連載 健康課題としての放射線防護 保健師による実際的な活動モデルに向けて・4
―保健師の実践へのヒント②―川内村における放射線と健康に関する保健活動
折田 真紀子
1,2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科看護学講座
2長崎大学原爆後障害医療研究所
pp.726-730
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102497
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2011(平成23)年3月,東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故(以下,福島第一原発事故)が発生した。目に見えず,においもない,五感で感じることのできない放射線に対して,人々の間で大きなパニックが起こった。これを機に,放射線被ばくと健康影響に関する「放射線健康リスクコミュニケーション」*が社会的にも大きな関心を集めることになった。現在では,空間線量や被ばく線量,個々人の生活実態や個々人の考え方に沿った放射線健康リスクコミュニケーションが重要となってきていると考えられる。
2013(平成25)年4月20日,福島県双葉郡川内村と国立大学法人長崎大学は包括的連携協定を締結し,村内に「長崎大学・川内村復興推進拠点」を開設した。筆者は,2013年4月から現在に至るまで同拠点で放射線と健康に関する保健活動を担当する保健師として活動してきた。今回はその活動について報告する。
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