胃と腸 28巻1号 (1993年1月)

今月の主題 胃癌は変わったか―その時代的変遷

序説

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 胃癌は変わったか?と言われれば,大いに変わった面が目に付くが,依然として変わらない面もある.この変わらない面は,目立つことがないためになおざりにされているきらいがある.

 胃癌の時代的変遷について,「胃と腸」で取り扱われた特集を中心にみると,胃癌に対する診断・治療について変わった最も大きな点は,何といっても早期胃癌の発見と症例の急激な増加であって,早期胃癌の時期に発見されれば,すなわち治療により完全治癒が可能であることが明らかにされたことである.

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要旨 集検対象の拡大と高齢化,一次検診と精検に用いる機器・技術の進歩に伴い,集検発見胃癌は過去25年間に変化を来している.当施設で治療を行った集検発見胃癌でみた場合,早期癌比率が一貫して増加しており,最近では72.5%に達した.早期癌肉眼型では混合型が減少し,陥凹型が増加傾向にある.進行癌肉眼型ではBorrmann 2型が増加し,3型,4型が減少している.癌巣が小さく深達度の浅い例が増加し,癌巣が大きく深達度の深い例が減少している.組織型ではpapとtub1が増加し,sigが減少している.陥凹型早期癌の癌巣内潰瘍保有率は最近になって減少してきた.集検発見胃癌の生存率は向上し続けており,近年の5年粗生存率83.7%を得ることができた.

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要旨 東京都がん検診センター外来で,18年間(1972~1989年)のうちに発見された胃癌の形態学的変遷と,50歳以上の性・年齢別構成の等しい健康人中から発見された胃癌について,12年間(1978~1989年)の形態学的変遷について考察し,次のような結果を得た.①外来発見癌については,Ⅰ型,およびⅠ型を含む早期癌の減少,Ⅱa型早期癌の増加,10mm以下の小胃癌の増加,Ⅱc類似進行癌の増加,Borrmann4(LPを含む)の増加などである.これらの変貌は早期胃癌の増加など診断の進歩による見かけ上の変化によるものが多い.②健康人中に存在する胃癌については,a)Borrmann4(LPを含む)を含む低分化型癌の増加,12年間の胃癌の罹患率に変化はない,b)Ⅱc類似進行癌の減少,である.a)は本質的な変化で,b)は見かけ上の変化と考えられる.多発早期胃癌は,発見された早期胃癌の12.5%と高頻度に認められ,粘膜切除術の施行に際し,今後十分に検討すべき課題である.

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要旨 胃生検が導入された1964年から1991年までに,当院にて内視鏡検査を行い,外科的に切除し,病理学的検索が終了した早期胃癌1,270例;1,407病変,進行胃癌1,661例;1,667病変に,内視鏡的粘膜切除術を施行した早期胃癌76例;79病変を加えて,胃癌の年代的変遷について検討した.臨床的に診断され外科的あるいは内視鏡的に切除される早期胃癌,進行胃癌は年々増加しているが,早期胃癌の占める比率が増加し,最近では全胃癌の六十数%を占めた.早期胃癌の年齢別頻度では,若年者が減少し,高齢者が増加していた.肉眼型別にみると,早期胃癌ではⅡa型,Ⅱc型,Ⅱb型が増加し,Ⅲを伴う病変が減少しており,進行胃癌ではBorrmann4型が増加傾向にあった.大きさをみると,最近10年間で,10mm以下の早期胃癌の臨床診断例が著明に増加していた.多発胃癌の臨床診断例も増加しており,臨床的に診断された多発早期胃癌は8.2%を占めた.占居部位では,早期胃癌の隆起型でC領域が増加し,A領域が減少していた.組織型では,早期胃癌では年次的変動を認めないが,進行癌では,最近10年間は未分化型が分化型を上まわっていた.内視鏡的胃粘膜切除術の完全切除率は50.9%で,満足すべき成績でなく,今後,技術的改善が求められる.

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要旨 1946年から1990年までの癌研究会附属病院における胃癌症例10,486例の形態学的要因の変遷を観察し,それに伴う治療法の変化と成績を検討した.過去45年間に腫瘍の進展程度は早期の方向ヘシフトし,上中部癌と未分化型癌の相対的増加が特徴的であった.治療法の変化としてはリンパ節郭清の徹底化,根治手術を目指した合併切除術の増加,術後補助化学療法を施行した症例の増加などが特徴的であった.その結果,1940年代と1980年代を比較すると治癒切除率は45.5%から84.5%に増加し,その5年生存率は43.0%から75.9%に増加した.直接死亡率は9.6%から1.3%に減少した.術後生存率から治療法の原則を検討すると,Stage Ⅰでは縮小手術を心掛け,補助療法は不要であり,Stage Ⅱ以上の進行癌では絶対治癒切除を意図して,十分なリンパ節郭清と切除範囲を確保し,術後の補助化学療法を施行する.リンパ節郭清についてはR-n=1となるように留意し,過剰あるいは過小郭清は避ける.このため,術中迅速生検による正確なリンパ節転移の把握が必要である.

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要旨 胃癌の罹患率は1963年以後減少している.この原因を究明するために,大阪府立成人病センターの外科手術例を用いて,手術時年齢50~59歳の症例を明治,大正,昭和生まれに分けて病理学的所見を検討した.明治,大正,昭和となるにつれて,有意に肉眼型では限局型が減少し浸潤型が増加し,組織型では分化型が減少し未分化型が増加し,腸上皮化生の高度なものは減少していた.以上の結果から,明治,大正,昭和となるにつれて,腸上皮化生が減少し,分化型癌の減少と相対的に未分化型癌が増加し,それを反映して肉眼型では限局型が減少し,相対的に浸潤型が増加したものと思われた.罹患率の低下は腸上皮化生の減少による可能性があると思われた.

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 磨伊 今日は,「胃癌は変わったか―その時代的変遷」というテーマで座談会の場を持ちたいと思います.特に「胃と腸」の観点に立って,胃癌に形態学的変遷があったか,例えば部位,形,大きさ,分化度,進行度などの面からご討議いただきたいと思います.

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 〔患者〕58歳,男性.現病歴:1989年11月初旬より胃部不快感出現し,当科受診した.

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 〔患者〕46歳,男性.1年前に上行結腸のポリープ(腺腫)の内視鏡的切除を受けている.1989年8月15日,定期的経過観察で大腸内視鏡検査を受け,異常所見を発見された.

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要旨 患者は51歳,男性.S状結腸癌術後9か月目の注腸造影で,下行結腸に径約20mmの,周囲に隆起を伴った陥凹性病変を認めた.内視鏡では陥凹部に白苔と結節状の隆起を認め,周囲には幅の狭い隆起を伴っていた.pmまで浸潤した進行癌と診断し,手術を施行したが,病理組織学的には径18×13mmのⅡc+Ⅱa型を示す陥凹型のm癌であった.蠕動が比較的良く通り,周囲の隆起に凹凸不整がなく平滑であることを考えると,進行癌と診断したのは読み過ぎであった.しかし,比較的大きく,また,陥凹部に白苔と結節状隆起を認める陥凹型のm癌はまれと考えられた.

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要旨 各種画像検査にて特徴的な所見を示し,術前に診断しえた虫垂粘液囊腫の1例を報告した.患者は52歳,男性.右下腹部腫瘤を主訴として来院.注腸X線検査では虫垂は造影されず,盲腸下極に粘膜下腫瘍を思わせる表面平滑な半球状の陰影欠損を認め,上行結腸外側になだらかな管外性圧排像が見られた.大腸内視鏡検査では,隆起および上行結腸の圧排所見は,体位,空気量により形状の変化が認められた.腹部超音波・CT検査にて,盲腸に接し頭側に棍棒状に連続する囊胞性病変が見られた.以上より虫垂粘液囊腫と診断し,回盲部手術を施行した.切除標本肉眼所見では,淡黄色・透明なゼラチン様物質を含んで緊満し腫大した虫垂が認められ,病理組織学的に虫垂粘液囊胞腺腫と診断した.

海外だより

ドイツ留学体験記(5) 木村 理
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 東欧の人々

 2年余りのドイツ留学の問に世界は大きく変化した.ドイツ人でさえ想像しなかったベルリンの壁の崩壊の後,1年もたたずにドイツは統一された.壁が壊される3か月前にドイツ人と話したとき,彼らはHonecker旧東独書記長の「“壁”は今後50年にわたって存続し続けるだろう」という言葉を引用し,少なくとも今世紀中の統一はありえない,と暗い顔で語っていたものである.壁の崩壊という歴史に直面したときには,Mössner教授も涙を禁じえなかったという.

 かくして東独は地上から消滅した.更に驚くべきことに,それから間もなくソ連もまた消え去った.共産党の解体を,そしてその後のソ連の消滅をいったい誰が想像できたであろう.

学会印象記

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 第44回日本消化器内視鏡学会総会は10月29日から10月31日までの3日間,日本医科大学内視鏡科・大島博教授を会長として東京の国立教育会館を中心に開催された.第1日目は雨混じりの寒い日であったが,会場は多数の会員であふれ熱気に満ちており,その後の天候の回復と共にあっと言う問に過ぎた3日間であった.

 今回の学会の特徴は会場を9会場と少なくし,昼休みの1時間を除いてびっしりと講演が聞けるようにコンパクトにしてあったことと,要望演題を設けたことである.要望演題は1.Barrett食道の診断と経過,2.胃液分泌と生検材料,3.プロトンポンプ阻害剤は消化性潰瘍の自然史を変えうるか,4.胃静脈瘤硬化療法,5.内視鏡下超音波miniature probeの有用性,6.消化管カルチノイドの基礎と臨床,7.腹腔鏡を用いた新しい診断治療手技,の7題で,最近注目を浴びている演題ばかりですばらしい企画であった.

用語の使い方・使われ方

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 管状狭小は正常の部分に比べて病変部で腸管径の減少した領域が一様の太さに管状にみられる所見である.通常,狭小の所見がみられる範囲の腸管辺縁は比較的平滑なことが多い.

 内視鏡所見では狭小の程度が軽度であれば,内視鏡が病変部を通過できるので認めることができる.しかし,狭小の程度が中等度以上になると,内視鏡が病変部を通過できないため,多くはX線所見として言うことが多い.管状狭小のX線所見は充満像で最も明瞭となる.二重造影像では周辺粘膜と病変部とバリウムの付着に差が生じ,狭小部では粘膜ひだが消失することが多い.

早期胃癌研究会

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 1992年10月度の早期胃癌研究会は,10月21日,伊藤(名市大1内)と西俣(鹿大2内)の司会で開催された.

 症例検討に入る前に,9月度例会の,fラインに沿って多発した微小カルチノイドの症例について,発表施設の福井県立病院・鍵谷から病理の追加説明がなされた.先月問題とされた点は,胃角近傍の小彎を跨ぐ線状潰瘍瘢痕の幅が出題者の病理説明では狭すぎるのではないか,線状瘢痕とカルチノイドとは位置的に関係があるかどうかということであった.説明では,Ul-Ⅲの線状瘢痕の幅は指摘どおり先回の説明より広く,一部のカルチノイドは線状瘢痕部にも存在したが,ほとんどは瘢痕と無関係であったことが追加された.

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欧文目次

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 Food-dependent Cushing's syndrome mediated by aberrant adrenal sensitivity to gastric inhibitory polypeptide: Reznik Y, et al (N Engl J Med 327: 981-986,1992)

 Cushing症候群はコルチゾール過剰によって引き起こされる,中心性肥満,糖尿病,高血圧,骨粗鬆症などを主徴とするものであるが,病因は下垂体腺腫からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰分泌によるCushing病(全体の約7割,両側副腎は過形成)と,副腎腫瘍(片側性)の2群に大別される.しかし,一部にいずれにも分類し難い病因の不明な症例の存在することも知られていた.それらは結節性副腎過形成と総称され,Cushing徴候と両側副腎の腫大(結節を形成)を認めるものの,ACTHは抑制されており,あたかもACTH以外の何らかの“異常刺激物質”が副腎皮質ホルモンの過剰分泌を引き起こしていることが想定されていた.

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 このたび,千葉大学・有水昇教授,金沢大学・高島力教授の編集による「標準放射線医学」第4版が出版された.本書は1982年に第1版が出版されて以来,日進月歩の勢いで発展を遂げている放射線医学に後れを取ることなく,読者に最新の知識を得てもらおうと3年ごとに改訂されている.一口に3年ごとと言っても,日常の仕事に忙殺されているであろう編集・執筆の先生方のお立場を考えると,大変な御苦労があると思われる.しかし編集者の意気込みと優秀な執筆陣の熱意によって,本書が常にup-to-dateな放射線医学の教科書として,全国の医学生および研修医諸君から多くの支持を得ていることは,大変に素晴らしいことであり,深く敬意を表したいと思う.

 今日の医学教育は,“臨床の場で役立つ”ということに重点が置かれており,今回の医師国家試験ガイドラインの改定にもそのことがかなり反映されている.このために,全国各大学の臨床医学科のカリキュラムも系統講義の時間はむしろ短縮され,small groupによる臨床実習中心の教育が重視されるようになってきている.もちろん,放射線医学もその例外ではない.一方,医師国家試験においては各科の問の壁が取り除かれ,従来の必須科目と選択科目という分け方はなくなり,常に画像診断は重要であり,その占める割合がより大きくなったと思われる.

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 わが国の救急医療体制は1977年厚生省が「救急医療対策事業実施要綱」を打ち出して以来,初期,二次,三次救急医療体制が急速に進み,救急告示医療機関制度と共に次第に充実してきた.全国各地に救急医療施設は整備され,今や施設数よりその中で行われる医療の質を問われる時代に突入してきている.

 一方,それらの救急医療施設に勤務し,日夜救急患者に接し治療を行っている医師たちの多くは系統的な救急医学の講義は受けておらず,患者を前にして戸惑いを感じられることも少なからずあろうと思う.

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 Omeprazole-induced hypergastrinemia does not influence growth of colon carcinoma: Graffner H, et al (Dig Dis Sci 37: 485-489, 1992)

 大腸粘膜や腺癌はガストリン受容体を有していると考えられており,最近の研究で,大腸癌やポリープ患者に高頻度に高ガストリン血症の合併がみられるとか,外因性のガストリンが大腸由来の新生物の成長を促進するといった報告も散見される.今回の検討の目的は,オメプラゾール惹起性の内因性の高ガストリン血症が皮下移植されたマウス大腸癌(MC-26)の増殖にいかに作用するかを明らかにすることである.

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 胃腸等の出血については,数多くの箸書がある.

 今回,Choichi Sugawaほか2名の編集による「Gastrointestinal Bleeding」が刊行された.全体として,584頁のこの著書は,従来のそれと異なり,なかなか読みごたえのある書物であるといった感想が,私がこの本を手にしたときの第一印象である.

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 Bacteremia following diagnostic and therapeutic ERCP: Kullman E, et al(Gastrointest Endosc 38: 444-449, 1992)

 菌血症は粘膜損傷に伴い,抜歯85%,食道拡張30~45%,胃内視鏡5%,直腸鏡4.7%などの頻度で起こりうることが知られている.そこで,ERCPに伴う菌血症の頻度を明らかにし,予防的抗生剤投与の合理的な方法を検討するために今回の調査を行った.

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 臨床医学の基本は診断学に始まり,診断学に終わるといっても過言ではない.

 診断に際し,医師はまず患者の主訴(自覚症状,症候)を中心に病歴を詳細に聴取し,更に視診,触診,打診,聴診などの理学的検査を行って,他覚的所見,徴候を把握し診断の手掛りとする.これについては,本書の姉妹編であるNIM Lecturesシリーズ「臨床診断学診療編」にまとめられている.

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 「百聞は一見にしかず」という諺は欧米にも存在するようで,“picture is worth a thousand words”という趣きの本書が刊行された.ミシンガン大学の俊才Tadataka Yamada教授がeditorとなり4年の歳月をかけて作られた本書は,その名のとおり消化器疾患の病態に関し図表のみでの解説が試みられているユニークな書である.

 昨年,1991年に同じくYamada教授が中心となり「Textbook of Gastroenterology」が刊行されているが,これはその姉妹書として位置づけられており,Textbookの同項目を担当した同一筆者が,イラストを用い解説する形式をとっている.もちろん本書はこれ単独で内容のある楽しい読み物として完成しているが,referenceがない欠点があり,Textbookと併用して初めて教科書的価値が高まると思われる.

「胃と腸」質問箱 望月 福治
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大腸癌集検における便潜血反応の選び方

 (質問)大腸癌集検が普及しはじめていますが,私たちの地区の医師会でも小規模ながら実行に移したいと考えています.いろいろある潜血反応のうち,どれを使用することが効果が大きいでしょうか,ご教示ください.仙台市医療センターの望月福治先生にお願いします.(匿名希望T生)

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 Endoscopic assessment of oesophagitis: Armstrong D, et al(Gullet 1: 63-67, 1992)

 胃食道逆流疾患は頻度の高い疾患であり,欧米では人口の2%にみられる.疾患の重症度を正確に評価することは,適当な治療を選択し,また,再発の可能性や維持療法の必要性を判定するうえで,重要となる.内視鏡は,食道炎を評価する最も適した方法であるが,その客観性が問題である.

編集後記 西俣 寛人
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 胃癌は変わったか?というテーマである.永年胃癌の診断学に携わった者からみると確かに変わってきたというのが実感である.胃癌の本来持っている生物学的特性が変わったと考えるより診断学が変わった結果であろう.

 本号で共通して述べられていることは,未分化型の浸潤癌が増加し,早期癌の比率が50~60%に増加し,Ⅱc型が多く,Ⅱc+Ⅲ型が減少している点である.座談会の主張は胃癌のルーチン検査が直視型内視鏡検査で行われるようになってきたこと,内視鏡による二次スクリーニングが普及したことが早期癌の比率を高めた要因となっているということである.内視鏡診断の立場から時代的変遷を論じた早川は最近10年間で早期癌が60%を占め,臨床的に診断された10mm以下の早期癌が著明に増加(21.4%)したと述べている.一方,集検発見胃癌の時代的変遷を論じた細川は早期癌の比率は72.5%に達し,そのうち10mm以下は18.1%と増加していると述べている.間接X線検査で,これだけの診断能を示され,スクリーニング検査では拾い上げが困難と言われているC領域,前壁,大彎の早期癌の問接X線像が呈示されている.驚くべき成績である.胃癌診断に情熱を持って集検を行えば,内視鏡によるスクリーニング検査と変わらない結果が得られることを示した成績である.

基本情報

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胃と腸
28巻1号 (1993年1月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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