胃と腸 37巻4号 (2002年3月)

今月の主題 Helicobacter pylori除菌に伴う問題点

序説

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 除菌療法の有用性

 2000年11月に胃潰瘍・十二指腸潰瘍に対する除菌療法が保険適応となった.その結果,多数例に対し除菌療法が行われていると思われる.さらに,保険適応の問題は別として,いくつかの施設においては潰瘍以外にもlow grade MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫,過形成性ポリープ,胃癌に対するEMR(endoscopic mucosal resection)後,胃炎などにも除菌療法が行われている.これらの疾患に対する除菌療法の有用性に関する報告は多い.

 胃潰瘍における再発予防効果についてはSungらは除菌群の再発率は1年で5%,一方,非除菌群では52%と報告し,十二指腸潰瘍に関しても,Hentschelらが除菌群の1年後再発率は2%で,非除菌群では89%と報告している.他の多くの報告もほぼ同様である.

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要旨 胃潰瘍228例,十二指腸潰瘍239例に除菌療法を行い,内視鏡的に潰瘍治癒を検討した.除菌後も5か月以上治癒しない難治性胃潰瘍例を5例認め,そのうち4例は高位の潰瘍例であった.不整な潰瘍辺縁隆起や固さ,深い潰瘍など,従来からの難治性潰瘍と同様の形態と考えられた.1例は吸収障害のためlansoprazole(LPZ)が無効で,2例はLPZ倍量16週間投与で治癒したが,H2受容体拮抗剤(H2-RA)に変更したところH. pylori陰性にもかかわらず,いずれも早期に再発が認められた.残る2例はH2-RA投与では,むしろ一時悪化したと考えられた.

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要旨 Helicobacter pyloriは消化性潰瘍の主要な要因であり,除菌治療は消化性潰瘍の完治をもたらす.除菌成功後に再発した胃・十二指腸潰瘍は,6か月以上経過観察された364例を対象にすると,11例15回で十二指腸潰瘍2例,胃潰瘍9例であった.再発時期は除菌後1か月目から6年目までで,5年間の累積再発率は胃潰瘍で12%,十二指腸潰瘍で2%であった.再発の原因としてNSAIDの服用が考えられた症例があった.H. pylori陰性潰瘍の頻度は3.5%で,NSAID潰瘍を除くと特発性潰瘍の頻度は1.3%であった.除菌非奏効性潰瘍と特発性潰瘍の関連性は明らかでなかった.

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要旨 H. pylori陽性かつ限局期の胃MALTリンパ腫に対するH. pylori除菌は,第一選択の治療法として定着しつつあるが,除菌非奏効例に対する臨床的取り扱いが問題となっている.われわれは,除菌療法が施行された胃MALTリンパ腫74例(うち非奏効例26例)について検討を行い,肉眼型では隆起・潰瘍型が,また除菌前H. pylori陰性例では除菌に抵抗性であり,また経過中の増悪も来しやすいことから適切な二次治療へ速やかに移行するべきと考えられた.

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要旨 胃MALTリンパ腫におけるStage Ⅰ除菌非奏効例は,おおむね症例全体の10~20%を占める.それらの中心をなすのは,t (11;18)染色体転座およびAPI2-MALT1キメラ遺伝子異常を有する症例である.これらは,ときにHelicobacter pylori感染が証明されず,肉眼的には粘膜下腫瘍様隆起,敷石状粘膜,浮腫状粘膜,あばた状粘膜を形成することにより特徴づけられる.病変の主座は,主に粘膜の下部,固有腺部から粘膜下組織である.粘膜表層には病変が及びにくく,リンパ上皮性病変の形成は不明瞭であることが多い.組織学的には反応性要素に乏しく,比較的単調な中間型腫瘍細胞の増殖を認める.t (11;18) (q21;q21)染色体転座は,胃リンパ増殖性病変の本態を理解するために非常に重要である.臨床的にも除菌療法に対する非奏効例を予測する上で極めて重要な分子指標であると考えられる.

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要旨 過形成性ポリープは良性病変であり,高率にその背景胃粘膜にHelicobacter pylori(以下,H. pylori)陽性の萎縮性胃炎が認められる.H. pylori除菌治療により多くの症例において,過形成性ポリープの治療が可能であり,非侵襲的で優れた治療法として確立することが期待できる.しかしながらH. pylori除菌治療により全例でポリープの消失が認められるわけではなく,除菌後1年以上の経過観察にても胃過形成性ポリープに著変がなく,除菌治療が奏効しない症例が存在することも事実である.これらの除菌非著効例では,ポリープの大きさ・形態・存在部位・背景胃粘膜萎縮などは症例によりさまざまであり,共通した特徴的な所見はない.しかし,H. pylori除菌非著効例の中には,背景胃粘膜の萎縮が広範囲でありH. pylori陽性ながらもすでに除菌前の血清H. pylori IgG抗体価が低値である症例が比較的多く,また除菌後の血清ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ比の改善の乏しい症例,除菌後も血清ガストリン値が高値を持続する症例が存在し,過形成性ポリープに対するH. pylori除菌治療の適応に関連して,今後検討を要する.

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要旨 当施設で経験した除菌後の胃・十二指腸びらんの頻度は,156例中12例(7.7%)および14例(9%)であった.十二指腸びらんは,除菌後比較的早期に出現する症例が多く,胃びらんは除菌後1年以降にもその発生を比較的多く認めた.両びらんともに胃粘膜萎縮の軽度な症例および除菌成功例からの発生が多く,一過性で無症状の症例が多く,酸分泌抑制剤投与を必要とする症例は少なかった.内視鏡的特徴として,胃びらんは,前庭部に好発する多発性の小斑状びらんの所見を多く認め,次いでヘマチンの付着した出血性びらんを認めた.一方,十二指腸びらんは,球部および球部から球後部に多発する小斑状びらんや地図状~帯状びらんの所見であった.

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要旨 除菌治療後に下部食道を経時的に観察することのできた64例において,逆流性食道炎〔ロサンゼルス分類(改変)〕でのGradeを検討した.除菌3か月後を基点とした場合,12か月後までに,悪化群9例(14.1%),不変群52例(81.3%),改善群3例(4.7%)であった.経時的に観察すると全体として明らかにびらん・潰瘍型の逆流性食道炎が増加していた.不変群+改善群に対し,悪化群では有意に高度食道裂孔ヘルニアを合併していた.また,悪化群はGrade N,Mから悪化し,Grade C以上に重症化する症例はなかった.観察開始時Grade A,Bの症例では不変,あるいは改善を認めた.

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要旨 萎縮性胃炎がH. pylori除菌で改善するのか,しないのか,まだ結論が出ていない.その最大の原因は萎縮性胃炎の定量的診断が定まっていないことである.そこで,共同研究による前検討で,萎縮は生検標本全体に占める固有腺の量で評価すること,胃体部小彎が最も鋭敏に萎縮改善を評価できる部位であることを確認した.今回は,除菌治療後3年以上経過を観察したH. pylori陰性化(n)群33例と陽性持続(p)群13例で萎縮性胃炎所見の変化を検討したので,個々の症例提示を中心に報告する.数値化して評価した生検組織学的な検討では,n群の胃体下部小彎では39.4%で,前庭部小彎では15.2%で萎縮が改善した.腸上皮化生は変化に乏しかった.萎縮パターンで評価した内視鏡的萎縮の改善はn群では33.3%であった.p群では改善例はなく,一部で萎縮の進展を認めた.今回の検討では胃体部小彎粘膜を中心に観察してH. pylori除菌で胃粘膜萎縮が改善する症例があることを示した.しかし,腸上皮化生も含めて萎縮性胃炎が改善するか否かの結論を出すためには,さらに長期間検討していく必要があると思われた.

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要旨 胃腺腫において,H. pylori除菌による消失・縮小については賛否両論あり,現時点では一般的なコンセンサスを得るには至っていない.そこで,H. pylori除菌後に3年以上の長期の経過観察が可能であった25症例について肉眼的および組織学的変化とその粘液形質発現について検討した.13例(52%)で肉眼的な胃腺腫の消失または縮小傾向を認めた.このうち7例(28%)では組織学的にも胃腺腫の消失が確認された.一方,肉眼的な変化が認められるものの組織学的には胃腺腫の残存が証明された症例も6例(24%)あった.これらの粘液形質発現はすべて腸型形質を示していた.しかし,不変化群でも12例中10例が腸型形質であった.以上の結果は,除菌がある種の胃腺腫に対してその形態に影響を与えることを示す.しかし,除菌によって胃腺腫が直接影響を受けるのか,背景胃粘膜の変化による見かけ上の変化なのかは現段階では不明である.さらに,除菌によって腫瘍性病変がマスクされることによって早期の診断を困難にする可能性も考えられ,除菌後の内視鏡検査では背景の胃粘膜が変化していることを念頭に置いた慎重な検査が必要であろう.

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要旨 t(11:18)転座に伴うAPI2-MLTキメラ遺伝子の発見により胃MALTリンパ腫は新たな展開を認めている.しかし,この遺伝子異常は,MALTリンパ腫のone phenotypeを示し,H. pylori除菌療法抵抗性を意味している以外,予後,病態への関与についてはまだ明らかではない.今回,種々の分子生物学的マーカーを検索し,臨床経過との関係を検討した.胃MALTリンパ腫は,マーカー上,染色体異常を伴う群(染色体異常群:chromosome abnormal group; CAG)と染色体異常がなく非特異的指標(non specific marker)のみの異常を伴う症例(非染色体異常群:non chromosome abnormal group; NCAG)を認めた.前者は,除菌抵抗症例でありH. pylori抗原刺激非依存性と考えられる.NCAGも,通常他の悪性腫瘍で認められているように多数の分子マーカーに異常を認める症例では,除菌治療抵抗性でCAG群と同じ臨床病態を示す.しかし,NCAG群でも分子マーカー上異常がない症例は,よく除菌に反応した.分子生物学的なマーカーからみて,少なくとも除菌治療においてH. pylori抗原刺激非依存性と考えられるphenotypeについては,治療前層別化を行い,その取り扱いを考える必要があると考えられた.

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要旨 患者は51歳,女性.主訴は左季肋部痛.上部消化管内視鏡検査と全身精査の結果,深達度mのHelicobacter pylori(HP)陽性胃原発low grade MALTリンパ腫(Stage Ⅰ)と診断した.HP除菌療法施行6週後,胃角部小彎に扁平隆起が出現したためリンパ腫の増悪と考え胃全摘術を施行した.切除標本の隆起部はdiffuse large B-cell lymphoma,深達度ss,infα,med,ly2,v0,リンパ節転移を4saと4sbに認めた.術後にCHPO6クールの全身化学療法を施行し4年を経過した現在も寛解を維持している.

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要旨 患者は55歳の男性.吐血を主訴に来院.緊急内視鏡検査にて止血術を受けた後,再検時の生検組織所見でMALTリンパ腫が疑われた.内視鏡所見では胃体下部後壁に周辺隆起を伴う潰瘍を認め,生検組織所見でびまん性に浸潤するcentrocyte-like cellとlymphoepithelial lesionがみられた.細菌培養と組織所見でHelicobacter pylori(Hp)を認め,Hp陽性の胃MALTリンパ腫と診断した.3剤併用療法による除菌療法を行ったところ,Hpは陰性化し,治療後6か月目の内視鏡および生検組織所見で完全寛解(CR)と考えられた.CR確認後1年10か月目に腹痛を訴えて来院し,内視鏡所見で周辺に隆起を伴う潰瘍が認められ,生検組織所見からMALTリンパ腫の局所再発と考えられた.Hpは陰性であった.CHOP療法3クールおよび30Gyの放射線療法を行い,その後1年8か月再発を認めていない.

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要旨 患者は62歳,女性.当センターの間接胃集団検診にて,胃角部前壁にひだの集中,中断と内部に顆粒状変化を伴った不整形の陥凹性病変を指摘され,要精密検査となった.内視鏡および精密X線検査では,胃角部前壁に白苔を伴った溝状のびらんと,それに囲まれた比較的均一な丸みを帯びた顆粒状変化を認め,また体上部大彎に発赤と小顆粒状変化の目立つ不整形の陥凹性病変を認め,MALTリンパ腫と診断した.生検診断もMALTリンパ腫に一致しており,遺伝子検索でもサザンプロット解析にてIG(H)JHの再構成が認められた.胃生検材料の鏡検とrapid urease testでHelicobacter pylori陽性であった.以上より,Helicobacter pylori陽性表層型胃MALTリンパ腫と最終診断し,除菌治療を行った.胃角部前壁の病変は臨床的に改善を認め,生検もMALTリンパ腫の組織所見は消失していたが,体上部大彎の病変は画像上改善を認めず,生検でも依然としてMALTリンパ腫に相当する所見であり,除菌治療が奏効しなかった症例と考えられた.

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要旨 H. pyloriの除菌治療が成功すると,胃潰瘍の再発する患者は数%と激減することは知られている.H. pyloriの除菌治療後,3種類の侵襲的検査でH. pyloriが陰性と判定されていたにもかかわらず,胃体中部小彎の胃潰瘍の再発を繰り返した61歳男性患者を供覧する.その後,除菌5年後に施行した13C尿素呼気試験のみが陽性であったので,H. pyloriの存在の有無は保留とするが,血清・尿中抗体検査は陰性のままであった.潰瘍は同部位再発で小さく,プロトンポンプ阻害薬で通常の治癒経過を示したが,5年間で少なくとも4回の再発を認めた.うち3回はH2受容体拮抗薬投与中の再発であった.

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〔患 者〕 80歳,女性.間質性肺炎をもち,胃ポリープ切除目的にて受診.

Coffee Break

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 「胃と腸」誌には優れた科学論文が多数掲載されており,熟読すると頭の芯が痛くなることもある.たまには消化管診断とは無縁な記事を気楽に読む余裕も欲しい.そこで私が海外旅行中に経験した取って置きの秘話を紹介したい.読者の皆さんは国際学会で海外へ出張する機会が多いでしょうが,こんな失敗をしたときこは参考になること請け合いである.

 私もずいぶん多くの世界各国を旅したが,最も印象に残る国・名所旧跡というと,ためらうことなくインド・デカン高原にあるエローラ遺跡のカイラーサナータ寺院を挙げる.岩山を上から下へ削って,500年かけて寸分の狂いもなく巨大な石窟を創造したのであるから,巨石を積み上げただけのピラミッドや万里の長城よりも遥かに難事業であったと思う.エローラ遺跡に感動しながらの帰国の途中,私はムンバイ空港でパスポートを紛失した.海外旅行にあたって,命の次に大切にしなければならないのはパスポート…,わかりきったことであるが,その失敗を私自らがやってしまった.以下,パスポート奪回作戦の始まり….

早期胃癌研究会

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 2001年11月の早期胃癌研究会は11月21日(水)に東商ホールで開催された.司会は浜田勉(社会保険中央総合病院内科)と斉藤裕輔(旭川医科大学第3内科)が担当した.ミニレクチャーは赤松泰次(信州大学光学医療診療部)が「cap polyposis」と題して行った.

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 2001年12月の早期胃癌研究会は,12月19日(水)に東商ホールにて開催された.司会は西元寺克禮(北里大学医学部内科)と田中信治(広島大学医学部光学医療診療部)が担当した.ミニレクチャーは鶴田修(久留米大学第2内科)が「大腸腫瘍の画像所見とマクロ・ミクロの対応のしかた」と題して行った.

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欧文目次

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 本書は長年肝癌の治療の現場で携わってこられた竜崇正氏,吉野正曠氏,ならびに森山紀之氏の責任編集(国立がんセンター東病院肝臓グループ)による「肝癌診療A to Z」と題された参考書であります.

 内容はまさしくタイトルに示されたごとく,肝癌診療のA to Z,すなわち高危険群の設定から肝癌の診断治療までが20名の執筆陣によって分担執筆されています.その特徴は肝臓内科医,肝臓外科医,および放射線科医の三者の徹底したディスカッションに基づく第一線での肝癌治療のための方策が書かれていることであります.

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 2001年4月に池上直己,福原俊一,下妻晃二郎,池田俊也の4氏の編集による「臨床のためのQOL評価ハンドブック」が医学書院から刊行された.患者のQOLという言葉が医療の現場で使われるようになってから久しいが,QOLがkey wordのような形で使われることが多く,その定義は必ずしも明確なものではなかった.QOLを問題にするならば,当然その評価が必要であり,現在国際的,国内的に広く用いられている評価方法が存在しているが,臨床家の多くは評価の尺度として有名なSF-36などについてもあまり知識がなく,漠然とした概念でQOLという言葉を使っているのが現状である,

 本書はそのQOL評価のためのハンドブックとして刊行されたものであり,上記の4人の編者と20人の執筆者(編者も含む)によってQOLの評価に関する説明が詳細になされている.本書の内容は3部に分かれており,第1部の総論編では,「いまなぜQOLか―患者立脚方アウトカムとしての位置づけ」とQOL測定理論について,第2部の包括的尺度の所ではSF-36を中心とする健康プロファイル型尺度とEQ-5Dを中心とする選択に基づく尺度のことが説明されている.また第3部の疾患特異的尺度では,がん,呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患,気管支喘息など),糖尿病,慢性腎疾患,泌尿器疾患(排尿障害,男性性機能障害),消化器疾患(胃食道逆流症,アカラシア,炎症性腸疾患,慢性肝炎,慢性膵炎など),精神科領域(うつ,睡眠障害),神経内科疾患(てんかん,アルツハイマー,パーキンソン病,片頭痛),リウマチ疾患,骨粗鬆症が取り上げられ,これらの疾患におけるQOL評価法が紹介されている.疾患特異的尺度というと,多くの人はまずがん患者のQOLを思い浮かべるが,実際には上記のように数多くの疾患でQOLの評価が行われていることに驚かれる方が多いと思う.

編集後記 石黒 信吾
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 今回の特集号では,Helicobacter pyloriの除菌に伴う問題点と題して,主として除菌の非奏効例を奏効例と比較しながら浮き彫りにすることを目的とした.

 胃・十二指腸潰瘍は,除菌に奏効するHp起因性潰瘍があり,一方非奏効例では,NSAIDs起因性の潰瘍が大多数であるが,原因不明の難治性潰瘍が少数ながらあることが示された(関根,加藤論文).MALTリンパ腫症例の除菌については,多くの症例は奏効するが,非奏効例は,隆起性の病変が多く,組織学的にも遺伝子の面でも奏効例とは異なる症例が多いことが示された(小野,横井,土井論文).その他,過形成ポリープ,胃腺腫が除菌によって縮小・消失する例もみられる(熊倉,後藤田論文).また,除菌後に,萎縮性胃炎が改善し,胃・十二指腸のびらんがみられ,逆流性食道炎が増加することも示された(榊,鎌田,速水論文).

基本情報

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胃と腸
37巻4号 (2002年3月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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