保健師ジャーナル 74巻2号 (2018年2月)

特集 地域で予防するフレイル

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心身が虚弱な状態である「フレイル」。本特集では,とくにフレイルに陥りやすい高齢者に対し,フレイルの把握から運動・栄養・社会交流まで,様々な視点から取り組んだ地域活動の例とともに,今後の対策について考える。

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2050年には国民の4割が高齢者となり,高齢者1人を1.2人の現役世代が支える「肩車」型の社会が到来することが見込まれている。この難題を解決するためには,高齢期の虚弱を予防し,豊かなエイジングを地域全体で支えていく必要がある。本稿では,フレイルの概念を示し,実態の把握から予防における地域での活動の重要性を説く。

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現在,「高齢者の低栄養防止・重症化予防推進事業」として,いくつかの地域でモデル事業が実施されている。2018年度には事業の全国的な横展開が予定されており,対策について保険者が参照するガイドラインも作成が行われているところである。今後さらに注目が集まるフレイル対策について解説する。

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高齢者の健康余命を延伸するにはフレイルの予防が不可欠であり,そのための地域環境を行政や住民が一体となって創出する仕組みが必要である。その仕組みとして「フレイルを先送りする社会システム」の開発に取り組んでいる立場から,これまでの成果について紹介する。

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千葉県柏市では,より早期からの「三位一体(栄養・運動・社会参加)」への包括的アプローチにより,いつまでも健康で充実した生活を営める健康長寿のまちづくりを目指している。これまでの取り組みについて紹介する。

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大阪府大阪狭山市では,保健師などの専門職が高齢者を訪問して,必要な保健指導を行うことで,低栄養や筋力低下などを予防し,要介護状態への進展を防ぐ取り組みを行っている。取り組みの経緯とモデル事業としての実施について紹介する。

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都市近郊に位置し,団塊世代が多く住む埼玉県鳩山町では,隣近所のつながりがやや希薄なものの,体操教室など特定の目的を持った機能的コミュニティには多くの住民が集まるという特性がある。鳩山町ではその機能的コミュニティを活用し,フレイルの予防に取り組んだ。その活動について紹介する。

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尾張旭市の概要

 尾張旭市(以下,本市)は,愛知県の北西部,濃尾平野の東部に位置する,市域面積21.03km2のコンパクトなまちである(図1)。名古屋市の中心部から約15kmという立地の良さもあり,1970(昭和45)年の市制施行後はベッドタウンとして人口が増加してきた。全国的に人口減少の波が押し寄せる中,2017(平成29)年4月1日現在,人口は8万2997人で,現時点では微増傾向を維持しているが,推計上ではまもなく減少し始めると予想されている。一方,高齢化率は24.9%であり,高齢化は着実に進んでいる。

愛知県の尾張旭市では,①将来にわたり自立した日常生活を送れるよう,体力を維持・増進し,将来にわたり自立した生活を送れること,②地域でトレーニングを実施・継続することにより,仲問づくりと閉じこもり予防を図る目的で,「らくらく筋トレ体操」という筋力トレーニング事業と,その運営・活動を支援する健康づくり推進委員の養成を行っている。その取り組みを紹介する。

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■要旨

目的:本研究は,A町の保健師全員による本音の対話から,町の活動の目的・目標と具体的行動を明確化することを目的とする。

方法:第1に,A町の保健師全員による3回の対話を通して,町の活動の目的・目標から,保健師として行いたい仕事を実現するためにはどうすればよいかをフィシュボーン図を使用して明確化した。第2に,対話の効果を確認するために,3回の対話終了から3か月後にA町に伺い,3回とも参加した保健師全員に「3回の対話を通しての感想」と「3回の対話後の変化について」の2点を記述してもらった。

結果:A町の保健師が目指している活動は,「A町の底力UP」のために「住民の輪の中に保健師も入り,ともに育ち合い,人と人とのつながりを紡いでいきたい」で一致した。加えて,目指している活動を実現するために必要なこととしては,「保健事業」としてすべきことと,「職場環境」として整えるべきことの2つに分類された。話し合い後の変化としては,保健師同士の関係がスムーズになり,声をかけ合い,意見を言い合えるようになった。

結論:本研究においてA町の保健師全員による本音の対話から,町の保健師活動の目的・目標と具体的行動をフィシュボーン図を使用し「見える化」したことで,保健師一人一人が仕事に見通しが持て,仕事の意欲や自信につながるという,仕事の内発的動機付けの効果になったと考える。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・56

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 母子保健のテーマは,医療との結びつきも含め,より高度・複雑化し,発育発達・人格形成に影響を及ぼす相談も増えています。今回と次回の2回では,愛着形成とそれを阻害するもの,阻害を防ぐための支援について述べてみたいと思います。

連載 事例を通して学ぶ 悩める妊婦の相談対応・11

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 連載の第2回(5月号)で,悩める妊婦の9タイプ分類を紹介しました。第3回(6月号)からはそのタイプ別に,以下の点を踏まえながらケーススタディをまとめています。

●実際にマイクロ技法を用いることで相談への対応がどのように展開していくかを示すために,マイクロ技法階層表の11段階(次頁の表)に当てはまる個所に階層番号を付けました。

●まずは「相談力アップのポイント」を念頭に置いてケーススタディを読んでみてください。その後に,「対応上の注意点」「質的調査結果から見える支援の実態」をまとめています。これらを併せて読むことで,相談を受ける側の技量を向上させることができるでしょう。

 悩める妊婦には,いろいろな専門職や民間団体が関わります。保健師,助産師,看護師,医療ソーシャルワーカーなどが相談対応を行い,医療機関や児童相談所,学校,さらに円ブリオ基金センターのような民間NPO団体とも連携します。

 今回紹介するのは9タイプの9番目「命への喜び・希望型」の1事例です。

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保健師記録の「情報開示」

 地域包括ケア時代における保健師記録の「情報開示」と保健師活動について,前回1)は「その1」として「保健師記録を求められる/提供する」という保健師の立場から,職務上直面する可能性のある「情報開示」について,さまざまな法領域において問題となる事項の概略を論じた。今回は,都道府県および市町村の個人情報保護審査会の答申からの,地域包括ケア時代における保健師記録と保健師活動の教訓を検討する。

 個人情報保護審査会の答申とは,後述するように開示請求の結果への不服申立てに対する審査であり,あくまで,当該事例に限った答申ではある。しかし,個人情報保護審査会の答申からは,以下の2点の教訓を得ることができる。

連載 鹿児島保健師ものがたり 地域包括ケア時代の保健師の役割を探る・5

保健師は何する人 八田 冷子
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介護保険導入時から地域包括ケアシステム構築に先駆的に取り組んできた鹿児島の保健師たち。その取り組みを6回の連載で振り返り,時代とともに生きる保健師の役割を探ります。

連載 ニュースウォーク・237

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 「世も末!」と胸中に悲憤を刻んだのは昨年11月30日,朝の通勤電車内での出来事である。

 東京駅まで1時間の超満員電車。始発組の私は座って本を読んでいたが,いつの間にかウトウトした。ふと目覚めると,私と隣席の人の足元に顔を埋めるように女性がうずくまっていた。周りを見回したら,座る人も立つ人も変事に気付かないのか,その振りをしているのか。

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は,看護学科,栄養学科,歯科衛生学科,リハビリテーション学科からなり,健康づくりのプロフェッショナルを育成する大学として2009(平成21)年に開学しました。前身の千葉県立衛生短期大学と千葉県医療技術大学校の時代を含めると35年以上の歴史があり,多くの保健師を輩出しています。看護学科のある幕張キャンパスは,近くに幕張メッセやマリンスタジアムがあり,時には潮の香りもする恵まれた環境に立地しています。

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バックナンバー一覧

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次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
74巻2号 (2018年2月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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