研究
生活習慣病予防を目的とした運動プログラムの短期的な実施率推移に関する検討
本間 泰子
1
,
荒木田 美香子
2
,
大井 珠子
1
1ヤマハ健康保険組合
2国際医療福祉大学小田原保健医療学部看護学科
キーワード:
運動継続
,
経時的推移
,
保健指導
Keyword:
運動継続
,
経時的推移
,
保健指導
pp.700-707
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102492
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■要旨
A健康保険組合が2010,2011(平成22,23)年に実施した生活習慣病予防プログラムの自発的参加者620名を対象に,効果的な運動継続の支援を行うための検討資料とするため,アクションリサーチの手法を用いて,運動プログラム開始後4週間の経時的実施状況を調査した。
2010年の対象者では,①第1日目の運動実施者率が最も高いものの50%を下回った,②開始後1週以内と週末に運動未実施者が多い,③記録表未提出により運動中断と判断された者が多いことが明らかになった。
この分析から支援の改善点を抽出し,2011年対象者に,実施者率が低下する時期に焦点を当てて中断防止の支援を強化した。運動継続者率は有意に上がったものの,経時的運動実施者率推移に大きな変化はなかった。経時的運動実施者率は,第1日目が最も高く,第4日目以降に低下しはじめ,週末に下がって月曜日に回復するというパターンを繰り返しながら低下することが明らかになり,第1週目に焦点を当てた支援が有効であると考えられた。また経時的実施者率推移に大きな変化がみられなかったにもかかわらず実施者率が上がった要因として,開始時の実施者率上昇が影響したことから,開始時の実施者率を高めることの有効性が示唆された。さらに運動中断者を速やかに把握して個別に介入すること,グループダイナミクスにつなげる支援媒体を検討していく必要性が示唆された。
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