保健師ジャーナル 70巻8号 (2014年8月)

特集 子どもとメディア―インターネット,ソーシャルメディア対策を中心に

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ネット社会の進展に伴い,子どもたちの「メディア漬け」はより深化し,ネット依存,ネットトラブルなどのため,子どもの成長・発達における危険が増大し,より深刻なものとなっている。子どもたちのメディア利用の実態と健康への影響を学び,これらに対する地域での取り組みを紹介する。

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IT化により私たちの生活は便利になったが,便利=子どもの発達を促すことではない。赤ちゃんが人と関わりながら体と心が育つ道筋を保障するために,2004年から子どもとメディアの問題の啓発活動を行っている小児科医会の立場から,あらためてスキンシップと直接的な働きかけの大切さを訴える。

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ネット社会の進展に伴い,子どもたちの「メディア漬け」はより深化し,ネット依存,ネットトラブルなどのため,子どもの成長・発達における危険は増大し,より深刻なものとなっている。本稿では,その実態を紹介し,今後の対策への一助となることを期待する。

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福岡市では,2013年にスマートフォン,携帯電話,インターネット・ゲームなどのメディアが子どもに及ぼす影響の対策の基礎資料とすることを目的に調査を行い,2010年に実施した「小・中学生の意識と生活に関するアンケート」と経年比較した。その概要を報告していただく。

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徳島県阿南保健所では「メディア依存対策」を重要課題として捉え,2013年度より取り組みを開始。保健・医療・学校関係者等を対象とした研修会や,一般向けの研修会,専門相談窓口設置などの活動を展開した。その実践について報告していただく。

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京都市では,子どもを健やかに育む社会をめざす行動規範として,憲章を2007年2月に制定。その背景には,インターネットや携帯電話の弊害についての対策を求める市民の声があった。憲章推進のための具体的な方策を報告していただいた。

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大槌町の概要

 岩手県大槌町は三陸海岸に面する町(図1)で,2011(平成23)年3月の東日本大震災(以下,震災)で大きな被害を受けた自治体の1つである。2011年11月30日現在の被害は,死者751人,行方不者505人,合計1256人(人口の7.8%),家屋の全壊・半壊などは3878棟(全家屋の59.6%)であり,2011年8月5日までに全48団地,2106戸の仮設住宅が整備された1)

 仮設住宅にはおおむね50戸ごとに居住者の集会などに利用する集会所,談話室が設置され2),大槌町では集会所8か所,談話室24か所(うち空き室利用5か所)が整備された。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町では,震災後,高齢者の身体活動量が低下し,閉じこもりの傾向が見られた。そこで,高齢者の運動や人間関係づくりを支援するため,「大槌ぴんころ体操」の製作に取り組んだ。町に縁のあるポーズや曲を取り入れるなど工夫を施した体操は,町全体に広がりつつある。

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経緯

今後進むべき道を探るために

■第51回日本医療・病院管理学会

 学術総会で

 2013(平成25)年9月27・28日の2日間,第51回日本医療・病院管理学会学術総会が京都大学今中雄一学術集会長のもと,開催された。同学会は臨床・経営や政策の現場と研究に従事する者が相集う場であり,また,多職種からなる学際的な相互交流の強みをもつことから,「これからの(日本が抱える)医療・介護・保健分野における問題解決や社会づくりにきわめて重要な基盤」づくりをめざすという方針で企画運営され,さらに未来の社会に効果的に貢献することをめざして,テーマは「医療政策と医療経営:変革する時代の特徴・成長戦略」としたとのことであった。

 2日目のシンポジウム「保険者機能の発揮を通じた医療の向上」では,司会者が総論として「保険者機能と医療の質」を述べた後に,「保険者機能の発揮による医療システムの有効活用を探る一考察」「保険者機能の発揮による健康増進(アメリカの事例)」および「保険者機能によるヘルスマネージメント」について,それぞれ立場の異なるシンポジストから報告された。その中で,近年,保健師の活動が有効と評価されてきていることが,異なる保険者から共通して指摘されたことは,50年余り前に国保保健婦としてスタートした活動が,今日漸く日本全体のシステムに共通して機能してきた成果だ!との感慨を深くした。

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はじめに

 2004(平成16)年6月に閣議決定された「骨太の方針2004」における「官から民へ」の流れの中で,地方自治体の中には業務の委託の方向性を打ち出し,積極的に委託を進めるところもみられている。保健事業において2008(平成20)年に始まった特定健診・特定保健指導は委託を前提とした事業であり,厚生労働省のマニュアルの中でも委託する際の留意点が述べられている1)

 このような状況を背景として,2011(平成23)年に開かれた新しい「地域における保健師の保健活動に関する指針」に向けた検討会では,最終的な指針には盛り込まれなかったものの,保健師活動と委託との関わりについて討議された2)。検討会の中では,「事業を委託したら,その事業は自分の責任の範疇外と捉えているのではないか」「委託の仕様書の記載に保健師が関わることが必要」などの意見が出され,報告書では,保健師には委託の判断から始まり,委託事業の成果を地域診断や各種保健医療計画に反映するまでの一連の過程のそれぞれの場面で役割があることが述べられている。

 しかし,このような議論の根拠となる保健事業の委託割合に関わる調査は,2004年3)以降実施されていない(2004年の調査結果の一部は『保健師ジャーナル』で報告した)4)。そこで今回,委託の実施状況や今後の委託に関する意向などを明らかにすることを目的として調査を行った。なお,この調査では,過去との比較を行うことで現状の理解が進むことを考慮し,可能な範囲で先行調査と定義などを一致させて行った。

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■要旨

 A健康保険組合が2010,2011(平成22,23)年に実施した生活習慣病予防プログラムの自発的参加者620名を対象に,効果的な運動継続の支援を行うための検討資料とするため,アクションリサーチの手法を用いて,運動プログラム開始後4週間の経時的実施状況を調査した。

 2010年の対象者では,①第1日目の運動実施者率が最も高いものの50%を下回った,②開始後1週以内と週末に運動未実施者が多い,③記録表未提出により運動中断と判断された者が多いことが明らかになった。

 この分析から支援の改善点を抽出し,2011年対象者に,実施者率が低下する時期に焦点を当てて中断防止の支援を強化した。運動継続者率は有意に上がったものの,経時的運動実施者率推移に大きな変化はなかった。経時的運動実施者率は,第1日目が最も高く,第4日目以降に低下しはじめ,週末に下がって月曜日に回復するというパターンを繰り返しながら低下することが明らかになり,第1週目に焦点を当てた支援が有効であると考えられた。また経時的実施者率推移に大きな変化がみられなかったにもかかわらず実施者率が上がった要因として,開始時の実施者率上昇が影響したことから,開始時の実施者率を高めることの有効性が示唆された。さらに運動中断者を速やかに把握して個別に介入すること,グループダイナミクスにつなげる支援媒体を検討していく必要性が示唆された。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・14

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 6月12日(木),日本看護協会の全国保健師交流集会を名古屋で開催しました。参加された保健師の皆様方,お忙しい中のご参加感謝申し上げます。当日は満員御礼で,会場は熱気で満たされました。ここではその一部をご紹介します。

 保健師には,常に国の社会経済情勢や保健医療の動向に目を向け,複雑化,高度化,多様化する住民ニーズと統合させながら,今,何をすべきかを判断し,行動することが要請されています。そこで,交流集会のキーワードを「指針」「健康格差」「変える・変わる」として企画を進めてきました。

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はじめに

 豊橋市では,医療と介護の情報連携ツール「私のリハビリ手帳」の利用促進のための啓発用DVDを官民協働,手づくりで制作した。医療・介護関係専門職と行政とが一丸となり,DVDという1つの作品を一緒に作ったことで,医療と介護が連携することの重要性とその真意を互いに知ることができた。医療・介護連携の推進による多職種連携を起点とした,社会全体が相互に支え合い市民の健康を守る環境整備の一例と思われる。

 本稿では,「社会環境の質」という考え方に着目した健康日本21(第2次)の国民の健康の増進の推進に関する基本的方向の1つである「健康を支え,守るための社会環境の整備」にあたる官民協働の実践を報告する。

連載 もう一度学ぶ状況設定問題・8

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設問

 Aさん,25歳,男性。引越し業者で働いていたが,数か月前から腹痛,下痢,体重減少がみられ,倦怠感も強いため勤務を休みがちとなった。医療機関を受診したところ,クローン病との診断を受けた。

連載 姫井先生と考える 健康に生き抜くためのヒント・17

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 男女雇用機会均等法が1986年に施行されて,すでに30年近くが過ぎようとしています。現在の日本国民の年齢層別男女比率と,30~40代のいわゆる働き盛りの労働人口の男女比率を比較してみると,雇用状況は均等ではなく,まだまだ男性偏重の社会のままであることがわかります。

 いま日本の直面している超高齢社会と少子化の問題を緩和するには,女性の労働力を活用することが不可欠と言われています。国は,女性が働きやすくするためにと,さまざまな施策や法整備を行っていますが,そのような取り決めをすれば,すべての問題が解決するのでしょうか?

 今回は,本当に女性が働きやすい環境をつくるために必要なことについて考えてみます。

連載 健康課題としての放射線防護 保健師による実際的な活動モデルに向けて・4

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 2011(平成23)年3月,東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故(以下,福島第一原発事故)が発生した。目に見えず,においもない,五感で感じることのできない放射線に対して,人々の間で大きなパニックが起こった。これを機に,放射線被ばくと健康影響に関する「放射線健康リスクコミュニケーション」*が社会的にも大きな関心を集めることになった。現在では,空間線量や被ばく線量,個々人の生活実態や個々人の考え方に沿った放射線健康リスクコミュニケーションが重要となってきていると考えられる。

 2013(平成25)年4月20日,福島県双葉郡川内村と国立大学法人長崎大学は包括的連携協定を締結し,村内に「長崎大学・川内村復興推進拠点」を開設した。筆者は,2013年4月から現在に至るまで同拠点で放射線と健康に関する保健活動を担当する保健師として活動してきた。今回はその活動について報告する。

連載 ニュースウォーク・197

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 身元のわからない認知症徘徊者として7年間,群馬県館林市の介護施設に保護されていた女性が,東京・浅草の元ラジオアナウンサー(67歳)とわかったというニュースは衝撃だった。多くの手がかりがありながら,7年間もなぜ,なぜ,と衝撃がやまないのだ。

 身元判明のきっかけは5月11日放送のテレビ番組,NHKスペシャル「認知症800万人時代 行方不明1万人―知られざる徘徊の実態」である。番組では保護された当時の写真を含め女性のことが取り上げられた。私もテレビを見ていて,「こんなすてきな女性がなんでわからないのだろう」と不思議がった。

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は,2009年4月に愛知県立看護大学と愛知県立大学を統合し,「豊かな人間性と高い知性を備え,かつ,国際性,創造性および実践力に富む有為な人材を育成する」ことをめざした新しい愛知県立大学としてスタートしました。現在は看護学部のある守山キャンパスと長久手キャンパスを合わせた5学部10学科と,大学院4研究科で構成されています。

 両大学の歴史は古く,愛知県立大学は1947年の愛知県女子専門学校,愛知県立看護大学は1968年の愛知県立看護短期大学にまでさかのぼることができます。

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保健・医療・福祉のこのひとつきの動き

健康寿命,浜松市が1位

大都市別集計

 「健康寿命」の20大都市別データを厚生労働省研究班がまとめた。2010年時点で最も長いのは男女とも浜松市で,最も短いのは男性が大阪市,女性は堺市だった。これまでは都道府県別しかなかった。

 健康寿命は,生活に支障なく過ごせる期間の平均を示している。75万人を抽出した厚労省の国民生活基礎調査で,「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合から計算する。厚労省は,平均寿命(10年は男性79.55歳,女性86.3歳)との差を縮めることをめざしている。

今月の3冊プラス1

次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
70巻8号 (2014年8月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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