胃と腸 9巻9号 (1974年9月)

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 従来から消化管の特殊なポリポージスは主に下部消化管,特に大腸に認められるが一般に本邦における大腸疾患の頻度は胃における腫瘍性疾患の頻度とは対照的に,欧米に比較して著しく低い.しかし,近年Colonofiberscopyを中心とした内視鏡の器械の進歩またはジャイロスコープといったX線装置の開発に伴い,大腸疾患発見の増加が注目されてきており,ルチーンの検査の揚でのレ線診断(見つけ出しと性状診断)も内視鏡的診断とほぼ同一のレベルに達し,今後は一般臨床医の立揚におけるレ線診断の向上により,胃におけるそれと同一次元で取り扱われるべき関心が期待される時期に達した.

 大腸のレ線診断法には大別して2つの流れがある.その1つはGianturcoらの方法1)で,薄い造影剤を使用し120~130kVの高圧撮影でポリープ様病変を透亮像としてとらえようとする方法である.しかし,本法では腸内のガスや糞便がポリープときわめて類似した透亮像として描写されるので,前処置が非常に重要となる2)~7).しかし,他の部位は別としてもこの方法でS状結腸,直腸のpolypを見つけることは,はなはだ困難である.

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 ポリープとはもともと,粘膜から突出しているものの総称であるが,ポリープを良性,上皮性の隆起性病変にかぎつて使用する人も多い.さらに消化管ポリープは,adenomatous polypとsynonymであるという考え,つまりinflammatory polypなどはふくまないという病理学者もいる.このようにポリープという概念ははなはだ曖昧であるが,ここでは組織学的所見にかかわらず消化管腔に突出した隆起物をポリープとする.したがつてあくまでもclinical termとしてポリープという術語をもちいる.次にポリポージス,これもまたポリープ以上に解釈の混乱がある.DorlandのMedical Dictionaryによれば“The development of multiple polyps on a part.”とあり,2コ以上複数のものはすべてポリポージスとしている.Morson1)は大腸ポリープを(Table 1)の様にsolitaryとmultipleに分け,ポリポージスをmultipleの範疇に入れている.一方,Welch2)は結腸の比較的限局した範囲に2コ以上の腸腫の発生しているものを,multiple polyposis,結腸全体にひろがつているものをdiffuse polyposisとしている.しかしpolyposisという言葉全体,すでに多発性ポリープを意味しておりこれにmultipleをつけることはおかしい.槇3)はadenomatous polypに関して単発性のものをpolyp,2コ以上のものが比較的限局している場合はmultiple polyps,ひろく結腸全体に発生しているものをdiffuse polyposisと呼んでいる.武藤44)も大腸全体,びまん性に150コ以上のポリープを有するものをpolyposis,1コの場合をsolitary,両者の中間型をmultipleとしている.multiple polypsとdiffuse polyposisとを区別することは,両者の間で悪性化のrisk,治療方針において大きな差があるため現実上必要と思われるが,まだ統一された見解はない.早く統一された定義を決めねばならないが,本稿では消化管ポリポージスをあくまでもclinical termとし,“消化管の一部もしくは全腸管内腔に突出した多数の隆起性病変を有するもの”とし,あえてひろいニュアンスをもたせておく.したがってこれにはadenomatous polyposisのほかにinflammatory polyposisもふくまれるし,さらにhamartomatous,metaplastic,hpomatousなpolyposisやlymphoid polyposisもふくまれることになる.

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 次にのべる消化管ポリポージスはその広範囲にわたる分布,また癌との関連によって外科的処理に対する問題を提供している.これらのポリポージスの外科的治療における方針について述べたい.

Peutz-Jeghers症候群

 手掌,足蹠等皮膚,口腔粘膜の色素沈着を伴うところの消化管ポリポージスで,高い家族発生傾向があり,Peutz(1921),Jeghers(1944)によって初めて記載報告された稀な疾患である.多くの揚合ポリープは胃,小腸,大腸にわたって多発するのが普通で,1個または少数のものもある.ポリープの大きさは直径数mmから数cmにおよび,茎のあるものもないものもある.肉眼的には一般の腺腫性ポリープと区別が困難であるが,組織学的には過誤腫と考えられ,悪性化の傾向は少いものとされている.本症は小児の時から存在し,肛門に近いものは脱肛し,また出血を気づかれることがあるが,主として腸重積による発作性腹痛をくりかえし,開腹手術を行うに至ることが多い.

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 人に発生する腫瘍について,その遺伝的背景が重要視されているものがある.その中でも家族性大腸ポリポージスは,大腸に無数の腺腫性ポリープがびまん性に密生し,しかも高率に癌化する疾患でありメンデルの常染色体性優性遺伝法則に従って子孫に遺伝するものとされている.すなわち,家族性大腸ポリポージスは腫瘍の発生に遺伝が関与する典型的な疾患であり,腫瘍発生論上きわめて興味ある,またきわめて重要な疾患であるといえる.著者らは,家族性大腸ポリポージスとみなされていた症例について,全消化管および頭蓋骨撮影,下顎骨撮影,pantomographyなどの検査を行なった結果,上部消化管,とくに胃に67%の高率に隆起性病変を認め,また骨および歯牙に75%の高率に異常を発見した.これらの事実より,家族性大腸ポリポージスは多発性腫瘍素因を有する全身性疾患とみなすべきと老え,若干の文献的考察を加え報告する.

検索成績

 対象は,表1のごとく8家系17症例であり,男性13例,女性4例である.年齢分布は,7歳から48歳にわたっている.以下の検索成績については,要約して箇条書きにし,X線写真の提示を重点的に行なうこととする.

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 大腸の全域にびまん性に腺腫(adenoma)が発生する疾患を,家族性大腸ポリポージス,familial polyposis coli(FPC)呼ぶ(本症の概念分類についてはすでにくわしく述べた1).FPCは家族性に発生すること,高率に大腸癌を発生,あるいはその他の種々な腫瘍性変化を伴なうこと,など極めて特徴的な病像を示すので,悪性腫瘍と遺伝の問題の解明の上でも貴重な材料と考えられる.1960年以来,われわれはFPC,Peutz-Jeghers症候群などの消化管ポリポージスについて遺伝学的研究を軸にした綜合的研究を行ってきたが2)~5),今回は1974年3月までに得られた結果と今後の問題点について概括してみた.

登録組織(研究方法)

 1961年研究開始以来今日まで,我々が行ってきた作業をここに改めて整理すると,Fig.1の如く図式化することができる.

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 佐野(司会)家族性ポリポージス,それからGardner症候群,Peutz-Jeghers,Cronkhite-Canada症候群,こういうふうな病気が,とくに最近,ここ2~3年来,急に日本での報告例がふえてきたように思います.今日はこういう胃腸管のポリポージスを中心にして,トピックスといいますか,問題点になるところを,突っ込んで話し合ってみたいと思います.とくに家族性ポリポージスを中心にGardner症候群との関連や随伴病変,特に胃病変の意義等についてもふれてみたいと思います.まず家族性のポリポージスからはじめましょう.宇都宮先生のグループが10年前からずっとお仕事をされてきて,家系調査も非常に詳しくされて日本の家族性ポリポージスの実体がようやく明らかになったようですが,現在,どれほどの例が集計されましたか.

 宇都宮 205例,165家系です.

胃と腸ノート

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 内視鏡の使用は目覚しく普及した.しかしファイバースコーブの消毒については,オートクレープに入れたり煮沸したりすることもできず,多くの消毒剤では器械の破損のおそれがあり,何かと苦労することが多い.一般には水洗後アルコールなどの消毒剤で拭くなどされているが,Axonらはグルタールアルデヒドやエチレンオキサイドを使用して,この問題を検討報告しているので紹介する.なお,エチレンオキサイドによる内視鏡消毒はすでに日本では普及している.

A:消毒液を用いる方法

 70%エチルアルコールおよび2.5%グルタールアルデヒド緩衝液を用いて試験した.2.5%グルタールアルデヒドは次のようにして作った.10gの亜硝酸ソーダと4mlのTeepol 514を200mlの25%グルタールアルデヒドに加え,それに蒸溜水を加えて2000mlとし,使用前に2%苛性ソーダ10mlを加えて用いる.方法は次の2通りのやり方を行った.

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 図1は症例3(Ⅱc)の背臥位二重造影像である.できるだけ浅い陥凹全体の様相をつかもうとして軽度第1斜位をとらせた.比較的小さな凹凸を含む浅いⅡcに向って棍棒状の皺襞が後壁側から4~5本,前壁側から2~3本,小彎側(口側)から2~3本程度あつまっている.この棍棒状皺襞はいずれも陥凹部までのびているが,その尖端は融合断裂,または断裂している.この状態を質的に描写したのが図2の二重造影像である.背臥位第1斜位より徐々に背臥位正面にもどし,粘膜表面の凹凸や潰瘍縁の状態を浮彫りにしたものである.胃角付近の浅く小さな様々な陥凹の周囲は小さな多数の顆粒状の粘膜によってとりかこまれている.一応潰瘍瘢痕の部分であることが読みとれる.またこの部に向って根棒状になった皺襞がのびているが,この瘢痕部分と思われる外側縁で急に断裂している,このような所見は良性潰瘍では得られない像である.したがって癌であることは疑うべくもないが,早期のものか,もっと進んだものなのかの鑑別診断をしなければならない.しかし最近のように癌病巣が小さくかつ深達度の浅い早期癌(m)の診断になれてくると,ともするとこのような例は深達度pm程度の中期癌と誤診することがある.したがってその深達の程度を決めるには部位にもよるが,圧迫法が案外役立つことがある.この例は胃角部小彎の比較的ひろい範囲の瘢痕の中に存在する小豆大~米粒大の小さく浅い陥凹を有する瘢痕癌であるので,圧迫の程度にもよると思うが,この部は比較的容易に,しかも病変を忠実にあらわすことができる.このような病変(特に小さい病変の場合)の質的診断はさきにものべたように充分に圧迫法を駆使するのが有利である.

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 炎症性疾患での生検は,炎症の程度を知る助けになり,その後の治療による効果を判定する材料となる.特異的な組織所見とはいえないまでも,ある程度,潰瘍性大腸炎と肉芽腫性大腸炎での炎症の様相の相異を把握することができる.

1.潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)

 特異的な組織所見はないが,肉芽腫性大腸炎と区別できる場合がある.また潰瘍性大腸炎は,それぞれ異なる時期に異なる炎症所見を呈する.急性活動期には,好中球の著明な浸潤と陰窩膿瘍(Crypt abscess)(図1)を認め,充血及び出血の状態が,組織上で毛細血管過多(Hypervascularity)として現われる.潰瘍性大腸炎では,これらの所見は,通常粘膜固有層に著明にみられる.急性期の粘膜上皮は種々の程度に破壊され,杯細胞の分泌が盛んなので,いわゆる“粘血便”が排出される.

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 最近のGastroenterology(66:596~600,1974)のCase Reportsに“Double Pylorus”という珍らしい症例が報告されている.著者のFarack, U. M. らは75歳の完全なdouble pylorusの症例のほかに,胃幽門洞小彎と幽門輪前部の深い潰瘍が経過追跡中に,両潰瘍が底面で接合して1つのchannelを形成した1例を挙げて,double pylorusの成因はこういったものであろうという仮説を立てている.

 簡単にFarack, U. M. らの症例を示そう.

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 1951年Gardnerが家族性大腸ポリポージスに骨腫と軟部腫瘍の合併する症例をGardner症候群と名付けた.しかしながらGardner症候群のポリポージスに関して上部消化管に合併するポリープあるいは癌について注目されていなかった.我々は文献上報告されていない胃癌を合併したGardner症候群の剖検例を得たので報告する.

 症例:66歳男子で主訴は肛門部痛と激しい下痢,便尿失禁で,入院5カ月前から増強して来た.家族歴では長兄が直腸癌で死亡しているが,家族性ポリポージスの明らかな遺伝的なものは認めない.臨床所見では前頭骨の骨腫と注腸レ線で直腸に明らかな癌と全結腸ポリポージスが認められ(図1,2,3),Gardner症候群と診断した.胃レ線写真(図4)および内視鏡検査(図5)で胃前庭部にポリープ様の隆起が多数認められ,生検組織診で異型上皮GroupIVとされた.手術所見では直腸癌はすでに腹膜翻転部にまで浸潤しており,切除できず,人工肛門とS字結腸の切除が行われた,切除標本の肉眼像は粘膜面に密生せるカーペット状のポリポージスが認められた(図6).術後3カ月全身衰弱と黄疽が出現し,死亡した.

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 最近我々はGardner's Syndromeの1例を経験したのでここに報告する.

症例

 患 者:40歳,男子,港湾荷役労働者

 主 訴:血性下痢と腹部膨満感

 家族歴:母48歳で直腸癌のため死亡,4人兄弟にて,兄,弟,妹はいずれも健在,消化管の精密検査にても異常なく,また表在軟部腫瘤も認めない.

 既往歴:昭和43年,胃穿孔にて胃切除.

 現病歴:昭和47年3月下血にて某医により内痔核の手術うけるも完治することなく下血をくり返していたが昭和48年4月右季肋部の膨満感及び疲労感,るいそうを訴えるようになった.25歳須より下腹部,背部,臀部に軟らかい皮下腫瘤を触れ,その都度外科医にて摘出手術をうけている.

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 患 者:A.K.23歳,男子.会社員

 主 訴:下血

 既往歴:特記すべきことなし.

 家族歴:両親健在,同胞5人,患者以外には胃腸疾患.異常色素沈着を有する者なし.

 現病歴:幼児期より下口唇,口腔粘嘆,両手掌,手指,足趾先端に褐色の小色素斑に気づいていた.2年程前から1カ月に1~2回の頻度で黒色便を見るようになり近医にて大腸X線検査を行ないpolypがあるといわれた.最近数日間下血が続き筆者らの施設に紹介された.

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 患者:藤○恭○,8歳1カ月,女子.

 (1)第1回入院=昭和42年10月(1歳10カ月時)突然の肛門からの腫瘤脱出があり某病院に入院した.X線検査にてS字状結腸に大・小2個の半球形腫瘤が確認され(Fig.1,矢印),経肛門的にそれらの摘出術をうけた.Fig.2は摘出腫瘤の全割像を示す.

 (2)第2回入院:その後の経過は順調であったが昭和46年10月(5歳10カ月時)再び肛門からの腫瘤脱出があり当院に入院した.

 入院時現症:身長115cm,体重20kg.貧血,黄疸なし.表在リンパ節触知せず.胸部に異常所見なし.腹部は平坦・軟で圧痛なく病的腫瘤触知せず.肝,脾,腎触知せず.浮腫なし,粘膜,皮膚の色素沈着には気づいていない.

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 家族性大腸ポリポージスは,大腸のびまん性の無数の腺腫,高率の悪性化,遺伝的疾患で注目され,Gardnerら(1951)は大腸ポリポージスのほかに,消化管外腫瘍性随伴病変の多発する家系を詳報し,後にGardner症候群と呼ばれてきた.両者が遺伝学的に異る疾患であるか,または同一系に属する疾患であるかは,論議ある点である.われわれは家族性大腸ポリポージスの1例を発端に,その家系を追跡し,さらに2例の直腸癌を伴った大腸ポリポージスを発見した.うち1例はGardner症候群に属すると考えられるが,胃にも多発性扁平隆起を認め,組織学的にはATPで,長径2.5cmのものは特に強い異型度を示した.ここに1家系3症例を報告する.

 〔症例1〕S.A.38歳男.会社員.発端者.母,叔母共に直腸癌で死亡(図1).これまでに著患はないが,約1年前から便が細い.48.5.1某医で結腸病変を指摘され,48.5.7当科に入院した.入院時,体格中等,体重50kg,体幹四肢に著変を認めない.口腔粘膜に色素沈着を認めた.軽度貧血が認められた.バリウム注腸検査では,全大腸に小豆~大豆大の隆起が認められ(非密生型),S字状結腸には鶏卵大の有茎性腫瘤が認められる(図2).胃,小腸,全身骨のX線検査では,変化を認めない.48.6.8家族性大腸ポリポージスの診断で,結腸亜全摘,盲腸直腸吻合術を施行した,摘出標本では,粘膜面に米粒大より大豆大の大きさの無茎・有茎の多数のポリープが認められる(約700個).S字状結腸では疎で,そのうち1個は60×4.0×2.0cmの表面細顆粒性巨大有茎性ポリープであった(図3).病理組織学的には,検索したポリープはすべて腺腫性ポリープであった.巨大ポリープの一部に異型性の強い部が認められた(図4).48.7.18術後40日目に退院した.排便回数1~3回/日,体重56kgとなり,復職した.術後10カ月目の現在健在である.

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 遺伝歴がなく,脱毛・皮膚色素沈着・爪甲脱落・低蛋白血症を伴うびまん性消化管polyposisは,1955年初めてCronkhite and Canada1)によって報告され,以来この稀有な疾患はCronkhite-Canada症候群と呼ばれている.最近われわれはこの症候群にきわめて類似した1例を経験し,剖検する機会を得たので報告する.

症例

 患 者:62歳男,職工.

 既往歴:50歳時に高血圧・心筋障害で約1カ月間入院した以外に特記すべきものなし.

 家族歴:両親・長兄が脳卒中で死亡した以外,特記すべきものなし.

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 胃癌も1cm以下の微小胃癌が,発見されるようになり,診断面,治療面および病理学的に,新たな問題が,提起されてきたように思われる.

 われわれは胃レ線および側視型内視鏡で看過され,直視型内視鏡による近接拡大観察下の生検で,術前に診断できた微小胃癌を経験し,若干の考察を加えて報告する.症例は,50歳主婦,著患を知らず.実兄が胃十二指腸潰瘍で胃切術.とくに苦訴は無かったが,精検を希望して来診.

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欧文目次

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 日頃の臨床体験で疑問を持ちながら,解決してくれる書物がない,というようなことはありませんか?本欄は日常の診療や勉学上の疑問にお答えする場です.質問をどしどしお寄せ下さい.(なお,質問の採否,回答者の選定につきましては,編集委員会にお任せ下さい)

 〔質問〕

 内視鏡におけるFlachなErosionと色むらを,直視下および写真上で鑑別診断するコツを.(福岡 B生)

編集後記 佐野 量造
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 胃及び小腸,大腸にポリープが共存する疾患として,家族性大腸ポリポージス,Gardner,Peutz-Jeghers,Cronkhite-Canada症候群を胃腸管の特殊なポリポージスとして特集を試みた.

 家族性大腸ポリポージスは大腸の病変であるとの概念が固定化されていたが,胃にも高頻度にポリープの合併することが判明し,またその大部分の症例に潜在性の骨病変が証明され,本症とGardner症候群との異同に関する論議に結論が出された感がある.これらの業績は宇都宮博士を中心とする研究グループの長年月にわたる努力の成果である.教科書的な既成概念でものをみているかぎり新しい事実は知られない.少しでも“これはおかしい”と気付いたら“調べてみる”ことの重要性を痛感させられる.

基本情報

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胃と腸
9巻9号 (1974年9月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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