特集 助産所でも診療所でも病院でも ここまでできる産後ケア
産後ケアの現状と課題—母子保健法改正以降の変化を中心に
市川 香織
1,2
1一般社団法人産前産後ケア推進協会
2東京情報大学看護学部
pp.116-122
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202260
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母子保健法改正による産後ケア事業の位置付け
少子化対策の三本柱の一つとして
日本の少子化は瀬戸際まで追い込まれています。2030年代に入るまでの残り数年の取り組みが,少子化を反転させることができるかどうかのラストチャンスとされ,2023(令和5)年12月に閣議決定された「こども未来戦略」の中には,加速化プランとして今後3年間の集中取組期間に行う施策が掲げられています1)。そのなかの一つ「全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充」の中に「妊娠期からの切れ目ない支援の拡充—伴走型支援と産前・産後ケアの拡充」が挙げられています。
産後ケア事業は2019年の国会で母子保健法に位置付けられ,市町村の努力義務として2021年4月より施行となりました。少子化社会対策大綱には2024年度末までの全国展開が明記され,2022年度には1462市町村(84%)で実施されるに至っています2)。
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