胃と腸 30巻1号 (1995年1月)

今月の主題 胃癌の診断と治療―最近の動向

序説

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はじめに

 早期胃癌研究会が始まり,その2年後に「胃と腸」が創刊されたが,当時の表紙は「胃と腸」であった.したがって,「胃と腸」の新年号は胃癌,特に早期胃癌の診断を取り上げるのが慣例である.

 しかし,最近は早期胃癌の特集が組めなくて困っている.これは方法論が行き詰まり,診断面での話題性や進歩がみられなくなったことに原因があるのかもしれない.

 そこで今回は,胃癌の肉眼型分類が新しくなったことをきっかけに,X線診断,内視鏡診断,更には治療の話題を取り上げてみた.その狙いは,単に各項目別の話題や動向を記述するだけではなく,本邦で古くから行われている胃癌診断学を新しい分類や方法によって再構築できないかということを検討することにもある.

主題

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要旨 「胃癌取扱い規約」改訂第12版の発刊に伴い,癌型の肉眼分類も改訂された.肉眼分類改訂の動機は従来の5型の規定の曖昧さから早期癌類似進行癌の枠が屑籠的なものになり,その見直しを求める声によるものであったが,この検討を進めるにつれ,肉眼分類の基本的考え方を確立する必要性が出てきた.この経緯を早期癌類似進行癌を中心にして,提起された問題とその解釈および結論について述べた.

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要旨 胃癌の新肉眼分類における使用上の留意点について,臨床診断の立場から症例を中心に検討した.この新分類により,次のような点が改善されたと考えられた.①いわゆる早期癌類似進行癌の分類・表記の問題が解決された.②Borrmann分類からの脱却により混乱が避けられる.③TNM分類を併用することで,より国際的に通用するものになった.④臨床・手術・総合所見という各段階での記載により,本来の病変が明瞭となり,また統計処理の向上も期待できる.また,この分類を実際に使用する際には,X線および内視鏡による正確な病変の描出と診断能の向上が必要である.特に隆起型癌の深達度診断の確立と,胃壁収縮が生じていない初期のスキルス型癌(latent linitis plastica型癌)の臨床病理学的特徴を生かせる肉眼分類とその表記法が今後の課題と考えられた.

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要旨 胃癌取扱い規約の今回の改訂においては,肉眼型の判定を臨床,手術,総合の3段階で行い,加えて推定深達度(T)を付記することになった.これにより,旧分類の5型に組み入れられていた,いわゆる早期癌類似進行癌を分離することができた.これらのことから手術前に肉眼型を把握することで癌腫の拡がりの程度が予想され,内視鏡治療や縮小手術,合理的リンパ節郭清の良い指標となると考えられた.

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要旨 新しい胃癌の肉眼分類を旧分類と比較して検討した.新肉眼分類の改訂点は,第1には粘膜面の“かたち”のままを表現した分類で,従来の早期癌と進行癌に分けたうえでの肉眼分類とは異なる点であり,第2には臨床所見・手術所見・総合所見に分けて記載し,肉眼型にその時点での深達度を付記する点である.実際の分類では,従来の1~4型に属するものや早期癌類似進行癌としたものは,今回の分類で,ある程度の旧分類からの読み替えもでき,総合所見単独あるいは手術所見と総合所見を合わせると十分に肉眼の形態を表現することができた.しかしながら,従来の早期癌分類でⅠ型に,あるいはⅢ型に分類した症例で,隆起が高いもの,あるいは陥凹の深いものは,それぞれ1型,2~3型に肉眼で見たままを表現し分類するという点については,従来の分類からの読み替えは困難であり,どの程度までを1型あるいはⅢ型に分類するか各施設問での調整の必要があると思われた.

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要旨 消化管領域におけるデジタル・ラジオグラフィの有用性について,早期胃癌切除症例103例106病変を対象に,ⅠⅠ/TV画像を用いたDRと従来のフィルム―増感紙による撮影(CFSS)とを比較し検討した.DRは,画像処理によって病変を見やすく調整でき,またリアルタイム画像表示により撮影の失敗が減少したために,早期胃癌病変の微細所見の描出性において,CFSSよりも優れていた.しかし空間分解能については,CFSSにいま一歩劣っていた.患者被曝の軽減,連続撮影機能,画像の保存や検索などのDRの利点を考えると,今後の装置の進歩や画像処理ソフトの開発次第で,近い将来,DRは消化管X線装置の主流になると考えられる.

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要旨 われわれは,より見やすく,より見落としの少ない診断画像を得ることを目的に,HSI色空間画像における形態強調処理とHSV色空間画像における色調強調処理を試みている.形態強調処理では,より詳細な観察の可能な診断画像が得られ,色調強調処理では,より見落としの少ない診断画像が得られると考えている.しかし,現在試みている画像処理法では癌の診断能が飛躍的に向上するとは言えない.高解像能を有する電子内視鏡が開発された現在,改めて,より効果的な処理法の研究が期待される.

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要旨 20MHzの超音波内視鏡で胃壁の層構造を解析し,胃癌の深達度診断における応用を検討した.正常胃切除標本の水浸下のEUS像では,胃壁は全11層に分離された.従来の胃壁の5層構造と対比すると,第2層が3層に,第3層が3層に,第4層が3層に分離された.一方,臨床においては第3層が3層に分離されにくく,全9層にほぼ恒常的に描出された.粘膜筋板は第3層内の上層に1層の低エコーの層として描出されると考えられた.特に,第2c層,第4b層が恒常的に描出されることから,m癌の診断,mp癌の浸潤の程度,mp癌とss癌との鑑別などの深達度診断に貢献すると考えられた.

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要旨 早期胃癌に対する内視鏡的治療・縮小手術の適応を左右する因子であるリンパ節転移に関し,当科で経験した早期胃癌切除症例559例をもとに,臨床病理学的特徴について検討を加えるとともに,種々の縮小手術の術式における適応と問題点について考察した.これまでに適応とされていた症例に加え,高分化型の隆起型癌については腫瘍径が2cmを超える症例についても,またsm癌においても高分化型微量浸潤例ではリンパ節転移がみられず,適応拡大の可能性が示唆された.早期胃癌の縮小手術は今後適応を拡大して,より積極的に行われることが予想され,明確な適応の設定と効果的な術式が確立されることが望まれる.

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要旨 胃癌における遺伝子変化の解析はまだまだ発展途上にあるが,現時点での研究成果を分化型胃癌と未分化型胃癌に分けてまとめてみた.両型に共通にみられる変化としては,c-met遺伝子の増幅,APC遺伝子やp53遺伝子の変異などがある.分化型に比較的特異な変化としては,c-erbB-2遺伝子の増幅,c-met遺伝子のLOHなどがあり,未分化型にみられる変化としては,K-sam遺伝子の増幅,遺伝子不安定性をみるmicrosatellite markerの変異の増加などがある.このほか,種々の対立遺伝子の欠失(LOH)についても触れた.また,前癌病変であるいわゆるATP(扁平腺腫)における変化としては,APC遺伝子の変異の頻度が高い.また,多重癌発生の高危険状態を知るための手段として,腫瘍からのDNAについてmicrosatellite markerを用いてRER(replication error)を検索することが有用であることを示した.

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〔患者〕28歳,男性.現病歴:発熱,腹痛はなく,黒色便の排出があった後,1時間して新鮮血の下血が3回あり,救急外来を受診し入院した.入院時現症:口腔内アフタを認めたが眼症状,陰部潰瘍,皮膚症状はなかった.

〔大腸X線所見〕回盲部背臥位二重造影(Fig.1)で回腸末端からBauhin弁にかけて,ひだの集中があり,そこに重なって類円形のニッシェが認められた.

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〔患者〕56歳,男性.1992年6月の会社の定期検診で異常を指摘され,同年7月に近医を受診した.内視鏡検査の結果,手術を勧められ同年8月精密検査目的で本院内科を紹介された.身体所見,一般検査所見に異常は認められなかった.

〔胃X線所見〕背臥位第1斜位二重造影像(Fig.1a)では,胃体中部の小彎側から後壁にかけて大小不同で不整形の顆粒状陰影が認められ,これに連続して類円形の小顆粒状陰影が体下部後壁から幽門部の小彎に認められる(矢印の範囲).体上部小彎側では顆粒状陰影が消失した領域があり,その部はむしろ平滑な粘膜面を呈している.つまり,X線的には不整な大小顆粒状の領域と小円形顆粒状の領域,更に平滑な領域の3つの粘膜模様が認められる.

学会印象記

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 眼下に紅葉した蔵王の山並みを望み,程なく仙台空港へ到着すると,ひんやり肌寒く名古屋に比べ5℃ほど気温が低いことを実感した.第36回日本消化器病学会大会は山形大学第1外科・塚本長会長のもと,大会スローガン“世界の中の日本消化器病学会/その未来への展望”を掲げて,杜の都・仙台市の国際センター,市民会館,県民会館などを中心に5会場で10月31日から11月2日までの3日間,約5,000名が参集して開催された.第1日目はあいにく小雨混じりの曇天であったが,第2,3日目は秋晴れの快晴で,昼休みを利用して伊達56万石の青葉城址の散策を楽しんだ参加者も多かったと思われる.

 今大会では,一般演題(口演561題,ポスター292題)をはじめ,招待講演3題,特別講演5題,会長講演,特別シンポジウム2題,シンポジウム7題,パネルディスカッション4題,ワークショップ9題と実に盛りだくさんの企画がオーソドックスな形式で行われた.時間的制約から一部のプログラムしか参加できなかったが,以下に感想を述べ印象記としたい.

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要旨 患者は67歳の男性.過去に明らかな粘血便の既往はない.1991年11月ごろから1日2~3行の下痢が出現し,近医を受診したところ大腸に異常を指摘され,当科に紹介され入院した.注腸X線検査,大腸内視鏡検査で全大腸に9個の扁平隆起性病変を認め,右側結腸を中心としたhaustraの消失と粘膜粗糙の所見,更に上行結腸の変形,回盲弁の破壊を思わせる所見が認められ,潰瘍性大腸炎または腸結核に合併した多発扁平隆起性病変と診断した.9個の扁平隆起のうち横行結腸と肝彎曲部の病変は,生検で癌が疑われたため右半結腸切除術を施行した.全割切除標本の検索で,背景粘膜は全大腸炎型の潰瘍性大腸炎であり,9個の扁平隆起のうち肝彎曲部の15mm大のⅡa+Ⅰ型病変は腺腫内癌,横行結腸の25mm大のⅡaとEMRで切除したS状結腸の大きさ10mm大のⅡaは高度異型腺腫(borderline lesion),他の6病変は軽度異型腺腫と診断した.

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要旨 患者は22歳,女性.11歳時発症.小腸大腸型のCrohn病として他院で成分栄養法およびsalazosulfapyridine内服の治療を受けてきたが,寛解・増悪を繰り返していた.今回,Crohn病の精査加療目的で当科入院となった.上部消化管X線検査で,胃前庭部大彎に中心陥凹を有する結節集簇様の隆起を認め,陥凹部から約2cmの瘻孔を介して横行結腸が造影された.注腸造影では横行結腸に敷石像と,その中央部から約2cmにわたる瘻孔を介して胃前庭部が描出され,胃横行結腸痩を併発したCrohn病と診断した.中心静脈栄養および高圧酸素療法による内科的治療を約2か月間施行した結果,上部消化管造影および注腸造影で瘻孔の閉鎖を認めた.

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要旨 患者は20歳,男性.発熱,腹痛,下血,嘔吐を主訴に入院.検査成績では,白血球数増多,血沈軽度亢進,CRP陽性を認めた.第4病日に施行した注腸造影で,上行結腸中央部から盲腸にかけて,母指圧痕像と不整形の小バリウム斑の多発がみられ,第7病日の大腸内視鏡検査においても同部の浮腫,発赤と多発する小潰瘍および脆弱な粘膜を認めた.腹部超音波検査では,上行結腸の壁肥厚と回盲部周囲のリンパ節腫大がみられた.便培養で病原大腸菌(組織侵入性,EIEC)が検出され,臨床経過と合わせて,病原大腸菌腸炎と診断した.抗生物質を使用することなく,約2週間で症状・検査成績とも改善し,注腸造影・腹部超音波検査でも炎症像は消失した.

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要旨 患者は81歳の男性.大腸炎の既往はなく,半年前から出現した粘血便が増悪し入院.初回内視鏡検査で,直腸にはびまん性全周性の樹枝状潰瘍像,脾彎曲部には偏在する浅い潰瘍像,肝彎曲部には散在する島状の発赤粘膜面を認めた.介在粘膜は正常で,潰瘍辺縁には点状びらんが散在していた.salazosulfapyridine,抗菌剤,中心静脈栄養,抗結核療法を行ったが病変は片側性に融合拡大し,区域性の管状狭窄像を呈した.最終的にはprednisoloneが著効し緩解像が得られたが,半年後肺炎のため死亡した.剖検大腸の検索では潰瘍性大腸炎に矛盾しない組織像であり,特異な進展様式を示した区域性潰瘍性大腸炎と考えられた.

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要旨 画像解析装置(OLYMPUS Color Image Analyser CIA-100)を用い,胃粘膜上皮と胃癌組織におけるproliferating cell nuclear antigen(PCNA)の発現を定量的に検討した.免疫組織化学標本における細胞核の光の透過度から染色濃度を測定したところ,PCNA陽性細胞は高い値を,陰性細胞は低い値を示し,陰性・陽性の境界値が決定された.その結果,PCNA陽性率は胃癌組織(50.6±20.7%)が非癌上皮(26.5±9.0%)に比べ有意に高く,部位別では深部浸潤部(61.5±19.1%)が粘膜内(49.5±19.0%)より高い値を示した.組織型別では分化型癌(60.1±16.2%)が未分化型癌(31.5±14.7%)よりも有意に高く,胃癌取扱い規約分類では乳頭腺癌・高分化管状腺癌が特に高く,以下,中分化管状腺癌,低分化腺癌,印環細胞癌の順であった.

レベルアップ講座 診断困難例から消化管診断学のあり方を問う

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症 例 患者は66歳,男性.自覚症状はなかったが,会社の大腸癌検診で便潜血検査陽性を指摘され,1993年7月に注腸X線検査を受けた.このとき,S状結腸に30mmの隆起性病変を指摘され,外科手術を受けた.この病変はcancer in adenoma(深達度m)であり,手術によって根治できたものと判断された.1993年7月の注腸X線検査(Fig.1)では,上行結腸にも扁平な隆起性の輪郭がみられるが,このときは看過されていた.また同時期に内視鏡検査も施行されたが,上行結腸病変の存在診断は全くなされなかった.

 手術後1年目の1994年7月に行った注腸X線検査で,初めて,上行結腸に異常所見が指摘された(Fig.2).扁平な病変は前回よりも若干増大していたが,楕円形の腫瘍の辺縁を明瞭にたどることができる.後日行った内視鏡検査でも,周辺粘膜と色調の差がない,表面型病変を確認した(Fig.3).粘膜切除術によって17×10mmの大きさのⅡa様病変を内視鏡治療したが,病理組織学的にはtubular adenomaであった(Fig.4a,b).

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欧文目次

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 Neuroendocrine cancers of the colon and rectum: Saclarides TJ, Szeluga D, Staren ED, et al (Dis Colon Rectum 37: 635-642, 1994)

 著者らは結腸および直腸における神経・内分泌系の癌の頻度を調べ,組織の相違により予後に差があるかどうか検討した.

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 Benefits of colonoscopic surveillance after curative resection of colorectal cancer: Laufenbach E, Forde KA, Neugut A (Ann Surg 220: 206-211, 1994)

 大腸癌手術後の内視鏡によるサーベイランスの有用性については賛否両論がある.

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 1994年2月,NIHが出した消化性潰瘍に対するH. Pyloriの除菌の勧告声明は,わが国に大きな衝撃を与えた.それまでは,多くの製薬メーカーが躊躇していたH. Pylori除菌による再発防止の治験も,にわかに現実のものとなりつつある.胃癌との関連が濃厚であるとなれば,マスメディアや国民の関心も極めて高くなるのも当然のことと言える.

 最近では,消化器関連の学会や研究会でも,H. Pytoriの会場は常に満席である.製薬メーカーの講演会でも,特別講演の主題がH. Pyloriだと,必ず大入りとなる.

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 1896年のRoentgen教授によるX線の発見以来,約100年が経過した.この間に,特に過去25年の短い間に,コンピュータ利用によるCTのほか,患者被曝を伴わない超音波検査や磁気共鳴映像法が出現した.これらの新しい画像診断法は,国家の医療費を大幅に増加させたが,一方,患者にとって多くの利益をもたらしたことは言うまでもない.しかし,現在においても腹部単純X線撮影は,その簡便さ,安価さ,更に1枚のフィルム上の情報量の豊富さなどの理由から,その重要性は決して減少してはいない.

 しかし残念ながら,新しい画像診断法の出現以来,腹部単純X線写真を撮影しておきながら,それを十分読影する努力がなされない傾向がある.むしろ読めない医師が多くなったと言ってもよいかもしれないが,これは最近の医師が怠惰になったのではなく,医学の進歩により,覚えるべき医学知識が多すぎて,腹部単純X線写真の読影をマスターする余裕がないためと解釈する.つまり医学の分業化が進んだ結果と言える.

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 Prognostic variables in patients with gastrointestinal carcinoid tumors: Mcdermott EWM, Guduric B, Brennan M (Br J Surg 81: 1007-1009, 1994)

 カルチノイド腫瘍は,1888年Lubarshにより初めて報告され,1907年Oberndorferにより“Karzinoid”(carcinoma-like)と命名された,消化管では比較的まれな腫瘍で,消化器癌全体に占める頻度は1%以下とされている.今回,著者らは,カルチノイド腫瘍の予後因子につきレトロスペクティブに検討した.

編集後記 小越 和栄
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 胃癌,特に早期胃癌の記述は診断学の進歩につれて次第に多様性を帯び,従来の記述方法ではその診断を正確に,しかも客観的に伝えられない不都合が生じる.1993年6月に改定された「胃癌取扱い規約」(改訂第12版)では画像診断,手術肉眼診断,更に総合診断と区別され,それぞれの診断過程がわかることに主眼が置かれている.また,従来早期類似進行癌として一括されていたものが整理されている.本号ではこの胃癌の新肉眼分類の目的と経緯,更にその臨床での使用方法などを中心に特集を行った.

 新肉眼分類の大きな特徴の1つは,例えば本号にも詳細な説明のある0'(Ⅱc)T2の内視鏡診断は以前Ilc類似進行癌または5型胃癌と呼ばれていたもので,それは手術肉眼所見でも内視鏡所見でも同じ表現であったものが,1つの記号で検査手段も含めて表現されていることである.この記述方法は画像ファイリングとネットワーク時代に適したデータベース作成に必要な記述方法でもある.

基本情報

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胃と腸
30巻1号 (1995年1月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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