助産雑誌 73巻10号 (2019年10月)

特集 「助産師の自律」と「女性中心のケア」を実現するために

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日本の助産師の技術は世界的にみてもたいへん優れています。ただ,助産師の専門性を女性や家族に最大限に提供できていない印象は否めません。例えば,妊娠しないと助産師に会えない,お産の時の助産師とは初対面である,出産施設を退院すると助産師に会いづらくなる,など,助産師も女性もお互いが納得できるまで,女性に寄り添える環境やシステムが整っていないのです。

2019年4月,カレン・ギリランド氏(前ニュージーランド助産師会最高責任者)が来日されました。ニュージーランドで助産師の社会的地位の向上と女性とのパートナーシップの実現を成し遂げた氏の講演内容を紹介し,今以上に助産師が専門性を発揮し,女性を中心とした助産システムを実現する工夫を探っていきたいと思います。

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2019年4月,カレン・ギリランドさん(前ニュージーランド助産師会最高責任者)が来日し,講演をされました。本稿では,助産師として自律するためには何をすれば良いか,ギリランドさんの講演を通じて提案します。

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2019年4月21日に行われた,カレン・ギリランドさんの佛教大学での講演を三つに分けて掲載します。まず一つ目は,現在,ニュージーランドの女性がLMCから受けているケアの内容を解説します。助産師の自律性と継続ケアの効果についても述べられました。

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病院勤務の助産師も,地域の開業助産師も,一つになることが必要—それを体現するために,助産師は看護協会から独立しました。そして,一丸となって声を上げ,助産師の存在をアピールしました。それが1990年のことです。

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「女性と共に」と言うのは簡単です。ギリランドさんはその具体的な方法を細かく紹介し,かつ女性と共に政治的に行動することも提案しています。日本の助産師を高く評価し,背中を押してくれています。

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2019年4月,前ニュージーランド助産師会最高責任者のカレン・ギリランドさんが来日され,日本の助産師に向けて講演会を行いました。本稿は,講演会を終え,帰国したギリランドさんから贈られたメッセージを翻訳したものです。日本の助産師に伝えたいエッセンスがあふれています。

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開業助産師,大学病院助産師,そして出産を経験した女性という,さまざまな立場の3名の方に,“女性と助産師の自律”をテーマにお話しいただきました。助産師は,女性は,今後,どのようなことを考え,行動したらよいのでしょうか。

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産科フィスチュラ問題に衝撃を受ける

 ある日,ふと目にした「産科フィスチュラ」というワード。日本で悠々自適に暮らす私にはあまりに衝撃的な内容で,「今まで何も知らなくてごめんなさい」という気持ちになった。助産師であれば容易に想像できるはずの産科フィスチュラ……。平和と安寧な日本で産科医療の恩恵を受けながら助産師をしている私には,まったく想像力が働かなかったのだ。

 当時まだ子どもが幼く,現地へ渡航することは難しい状況の私は「何もできない……」と無力感に苛まれた。しかし「この悲惨な現実を知ってしまった以上,何もしないではいられない」という思いが込み上げて来た。

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 2019年5月26日,東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で「子育て支援者のための だっことおんぶの大勉強会2019」が開催されました(写真1)。助産師をはじめとする医療従事者,子育て支援関係者,育児関連メーカー,子育て中の親子など,300名を超える参加がありました。実行委員の一人として,開催の経緯と当日の様子をレポートします。

連載 続・いのちをつなぐひとたち・12

大貫詩織さん
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助産師の立場で思春期の子たちに知ってほしい性の知識・情報を発信していく

大貫詩織さんは,助産師として働きながら思春期の性教育に興味を持ち,イベント,講演会,YouTube,オンラインサロンなど,さまざまな形で情報を発信しています。どのような思いで多岐にわたる活動をされているのかうかがいました。

連載 宝物,教えてください・45

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 「宝物」と聞いて真っ先に思い浮かんだのは,私の研究室に大切に保管してあるLLADRO(リヤドロ)の「少女と2匹の猫」の人形でした。私の煩雑な机や棚の上に置くと壊れてしまいそうなので,普段は箱に入れて引き出しの中で保管しています。そして時々,仕事や子育てに疲れて心がくじけそうになった時に,この人形をそっと取り出し,自分を励まし,勇気づけています。

 この人形は私の恩師である李節子先生にいただいたものです。私と先生との出会いは,学部4年生「母性看護学概論」の授業の時でした。その時,初めて「ドメスティック・バイオレンス(DV)」という言葉を聞き,「女性」であることが暴力の原因となる事実に強い衝撃を受けたことは今でも忘れられません。その授業がきっかけで,「暴力を受けた女性を守りたい・救いたい」と強く感じ,女性の権利・健康を守る職業である助産師を選択し,研究者となった今もその熱意は消えていません。

連載 現場が変わる! チームに働きかける母性看護CNSの実践・10

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[事例]

 篠原さん(仮名),20歳代の初産婦。妊娠初期に泌尿器疾患を併発し,疼痛が増強したために妊娠24週で入院となった。入院後も疼痛コントロールが困難な状態が続き,精神的にも不安定な状態となり日常生活にも影響が及んだため,母性看護専門看護師(以下,CNS)だけでなく,精神科医や臨床心理士も介入した。

連載 NIPTと優生思想をめぐって・7

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はじめに

 科学技術の進歩による出生前診断の変遷には目を見張るものがあります。特に,2013年に日本に登場したNIPT(Non-invasive Prenatal Test)は,母体血に一定割合で混入する胎児染色体を調べることによって胎児の遺伝情報を知るというもので,羊水検査や絨毛検査といった一定の危険を伴うこともなく安全とされ,また,その感度・特異度の高さから急速に広まることが予想されました。そこでNIPTコンソーシアムという一種の自主規制団体が遺伝学的出生前診断に精通した専門家による自主的組織として設立され1),5年間の臨床研究期間を経て,実施施設基準を緩和するという声明が出されようとしています(現在,保留中)。しかし,検査を実施する全ての医療機関がこのコンソーシアムに参加しているわけではありません。

 NIPTに限らず,胎児の遺伝学的検査の結果を受け,妊婦ならびにカップルが意思決定をしていく過程の支援については,NIPTコンソーシアムの臨床研究で検討された遺伝カウンセリング体制では不足していると考えられています。検査結果の告知を受けた妊娠の中断/継続判断のいずれについても,その後の継続的な心理的支援は必要であり,そのためには産科医療機関とも当事者団体とも異なる第三者的相談機関の設置が必須であると考えられます。

 さらに,現在の胎児の遺伝学的検査技術の進展状況は,当初の13番,18番,21番染色体のトリソミーといった量的異常から,22q11.2微小欠失といった微小な変化まで検出されるという技術進歩に見られるように,すでにダウン症などのトリソミーの範囲を超え,はるかに広汎な領域の人々を対象としたものになっていると認識すべきです。ダウン症を持つ子どもの家族として抱く懸念は,「もはやダウン症に限られたものではない。そもそもどうしてダウン症だったらいけないのか」,という議論が進まないうちに,ダウン症は排除されてもいい存在であるという間違ったメッセージが浸透していくことです。

連載 地域助産師&施設助産師&保健師がつながれば笑顔が広がる 「助助っぽ連携」を始めよう!・7

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施設助産師と地域助産師の交流を

 前回の冒頭で,保健センターと連携して現在進行形で支援しているママのことを紹介しました。今回は,出産施設との関係ができていれば良かったなと思う出会いがあったので,事例の前に紹介します。

 この方は病院で無痛分娩を希望されていましたが,38週で自然に陣痛発来し,分娩進行が早くて麻酔処置がすぐにできず,麻酔が効く前に分娩になりました。出生体重が2300gだったので最初からミルクが足され,入院中に体重を増やしてから母乳に切り替えていく方針となりました。しかしその後も体重増加が十分でなく,母乳育児指導がされないまま退院になってしまい,それ以降は出産した病院の母乳外来でフォローを受けることとなりました。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・54

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沿革

 金沢大学の助産師教育は,90年の歴史があります。1929年に金沢医科大学附属病院産婆養成所に始まり,1958年より金沢大学医学部附属助産婦学校,1977年より金沢大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻,1999年より金沢大学医学部保健学科看護学専攻4年次での助産選択,そして2013年より現在の大学院博士前期課程助産学分野での教育となり,2019年4月に第7期生を迎えました。

連載 りれー随筆・417

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 私は看護師,助産師として約20年病院で働いていましたが,現在,自給自足で檀家を持たない禅寺,安泰寺という曹洞宗のお寺で修行生活をしています。

 安泰寺は最寄りの駅から麓の村までバスで約30分,その後山道を1時間ほど歩いた山の上にあります。朝は午前3時45分に起床し6時まで坐禅,その後朝食と掃除を済ませてから,作務(田畑を耕したり,薪のための原木伐出や家屋・機械の修理など生活のための労働)を7時30分から午後3時まで行います。その後入浴を済ませ5時から夕食,ミーティングの後,夕方6時から夜8時まで坐禅をして1日を終えます。冬は雪が多く,外部との行き来ができなくなるため,お寺にこもって坐禅と経典の勉強に励みます。

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助産雑誌
73巻10号 (2019年10月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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