胃と腸 18巻11号 (1983年11月)

今月の主題 逆流性食道炎

主題

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 胃および十二指腸液の食道への逆流によって起こる食道炎は,逆流性食道炎(reflux esophagitis)という呼び名で長く親しまれてきた.ところが同じ逆流が起こっても,食道粘膜に損傷の起こる場合と,起こらない場合があり,最近では逆流現象を胃食道逆流(gastroesophageal reflux; GER),これによって起こる疾病状態を胃食道逆流疾患(gastroesophageal reflux disease; GERD)と呼称するのが一般的となった1).その中にいわゆる逆流性食道炎が位置づけされている.それが更に進展した場合の食道潰瘍や狭窄,Barrett's esophagus,続発性の呼吸器疾患がGERDに含まれる.これらの疾患が,しばしば滑脱型裂孔ヘルニア(sliding hiatus hernia)を合併することから,その関連が長く議論されてきた.かつてはGERDが裂孔ヘルニアと密接に関連するとの考え方から“symptomatic hiatus hernia”と呼ばれたりしたが,近年,多くの臨床研究者は,下部食道括約筋(lower esophageal sphincter; LES)を胃食道逆流の主要な障壁と考え,裂孔ヘルニアとは直接の因果関係はないとの主張が常識化し,“symptomatic hiatus hernia”に代わって,GERDという語が優勢となった.

 筆者らは,この問題について主として文献的reviewによる考え方の推移をたどり,現在におけるGERDと裂孔ヘルニアに関する諸説を紹介し,われわれの若干の経験を織り混ぜて論じてみたい.

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 1950年,Barrett1)により円柱上皮性食道(columnar epithelial lined lower esophagus)の存在が指摘された.Barrettは先天性短食道として報告したが,その後1957年,Barrette2)自身,failure of the embryonic lining of the esophagus to achieve normal maturityと報告している.1953年,Allison & Johnstone3)も同様な見解で,短食道あるいはectopic gastric mucosaによるとしている.1960年になり,Goldman & Beckman4)は術後逆流性食道炎による二次的な“Barrett食道”の症例を報告した.以降,Hayward (1961)5),Mossberg (1966)6),Burgess (1971)7),Halvorsen (1975)8),Savary & Miller (1978)9)らは,実験的または組織学的に後天性“Barrett食道”説を支持し,現在に至っている.

 しかしながら,Barrett食道腺癌の報告をみると,胃底腺で構成された例10)と,後天性化生性偽幽門腺円柱上皮例11)とが,それぞれ報告されており,両者が存在することもまた事実と考えられる.したがって,臨床的にはBarrett上皮が,後天性に形成されうるとする立場から,炎症との関係をみた.

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 胃・食道逆流に関する病態生理学の最近の進歩によって,逆流性食道炎(refluxe sophagitis)は主として下部食道括約筋(lower esophageal sphincter; LES)が胃・十二指腸内容物の逆流を阻止することができず,逆流内容が食道粘膜を損傷して生ずることが明らかとなった.そして食道疾患診断法の発達によって逆流性食道炎は,より正確に診断され,かつより合理的に治療されるようになった.

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 最近,細径のpanendoscope(GIF-P3)が多く用いられるようになり,食道をみる機会が増してきた.このため胃食道接合部,下部食道の変化をとらえることが容易となり,この接合部に存在するびらん,潰瘍の診断能力が向上した.われわれは食道癌の診断のため,ルゴール染色を10年前から使用してきた.この方法によるとZ-lineは明瞭となり,この部位および下部食道に存在するびらん,潰瘍の変化もかなり正確にとらえられるようになった.この方法で観察した逆流性食道炎が存在する胃食道接合部および下部食道の病変についても色素内視鏡所見を中心に述べる.

 方 法

 ルゴール染色法もかなり普及してきたので各施設によって異なると思うが,当所での方法を簡単に述べる.

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 逆流性食道炎のX線像で最も目につきやすい所見としては,運動性の異常,内腔の狭小化,裂孔ヘルニアの存在,逆流所見などが挙げられよう.しかし,これらは非特異的な間接所見であって,必ずしも逆流性食道炎の存在を証明するものではない.逆流性食道炎のX線所見としては,軽症な場合,機能的な壁伸展性と辺縁の極く軽微な不整像,皺襲の太さの変化,粘膜面の粗糙さ,散在するバリウム斑,更に下部食道の円筒状ないしは楔状の内腔の狭小化像などとして描き出される.更にびらんを形成し,潰瘍が出現すればX線像では他の消化管におけると同様に淡いバリウム斑やニッシェとして写し出すことができる.

 X線学的に鑑別診断しなければならないものは少なからずあるが,最も重要なものは食道癌であろう.われわれの施設に紹介された逆流性食道炎の症例の半数以上のものが食道癌の診断が付されていることからも理解できよう.そこで,まず逆流性食道炎とこれと鑑別すべき疾患を,特に食道癌を中心に供覧することにする.

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 逆流性食道炎は下部食道噴門部における逆流防止機構の不全または破壊によって,消化液の食道内への逆流を主として,これに幾つかの因子が組み合わさって発生するものと思われる.不全による場合は食道裂孔ヘルニア,短食道などに代表され,破壊による場合は噴門切除,胃全摘などの場合に代表される.今回の特集では特に後者の術後逆流性食道炎を除外するとある.

 原発性の逆流性食道炎は,もともと欧米に多く日本では比較的少ない疾患であった.しかるに,生活様式も欧米化され,肥満の患者が多く,かつ高齢化社会となった今日においては,次第に注目すべき疾患となりつつある.

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 大柴(司会) 成書では,逆流が慢性食道炎や急性食道炎の病因になっており,逆流性食道炎の位置づけを一体どうするか疑問に思っているんですが,遠藤先生からおねがいします.

 逆流性食道炎の位置づけ

 遠藤 食道疾患研究会で食道炎診断基準という規約が作られています.この中では逆流性食道炎とは急性炎症の像を示すものを主に呼ぼうではないかということが骨子です.また,慢性の炎症があっても,その中に急性期,あるいは亜急性期の所見を示すものを対象とするとなっています.

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 われわれの教室においては数年来,胃粘膜腸上皮化生と胃癌の発生との関連について種々なる角度から臨床的ならびに実験的に研究報告をしてきている.今回はoncofetal enzymeの1つとして近年にわかに注目されているGGTの胃癌および胃粘膜腸上皮化生における活性局在を酵素組織化学的に検索すると共に,ALP,CEAの局在と比較検討した.

 教室において切除された高分化型腺癌3例,中分化型腺癌5例,低分化腺癌5例,印環細胞癌5例,計18例の摘出胃標本より5×5×3mmの組織片を採取し,冷アセトンで12時間固定,軟パラフィン包埋後3μmの連続切片を作製した.GGTはRutenburg法,ALPはBurstone法,CEAは酵素抗体間接法を用いて観察した.

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 四国西南部に位置する宇和島地方はかねてより胃腸疾患の臨床に関心が深く,胃カメラが実用化されると同時にいち早くこれを取り入れ(II型胃カメラより),東京の早期胃癌研究会などに出席し,勉強しながら皆それぞれに実績を上げてまいりました.1974年(昭和49年)初めころ,この地方で胃腸疾患の症例険討会を持とうとの気運が高まり,宇和島胃腸疾患研究会が発足しました.そして,同年3月18日に第1回の研究会を開きました.宇和島市医師会,市立宇和島病院,宇和島社会保険病院が中心となり,それぞれ持ち回りに当番を決め,会の運営に当たっております.毎月1回第3月曜日午後7時より9時まで定例の研究会を行います.そのほか各地より,いろいろな先生方においで願い,不定期に講演会を催し指導していただきます.また,必要に応じて1つのテーマで小入数が分科会的研究会を一定期間持つこともあります.吉田町立病院など宇和島周辺の病院,遠くは八幡浜市などから参加される会員もおり,出席者は常に20人前後です.

 小人数ですが非常に熱心な人たちの集まりでまとまりやすい会です.この研究会は会員の皆様が組織診断までわかっている症例を持ち寄って検討し,診断を当てあう形式をとっております.主として食道より大腸までの消化管疾患に限り,胆・肝・膵にかかわりのある症例は特殊な例を除いて,別の研究会である肝疾患研究会で取り扱うことにしております.

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 急性食道炎は近年内視鏡の進歩・普及に伴い,発見の頻度が高まっている.剝離性食道炎は急性食道炎に分類されるまれな食道炎で,嚥下痛と食道粘膜上皮が筒状に剝離し,喀出されることを特徴とするが,近年報告例はほとんどない1)2).最近われわれは肺癌患者で経過中に剝離性食道炎を起こした症例を経験したので報告する.

 症 例

 患  者: 64歳,女性,主婦.

 主  訴: 嚥下痛.

 家族歴: 父方祖父母,父母,兄が脳卒中にて死亡.

 既往歴: 38歳ごろより高血圧.(タバコ,酒 (-))

 現病歴: 1982年3月ごろより咳嗽出現.同年7月胸部異常陰影を指摘され,当科外来受診し,生検にてmoderately differentiated squamoas cell carcinoma of the lungと診断された.8月11日当科入院し,手術不能のため,レーザー照射施行し,肺腫瘍の縮小をみた.経過中,9月14日ごろより嚥下痛出現し,次第に増強,摂食困難となった.

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 近年,診断技術の向上により,いわゆるMénétrier病あるいは胃の良性巨大皺襞症として経過観察されている例も少なくない.われわれはこのような経過観察中に胃潰瘍を合併,穿孔にまで至ったために緊急手術を行い,術前に存在した低蛋白血症も消失した1例を経験したので報告する.

 症 例

 患  者: 32歳,男性.

 主  訴: 上腹部痛.

 家族歴: 父が胃潰瘍,姉が胃癌で共に死亡.

 既往歴: 22~23歳時,上腹部不快感で約半年間服薬したことがある.

 現病歴: 1974年12月,上腹部痛を主訴として京橋クリニックを受診し,胃透視および内視鏡検査により,良性と思われる胃の巨大皺襞が発見された.また同時に低蛋白血症(T. P. 5.0g/dl,A/G 1.3)も存在したことからMénétrier病と診断され,抗プラスミン剤などが投与された.このとき巨大皺襞のほかには潰瘍やびらんなどの病変は発見されなかった.約6カ月間の内科的治療で自覚症状は軽快したが,1976年5月には再び上腹部痛が出現し,胃透視で胃角上部に潰瘍を認め,内科的治療により6カ月後には軽快した.しかし,1978年2月には上腹部痛と共に少量の吐血があり,胃透視で再度胃角上部に潰瘍を認めたため内科的治療を行っていたところ,1978年3月10日,食後突然に激烈な上腹部痛が出現し,北病院へ緊急入院した.

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 食道憩室内に発生した癌は,食物のうっ滞と発癌との関連を考えるうえで興味深い臨床事象である.しかしその報告例はいまだ数少なく,術前検査や術後の主病巣周辺粘膜を含めた病理学的検討も十分とは言い難い.最近,われわれは中部食道の巨大憩室内に表在型の主癌病巣を有し,ほかにも憩室内外に広範囲にわたってcarcinoma in situや種々の程度の異型性を有するdysplasiaを散在性に認めた1例を経験した.本例が診断学的のみならず病理学的にも癌発生を考えるうえで貴重な症例と考え,若干の文献的考察を加えて報告する.

 症 例

 患  者: 65歳,男性.

 主  訴: 嚥下困難,嘔吐.

 既往歴,家族歴: 特記すべきことなし.

 嗜  好: 若い頃より喫煙20本/日,飲酒5合/日.

 現病歴: 20歳ごろから嚥下障害が出現していたが放置していた.60歳ごろには嘔吐もみられるようになり某医を受診したが食道憩室と診断され短期間の治療を受けたのみであった.その後1982年10月に検診を受け中部食道の巨大憩室を指摘され当科を訪れた.内視鏡検査により憩室内に発生した食道癌が疑われ同年12月に入院した.

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 胃切除後の残胃の病変についての診断は,術後の癒着や変形などの要素も加わって診断法の発達した現在でも困難さを感じることが少なくない.最近,われわれは術前に残胃の小さなIIc型早期胃癌と診断したが,切除標本にてびまん浸潤型進行癌で再手術を余儀なくさせられた症例を経験した.術前のX線写真と内視鏡写真をretrospectiveに検討すると,極めて特異な所見を見逃していたので,反省を含めて報告する.

 症 例

 患  者: 53歳,男性.

 主  訴: 易疲労感,上腹部痛,体重滅少.

 家族歴: 特記すべきことなし.

 既往歴: 1970年6月(約11年前)に胃癌にて他院で胃亜全摘,Billroth II法で再建術を受けている.借用した当時の術前の内視鏡フィルムでは(Fig.1),幽門前庭部の全周性のBorrmann 3型胃癌である.切除標本の病理組織学的報告では,adenocarcinoma tubulare et mucocellulare,深達度pm,infβ,ow(-),aw(-),

リンパ節転移なし,とのことであった.その後同院で胃X線検査と胃内視鏡検査を毎年のように繰り返し施行されていたが,特に異常は指摘されなかった.

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 胃壁のびまん性癌浸潤により,胃内腔の狭小化を来したlinitis plastica型胃癌の予後は悪いが,多くの努力によりその早期像がしだいに明らかになりつつある.

 渡辺ら1)はlinitis plastica型胃癌の初期像は未分化型癌のうちで消化性潰瘍のないⅡc型であることが最も多く,潰瘍があっても粘膜下層以下の深層の癌巣に対して相対的に小さい潰瘍を伴う場合であると述べ,また,美園ら2)は胃底腺粘膜より発生した未分化癌で,粘膜ひだ集中のない2.0cm以下の小さなⅡc型癌であるとみなされると報告し,臨床医に具体的な早期像を呈示した.著者らは逆追跡資料を21カ月間にわたり得られたlinitis plastica型胃癌の1例を経験したので,そのX線像および内視鏡像からその早期像と今後の早期発見について検討した.

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 臨床病理学的研究により大腸癌の多くが大腸腺腫を経て発生すると考えられている1)~3).大腸腺腫は様々な程度の異型度(dysplasia)を示し,Morsonら2)は軽度異型腺腫,中等度異型腺腫,高度異型腺腫に分類している.摘除されたヒト大腸腺腫の大部分は軽度異型腺腫であり,これらは組織学的に明らかな良性腫瘍性病変である.一方,高度異型腺腫は組織学的に粘膜内にとどまる癌(focal carcinoma)であり,中等度異型腺腫はその中間に位置していると考えられる4).従来の報告では大腸腺腫を異型度によらず,一括してその粘液組成を検討したものが多く,また,腺腫腺管上皮の杯細胞粘液と腺管の管腔縁(brush border)に観察される分泌物を同一に扱った報告もある.そこで本論文では,まず腺腫を異型度により分類し,その各々の異型度を示す腺腫腺管における杯細胞粘液組成の変化を観察,検討した.

 また,担癌大腸粘膜における粘液組成の変化をFilipeら5)6)はpremalignant changeを示唆すると述べ,一方,Isaacsonら7)はこの変化を二次的なものとして捉えている.癌と担癌大腸粘膜とはおそらく同一の発癌因子(carcinogen)にさらされたと推測できる.そこでこの担癌大腸粘膜の杯細胞粘液組成に変化が認められるのかどうかを,そしてまた,その変化がFilipeらの主張するようなpremalignant changeとしての特異性を持っているのかどうかを検討した.

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欧文目次

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 A Two-Year Prospective Controlled Study of Maintenance Cimetidine and Gastric Ulcer: GD Barr, JY Kany, J Canalese, DW Piper (Gastroenterology 85: 100~104, 1983)

 シメチジンは消化性潰瘍の初期治癒を促進するが再発とそれに対する維持療法は治療上重要な問題である.胃潰瘍の再発率は治癒後2年間で40%,十二指腸潰瘍のそれは50~90%と言われる.シメチジン維持投与により十二指腸潰瘍の場合1年間では70~90%の再発が抑えられ,更に長期では投与期間中再発抑制効果が持続したとの報告があるが,胃潰瘍については十分な検討が行われていない.

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 本邦の過敏性(大)腸症候群研究の歴史における,草分けとも言うべき3人の分担執筆になる共著である.A5判132頁の著書であり,休みの1日ゆっくり読ませてもらったが,その内容は極めて濃く,本症候群については理解しているつもりであった私にとっても,大変勉強になった.著者の3人は,人も知る心身医学に造詣の深い方たちであり,また,併せて消化器疾患と心身医学の相関に特に関心の深い方々である.したがって,心身医学的面からの分析が極めて細やかであり,全体として教わる所が多いと言える.序文によると,本症候群の存在が本邦において注目されるようになったのは,1967年名古屋における第53回日本消化器病学会総会で過敏性大腸症候群というテーマのシンポジウム(司会:松永教授)が初めて取り上げられたのが,きっかけであり,その折のシンポジストが,3人の本著者方であった由であるが,以来,わずかに16年の間に,本症の概念は消化器病学の分野において欠くことのできないものとなっており,現在消化器病学に関心を持つ医師で,これを知らぬ者はないほどまでに一般化し,かつ診断名として頻用されているものである.

 さて,本書の内容は,大きく総論,診断,治療の3部に分けられ,総論については並木,診断については川上,治療については中川の3教授がそれぞれ執筆されている.

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 Stressful Life Events, Acid Hypersecretion, and Ulcer Disease: MN Peters, CT Richardson (Gastroenterology 84: 114~119, 1983)

 多くの潰瘍患者および医師は,潰瘍の症状増悪はしばしばストレスの大きい事件中あるいはその直後に起こると信じている.その根拠として,第1にある潰瘍患者たちは,いろいろなストレスを経験するか,あるいは非潰瘍患者に比べてストレスに対する感受性が強い.第2に,ストレス事件は,しばしば潰瘍症状の発症に先き立って起こっている.第3に激しい情緒的ストレスは,ある患者たちで潰瘍発生に導くことなどが挙げられる.

編集後記 大柴 三郎
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 生活環境の欧米化に伴って日本でも各種疾患の分布が少しずつ変わってきている.reflux esophagitisもその1つであろう.従来,術後例を除けば該疾患はsliding typeのhiatal herniaに強く関連づけられた胃内容逆流に起因すると考えられてきたが,今日,LES圧の減弱による逆流の頻度と排出の遅延が病因であろうとされている.

 一方,逆流があれば食道炎が必ず起こるかと言えばそうでもない.消化性潰瘍の病因・治療が専ら分析の比較的容易な酸・ペプシンなど攻撃因子に向けられてきたが,方法論の開発に伴い防御因子側の検討が今日注目を浴びつつある.食道炎においても将来粘膜側の防御力が問題にされる時代がくるかもしれない.

基本情報

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胃と腸
18巻11号 (1983年11月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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