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編集後記
石黒 信吾
pp.618
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103503
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今回の特集号では,Helicobacter pyloriの除菌に伴う問題点と題して,主として除菌の非奏効例を奏効例と比較しながら浮き彫りにすることを目的とした.
胃・十二指腸潰瘍は,除菌に奏効するHp起因性潰瘍があり,一方非奏効例では,NSAIDs起因性の潰瘍が大多数であるが,原因不明の難治性潰瘍が少数ながらあることが示された(関根,加藤論文).MALTリンパ腫症例の除菌については,多くの症例は奏効するが,非奏効例は,隆起性の病変が多く,組織学的にも遺伝子の面でも奏効例とは異なる症例が多いことが示された(小野,横井,土井論文).その他,過形成ポリープ,胃腺腫が除菌によって縮小・消失する例もみられる(熊倉,後藤田論文).また,除菌後に,萎縮性胃炎が改善し,胃・十二指腸のびらんがみられ,逆流性食道炎が増加することも示された(榊,鎌田,速水論文).
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