研究
保健師全員での対話の効果と職場環境の変化
若杉 里実
1
,
松井 昌子
2
,
田北 美里
2
,
釜中 晃代
2
,
春日井 幾子
2
,
鈴木 美帆
2
,
川崎 陽子
2
,
近藤 美保
3
1愛知医科大学看護学部
2大口町健康福祉部健康生きがい課
3大口町健康福祉部健康戸籍保険課
pp.134-141
発行日 2018年2月10日
Published Date 2018/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200872
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■要旨
目的:本研究は,A町の保健師全員による本音の対話から,町の活動の目的・目標と具体的行動を明確化することを目的とする。
方法:第1に,A町の保健師全員による3回の対話を通して,町の活動の目的・目標から,保健師として行いたい仕事を実現するためにはどうすればよいかをフィシュボーン図を使用して明確化した。第2に,対話の効果を確認するために,3回の対話終了から3か月後にA町に伺い,3回とも参加した保健師全員に「3回の対話を通しての感想」と「3回の対話後の変化について」の2点を記述してもらった。
結果:A町の保健師が目指している活動は,「A町の底力UP」のために「住民の輪の中に保健師も入り,ともに育ち合い,人と人とのつながりを紡いでいきたい」で一致した。加えて,目指している活動を実現するために必要なこととしては,「保健事業」としてすべきことと,「職場環境」として整えるべきことの2つに分類された。話し合い後の変化としては,保健師同士の関係がスムーズになり,声をかけ合い,意見を言い合えるようになった。
結論:本研究においてA町の保健師全員による本音の対話から,町の保健師活動の目的・目標と具体的行動をフィシュボーン図を使用し「見える化」したことで,保健師一人一人が仕事に見通しが持て,仕事の意欲や自信につながるという,仕事の内発的動機付けの効果になったと考える。
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