本看護協会通常総会を経て常任理事の任期が終了し,所属が変わりました。丸々6年間,各地で多くの保健師の皆さまと語り合えたこと,皆さまとの出会いに支えられ楽しくやりがいを持って,結果はさておき看護の質向上に向けて取り組めたことを,心から感謝しております。これまでも時折お手伝いさせていただいていた保健師の基礎教育でしたが,これからは大学で本務として関わることになりました。また,実践現場に軸足がないと“心落ち着かぬ”わが身としては,現任教育や地区活動にも傾倒できることは何より心待ちにしていたことでもあります。というのも,これまでゲストスピーカーや非常勤でのお手伝いも含めて,卵から生まれる前の未来の後輩(になってほしい人材)との時間を共有する度に,卒後の現任教育の重要性を再認識することが本当に多くあったからです。

連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・4

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 2008(平成20)年度からメタボ健診(特定健康診査)が医療保険者に移管され,市町村保健事業におけるがん検診の比重が高まったことから,従来の老人保健事業報告は健康増進事業報告になり,がん検診については前年度受診者の追跡調査が追加されるなど,内容が格段に充実した。そのデータはe-Stat*1上で公開されており,かつ市町村別,5歳階級別という詳細なもので,がん検診に関する国際的にも貴重なデータとなっている(この点で,法的制約から都道府県別データしか公表されない特定健診データと大きく異なる)。

 今回は,このがん検診のデータウェアハウス(以下,DWH)の活用について紹介する。がん検診DWHについては,本誌の昨年12月号(特集「これからのがん対策」)でも紹介したが,そのとき「保健医療福祉計画データウェアハウス」のwebページで示したDWHは,いちいちファイルをユーザーのPCにダウンロードしなければならず時間がかかるため,がん部位別に分割して提供していた。

連載 ニュースウォーク・243

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 “人生100年時代”とやらに踊らされたわけではない。筋力低下を少しでも防ごうと,今年は朝の通勤時に一駅分を歩くようにしている。都内のお茶の水と本郷までの間で,私の足で10分余り。

 JR御茶ノ水駅を降りて神田川にかかる橋を渡ると,隣り合う東京医科歯科大学病院と順天堂大学病院の前を通る。通勤者と病院へ急ぐ通院患者で歩道が埋まる医学部・病院エリアである。

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は,2007年に保健医療学部として理学療法学科,鍼灸学科を設置して開学しました。2011年に看護学科を設置し,以後,作業療法学科,臨床検査学科,大学院保健医療学研究科,助産学専攻科を開設,さらに2018年4月に臨床工学科,大学院博士後期課程が加わった医療系総合大学です。大学の特徴を生かし,多学科連携型「チーム医療教育」の一環として,各学科3年生が全員で多職種連携教育(IPE)に取り組んでいます。保健師教育は選択制(10人)で,4年間の卒業生40名中14名が保健師として各分野で活躍しています。

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バックナンバー一覧

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次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
74巻8号 (2018年8月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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