助産雑誌 73巻9号 (2019年9月)

特集 みんなが参加したくなる 両親学級&母親学級のヒケツ

  • 文献概要を表示

両親・母親学級を開催する施設が多いですが,「(プレ)ママ・パパの満足度は非常に高く,毎回空席なし!」という施設ばかり,とはなかなかいかないのではと思います。逆に「集客を増やすためには?」「参加者にとって,よりためになるプログラムにするには?」といった課題を持って,試行錯誤されているのではないでしょうか。

では,学級の「質」を高めるためにはどうすれば良いのでしょう?

そうした疑問に応えるために,両親・母親学級の違いを明らかにすると共に,多くの学級を担当されている講師からのアドバイスや,満足度の高い学級を実践している医療機関の取り組みをまとめました。

  • 文献概要を表示

病院,診療所,助産所といった医療機関などでは,母親学級,両親学級を行っているところがほとんどです。本稿では二つの学級の目的を改めて述べた上で,二つの学級において助産師が果たすべき役割を示しました。

  • 文献概要を表示

「お母さんだけでなくお父さんにも響くような内容とするには,どのような両親学級のプログラムを組めば良いのか?」とお悩みの方は多いと思います。本稿では,多くの講師経験を持つ筆者の観点から,より満足度を高めるプログラムを組むための一案を紹介します。

  • 文献概要を表示

両親学級・母親学級は,出産準備だけでなく,その後の子育てへの意識付けや,地域の家族同士のつながりをつくる機会としても大切です。本稿では,虐待予防の観点からも重要な両親学級・母親学級の役割と,グループワークを取り入れる際のコツをご紹介いただきます。

  • 文献概要を表示

東京都杉並区の赤川クリニックでは,産前に3回,産後に1回,計4回の両親学級を行っており,3回目のクラスでは産後の生活が取り扱われています。本稿ではその内容を取り上げ,産後の生活について教えるようになった経緯や,クラスで意識して伝えていること,担当する助産師に求めることをまとめました。

  • 文献概要を表示

埼玉県の医療法人恵愛会恵愛病院では,父母を対象とした両親学級や母親のみを対象とした母親学級のみならず,父親のみ,祖父母を対象とした学級や,妊娠中から子育てについて学べる,さまざまな学級が受講できます。本稿では,各学級の概要についてをまとめました。

  • 文献概要を表示

東京都立川市にある,まんまる助産院ではさまざまな講座を通じて,妊婦さんの「自分で産む」という意識を育てています。本稿ではそれらの講座の具体的な内容と,講座を担当する助産師に求めていること,講座を受けた妊婦さんの意識の変化をまとめていただきました。

  • 文献概要を表示

両親(父親)学級参加の3つの動機

 両親学級(父親学級含む)には計4回(長女出産前に2回,長男出産時に1回,長男出産後に1回)参加しています。両親学級参加の動機は,大きく3つありました。

  • 文献概要を表示

はじめに

 わが国の20〜39歳の有配偶者女性の労働力率は約6割となり1),今後も職業を有しながら妊娠・出産,そして育児を行う女性は増加していくことが予測される。しかし,第1子出産前後で46.9%の女性が退職し2),たとえ共働きであっても妻の家事・育児時間は夫の0.46時間と比較し4.54時間と多い3)。加えて,わが国では「男は仕事,女は家庭」といった伝統的性別役割分業観が根強く存在していることから,いわゆるワンオペ育児が,働いている女性に限らず,女性の過剰負担を招いている。

 このような女性の仕事や家事・育児の過剰負担に対し,わが国では育児に積極的に参加する男性を増やそうと,2010年よりイクメンプロジェクトを始動し,近年では,父親の育児に関する研究や,父親に対する育児支援教育やイベントも増えてきている。しかし,わが国における夫の家事関連時間は10年前より6分の増加にとどまり4),さらに育児期にある父親の13.6%がうつ状態となっていること5)も問題視されている。わが国のこのような育児期の課題に対して,夫婦が健康を維持し,希望するライフプランと育児を両立できるような支援方法が模索されている。

 私たちはこの課題の解決策として,コペアレンティングの概念を取り入れたFamily Foundation Program®6)が有効であると考えた。これは,米国ペンシルベニア州立大学のFeinberg教授らが開発した,妊娠期から行われる夫婦参加型のコペアレンティング促進教育プログラムである。これは妊娠期5回,産褥期4回の合計9回のプログラムとなっている。

  • 文献概要を表示

はじめに

 日本は,阪神・淡路大震災,東日本大震災など大規模な地震災害が一定の頻度で発生していると共に,台風などによる風水害なども毎年のように発生している災害大国です。阪神・淡路大震災をきっかけにDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)の組織,災害拠点病院やEMIS(Emergency Medical Information System:広域災害救急医療情報システム)の整備,被災地外へ搬送する広域医療搬送の計画等が進み,現在の災害医療の体制となりました。

 一方で,小児周産期の領域では,災害対策が同時に進んでいたとは言えず,ここ数年でようやく整備が動き出したところです。本稿では小児周産期の災害対策がどのように整備されてきているかをお示しし,助産師の関わり方について解説します。

トピックス

  • 文献概要を表示

いっぱいいただいた宝物

 2019(平成31)年3月12日の未明,私たち助産師の素晴らしい指導者であり,また女性の良き理解者であった毛利種子先生(以下,種子先生)が旅立たれました。

 私と種子先生との出会いは,1986(昭和61)年に地域開業を始めて間もない頃で,種子先生のご長女でいらっしゃる由美子さんとの出会いがきっかけでした(その頃は京都にお住まいで,私のところへ母乳育児相談にいらしていました)。由美子さんが種子先生の娘さんであるとお聞きして,すぐにでもお会いしたい旨をお伝えすると,神戸の,その当時の助産所に案内してくださいました。2階建ての普通のお家の上階に診察室や分娩室,産室があり,とても温かい雰囲気の助産所で,この時「いつか私も助産所を開こう!」と心に決めたのを思い出します。

  • 文献概要を表示

シンポジウムの概要

 2019年6月25日(火),東京大学 山上会館大会議室(東京都文京区)にて「母子支援防災シンポジウム—乳幼児支援のための備蓄と液体ミルクのあり方」(以下,防災シンポジウム)が行われました(写真1)。この防災シンポジウムのテーマは「災害時に配慮が行き届きにくい乳幼児を抱える母親への適切な支援のあり方」や「母子に本当に必要な支援とは何か」を考えることです。当日の会場は満席で,追加の椅子が必要となるほど多くの方が参加され,興味関心の深さがうかがえました。

 防災シンポジウムは,前半が4人の登壇者による講演,後半がパネルディスカッションという構成で,岩城麻子氏(国立研究開発法人防災科学技術研究所)による挨拶の後,講演がスタートしました。

連載 インタビュー 日本の“産婆の心”を受け継ぐために 小児科医師が聴く,助産婦の語り・1【新連載】

  • 文献概要を表示

 ほとんどのお産が自宅で営まれていたころ,お産は助産婦によって取り上げられていました。当時を知る方々に教えを受けた助産婦さんたちが今,引退の時期を迎えつつあります。

 そこで,この世代の助産婦さんを訪ね,その方が持つ知識や技術,経験などを直接聞かせていただき,それらを記録し,次の世代へと受け継ぐ一助になればと考え,本連載を企画しました。お産に関わる助産師,看護師,産科医だけでなく,私と同じ小児科医にもぜひ読んでいただきたいと思います。(桑原 勲)

連載 続・いのちをつなぐひとたち・11

カレン・ギリランドさん
  • 文献概要を表示

助産師こそ,女性の「母としての権利」の守り手

ニュージーランド助産師会を設立し,最高責任者として30年近く活躍したカレン・ギリランドさんが,引退の直後に来日した。カレンさんの輝かしい功績を讃える声は止まず,昨年に出産した現役女性首相のジャシンダ・アーダーン氏や前首相のヘレン・クラーク氏も言葉を寄せている。ニュージーランド助産師会とカレンさんご自身について聞いた。

連載 宝物,教えてください・44

  • 文献概要を表示

 私の大切な宝物は,幼い日に父が与えてくれた大きな地球儀です。この地球儀のおかげで私の人生は世界に向けられました。その頃,夢中で読んでいた少女漫画に掲載されたジョン・F・ケネディの葬儀写真に写った,私と同年代の女の子と男の子の姿に,私の目は釘付けになりました。お母さんと手をつないでいる2人の子どもは,私が今までに見たことのない髪と肌の色をしていたのです。急いで,母のもとに行き尋ねると,「この地の反対側には,髪の毛や肌の色が異なり,私たちと違う言葉を話す人々が住んでいる国があるのよ」。隣の町しか知らなかった私には,天と地がひっくり返るぐらいの驚きとショックでした。

連載 現場が変わる! チームに働きかける母性看護CNSの実践・9

  • 文献概要を表示

はじめに

 「いつもと違う」違和感,「それでいいのだろうか」とジレンマを感じるとき,そこには価値判断があり,倫理的問題があると言われている。日々の実践でその問題に気付き,話し合いの俎上に載せ,対象者やメンバー同士の価値観,考えを出し合った上で,解決策を見出す,そういった話し合いをする雰囲気や組織文化は,所属組織,看護単位,あるいはチームにあるだろうか。母性看護専門看護師(以下,CNS)として切迫早産の点滴治療中止を訴えた妊婦へのケアを行った事例を提示し,チームとしての倫理的問題への対応について考えていきたい。

連載 NIPTと優生思想をめぐって・6

  • 文献概要を表示

多様性について

 台湾・高雄郊外に,蒋介石が中国の杭州にある西湖に似せて造らせた澄清湖という湖がある。湖畔には訪れる観光客もない海洋奇珍園という水族館がある。蒋介石が米軍に原子爆弾を落とされることを想定して造らせた核シェルター跡を利用した小さな水族館で,種類は少ないが,大阪の海遊館でも見たことがない珍魚が飼われていた。この珍魚の維持には相当の経費と専門知識が要るように思われるが,この少ない入場者でどうして元が取れるかと聞いてみると,国立だからとの返事であった。蒋介石の遺功であろうか。敵から身を守るために海底の岩に酷似させて微動だにしない魚類,枯れ枝としか見えない珊瑚,ただ目立つために極彩色の帯を纏う魚類,珍奇としか言いようのない長い脚を持つ甲殻類などなど。中国名を控えて帰国後,図鑑で調べたが,どれも見付けることができなかった。

 珍奇な生物を観ていて,ダーウィンの進化論の根幹をなす「生き残る種は最も強い種ではなく,最も適応する種である」は間違いだと思った。この驚くべき多様性が過酷な環境の変化に対して生き残るために適応した結果だとはとても思えない。実は,ダーウィンの進化論は生物が環境に適応するのではなく,環境がそれに適する種を選ぶと言っているのである。さまざまに変幻する環境に選ばれるために種は多様性を獲得したのか,CreatorはただCreativeであっただけなのか知る由もない。

連載 地域助産師&施設助産師&保健師がつながれば笑顔が広がる 「助助っぽ連携」を始めよう!・6

  • 文献概要を表示

現在進行形の助助っぽ連携

 今回の事例に入る前に,母乳相談で訪問しているママのことを少し紹介します。助産所から保健センターに情報提供をした方で,ここにも助助っぽ連携があるからです。

 このママは38歳,初産で,正期産より2日ほど早く出産されました。赤ちゃんの体重は2200g台。分娩後に里帰りし,ご実家で産後を過ごしています。ママの両親は,仕事があるので昼間はほぼいません。ママは短乳頭で,直接母乳(直母)がうまくできませんでした。生後2週間ほどの時に,母乳育児希望で当院の母乳外来に来られました。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・53

札幌医科大学 助産学専攻科
  • 文献概要を表示

本学の沿革・教育理念

 札幌医科大学助産学専攻科(以下,本学専攻科)は,2012年に設立し8年目を迎えます。入学定員は20名で,これまで132名の修了生を輩出しています。入学した学生に本学を選択した動機を聞いたところ,さまざまな背景を持つ同期生が数多くいることによって,切磋琢磨しながら助産師を目指すことができるという回答が有りました。

 また,修了生の就職先にも本学専攻科の特徴があります。本学専攻科の北海道内の就職率は約80%であり,都道府県内への就職率に関して全国平均を大きく上回っています。さらに,助産実習施設への就職率も全国平均を上回ります。

連載 りれー随筆・416

  • 文献概要を表示

新たな挑戦

 私は今,小さな町の子育て支援センターで働いています。それまでは母子保健業務も全て保健師さんが行っていましたが,子育て世代包括支援センターの設置に伴い助産師を配置したいとのことで声を掛けていただきました。妊婦さんの名前を聞くだけで家族背景までスラスラ出てくるような保健師さんがすでにネウボラ的存在としているところに,私が間に入ってできることはあるのだろうかという不安もありましたが,私自身も病院,助産所勤務を経て新たな挑戦をしてみたい,とにかくやってみよう,と飛び込んで,気が付けば3年が経ちました。

 以前,別の市の新生児訪問に行っていたこともありますが,訪問後気になる方がいれば担当地域の保健師さんに申し送る,というところで役割が終了してしまうため,自分の判断が良かったのか自信がなく(経験不足だから当たり前かもしれませんが)いつも不安でした。

--------------------

目次

Information

Information

バックナンバーのご案内

BOOKS

次号予告・編集後記

基本情報

13478168.73.9.jpg
助産雑誌
73巻9号 (2019年9月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

前身誌

文献閲覧数ランキング(
1月11日~1月17日
)