胃と腸 10巻1号 (1975年1月)

今月の主題 胃粘膜―(1)早期胃癌の背景として

座談会

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 岡部(司会) 本日は,お忙しいところをお集まりいただきまして,ありがとうございます.

 このたび,「胃と腸」の発刊10周年を迎えるにあたり編集会議でいろいろと企画を練った結果,局在病変の診断学はこの10年の間に非常に進み微細診断と呼称するほどになりましたが,その局在病変が発生してくる母地としての胃の粘膜に改めて目を向けないと,いまから先の更にすすんだ診断学――とくに,いまから問題になりますⅡbなどの診断学等――の発展もありえないのではないかということが話題となりました.そこで局在病変よりもその周辺の粘膜をとりあげてみようかということになったわけです.これはある意味では慢性胃炎,または正常粘膜の診断ということにもなろうかと思います.

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 胃病変の診断を歴史的にみると古くから陥凹と隆起の発見につとめ,その性状を解析してきた.一方,病理組織学的診断の方は陥凹隆起にはもちろん注意してきたが,平坦とみなされる部分においてもミクロの場としての診断がなされてきて,これは確固として動かしがたいものである.そこで臨床と病理との離反をどのようにして縮めるかが近年のテーマであろう.

 ここ十数年来,日本で早期胃癌が提唱され,その症例も増加の一途をたどっている.しかしこれらを反省してみるとⅠ,Ⅱa,Ⅱc,Ⅲ等の隆起か陥凹かの病変が多く,過去の隆起陥凹と比べてみるとその程度が極めて僅少になってきている.

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 陥凹性早期胃癌のX線所見には,当然のことながら,典型例および非典型例が存在する.このことは,X線撮影の技術的なこと以外にⅡcの肉眼所見ならびに組織学的所見の差に影響されていることが考えられる.すなわち,文献的に典型的Ⅱcと見なされるX線所見の肉眼所見ならびに組織学的所見をみると,それらの多くが未分化型癌であって分化型癌は少ない.また,経験的にもX線所見上で典型的Ⅱcとされたものの多くは組織学的に未分化型癌で,非典型的Ⅱcとされたものには分化型癌が多い傾向がみられている.これらのことから,陥凹性早期胃癌のX線上の所見は,癌の組織型によって異なるとの見方ができる.

 本研究は,この問題を解明するために,陥凹性早期胃癌のX線所見と病理組織学的所見との関係について検討を行なったものである.

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 ファイバースコープのおかげで,胃炎とくに慢性胃炎の内視鏡解析も遅々とした歩みながら次第に大きな変革がみられたように思う.

 胃全体からみた巨視的な見方もずいぶん変ってきたし,特殊な方法を用いた微細な見方も最近とみに急速な進歩をとげている.

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 胃癌が胃粘膜のある種の変化(状態)をその発生母地とするなら,早期胃癌の存在する胃粘膜には何か特徴がみられるのではなかろうか.いま一歩話を進めて,胃癌が慢性胃炎,胃潰瘍,ポリープなどをその発生母地とするなら,胃癌,特に早期癌の非癌部胃粘膜は,慢性胃炎,胃潰瘍,ポリープを単独に有し,なおかつ発癌に到らない胃の粘膜とは何か本質的な相違があるのではないか,そしてまた,その変化は内視鏡的なlevelで識別可能なものであろうか,と言う疑問がある.しかし日常,胃X線あるいは内視鏡を武器として早期胃癌の診断をしている臨床医にとって,この疑問はある意味ではナンセンスであり,明確な解答の得られる可能性の少ないもののように思える.

 すなわち,ある病変の鑑別診断をする場合,重要なのは通常その病変自身の持つ性質であり,その背景の胃粘膜像ではないと考えられる.例えば,潰瘍性病変が良性であるか,悪性であるか迷うことはしばしばあるが,病変の周辺粘膜が良・悪性の鑑別診断の根拠となることは,絶無ではないにしろ極めて稀であると考えられる.しかし,前述の疑問は依然として臨床医の頭の中にあり,明確でないにしても,やはり一つの結論を出しておく必要があるように思う.それでは早期癌の非癌部胃粘膜には内視鏡的に何か特徴があるのだろうか,それは早期癌の型によって異なるのか,あるいは組織型によるのか,そしてまた,良性疾患である胃潰瘍,ポリープのそれと異なるのであろうか,また進行癌と早期癌ではどうであろうかなど,これらの点に関して本院の早期癌症例をもとにし非癌部胃粘膜像を主に慢性胃炎の面から論じてみよう.

巻頭言

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 昭和が50年になる.たとえこの間に敗戦があったとはいえ一代の天皇の年号が50という数を数えうることは,そう常にはないことであろう.それにあやかるように,「胃と腸」も足掛けやっと10年の10巻1号を出すにいたった.この雑誌の編集に初めから携わった者の一人として感無量である.しかも有難いことに同好の士は未だ増え続け発行部数も増加の一途を辿っている.そのお蔭で,値上げばやりの数多い医学雑誌のうち,本誌は最も値上率の低い雑誌になることができた.

 実をいうとこの雑誌を創刊する当時はこのような企てが果して世に受けいれられるかどうか大きな危懼があった.何故なら,その直前,ほとんど同時に消化器系の雑誌が2種類も売行き不振のために廃刊になったばかりであったからである.しかし私どもは実をいうと余りそうした社会的というか,経済的というか広い観点を持ち合わせてこの企画をたてたのではなかった.ただひたすら毎月の早期胃癌研究会にいろいろな施設から持ち寄られる症例の面白さに酔っていたというだけに過ぎない.今でもそうであるが,ほんとうにその頃は供覧されるすべての早期癌症例が常に何らかの教訓を含んでいた.したがってその一枚のレントゲン写真や,一コマの胃カメラの写真――当時はまだファイバースコープは高嶺の花であった――に,そのスライドをスクリーンに一回写しただけで,そのまま忘れさって了うのは余りにも勿体ないという愛惜の念を禁ずることができなかっただけに過ぎない.これらの資料を何かの形で記録に止めたいというので,まずその掲載をエーザイで発行しているクリニシアンへ依頼することを考えた.しかし恐らくそれは広報誌という制約の為であろうが不可能であると知らされた.カラー写真が多くなるという見通しも,障害の一つになったであろう.

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 症例1.60歳,男(国立がんセンター例)(0-12843)

 切除胃の肉眼像(Fig.1)は胃角部前壁に肥厚した粘膜ヒダの集中が認められ,また後壁側からも粘膜ヒダの集中がうかがわれる.この後壁側のヒダの先端は明瞭なヤセを示し,小彎側のⅡc型の陥凹粘膜に連続している.しかし通常のⅡc型胃癌と異り幽門側ではその辺縁をふちどるように粘膜がわずかに隆起し,更に前壁では集中する粘膜ヒダがくびれを有する粘膜隆起すなわちⅡaの像に移行している.また一部では集中する粘膜ヒダの先端でヒダの融合するような所見を示している.この病変は潰瘍を有するⅡc型であるが,他方ではⅡaの隆起を示した早期胃癌で我々の提唱した早期胃癌の特殊型としてのⅡc+Ⅱa型に相当する.この肉眼所見をシェーマに示すとFig.2のようになる.太い部分で描いた部分がⅡaに相当する.癌の拡がりは9.0×4.5cmである.その割面は2個のUl-Ⅱを中心として陥凹性病変(Ⅱc),その幽門側はⅡaの隆起を示している(Fig.3).組織学的には大部分mの粘膜内癌で極くわずかに粘膜下へ浸潤した早期癌である.組織像はⅡcの陥凹部は分化した腺管腺癌で,これが漸次的にⅡa部の乳頭性腺管腺癌の像に移行し両者の間に相違はない(Fig.4).リンパ節転移は認められなかった(0/43).

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 肝悪性腫瘍のほとんどは癌で,肝細胞に由来するhepatomaと肝内胆管上皮から発生するcholangioma,および両者の組織型が混在する混合型の3つがある.hepatomaは一般に血管に富み,組織学的にもsinusoidの数の増加と腔の拡張が著明であるが,cholangiomaはこれらの所見が乏しい.しかしhepatomaでも血管が豊富でないものがあり,木戸らの報告(Am.J.Roentg.113: 70~81,1971)によればhepatomaの組織像が未分化なものに多い.よく分化したhepatomaは定型的な血管造影像を示す.

 正常の肝ではsinusoidは門脈血75~80%,動脈血20~25%の割合で満たされるが,hepatomaでは動脈血が大部分を占めるので,血管の拡張と蛇行,動脈内の造影剤停滞が起る.したがって血管造影像では血管増生,異常血管の拡張,腫瘍濃染,動静脈shuntingが特徴的な所見としてみられる.図1はnoradrenalinを使用した肝動脈撮影で肝右葉に血管増生(↑印),異常血管の拡張(↑印)がみられ塊状型hepatomaと診断できる.図2はhepatomaの症例の腹腔動脈撮影の毛細管相で,肝全体に結節型の腫瘍濃染像が多発している.図3は塊状型のhepatomaの腫瘍濃染像(↑印)と動静脈shunting(↑印)がみられる.通常のshuntは動脈と門脈の間に生じるが,この例では動脈と肝静脈の間にshuntingがある.

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〔症例 5〕K.A. 69歳(♂)

 噴門部癌,Ul-Ⅳ-Ca,Bor. Ⅲ型(ss)

 図1は胃噴門部部分切除の標本である(切除術式に問題は残るが).この噴門直下に存在する潰瘍は前壁側が深く,小彎側は浅い.すなわち不完全ではあるが二重輪廓のみられる潰瘍癌ということになる.また数条の硬化した皺襞が前壁側と胃体部方向から深い潰瘍に向ってのびており,その2~3本は潰瘍縁の手前で中断している.いわゆるBorrmannⅢ型の進行癌である.右方小彎線上で白っぽく見える皺襞は食道粘膜であるが,癌の浸潤はうかがえない.

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 X線診断は豊富な診断情報を提供するので臨床医学には必要欠くべからざるものである.現在はX線診断のない臨床医学を考えることはできない.ところが一方においてはX線のごとき電離放射線は人体に害のあることが知られており,直線的線量効果関係の仮説によって,診断X線も全く無害という訳にゆかず,できるだけ被曝を軽減する方策が考えられるようになった.消化器のX線診断は透視を伴い,また撮影枚数も多いので,他のX線検査に比べて患者の被曝線量が大きい.個人の線量が大きいだけでなく,わが国では消化管X線検査の頻度が大きいので,国民全体からみても大きな線量となる.実際にわが国における診断放射線による遺伝有意線量の半分は消化管検査から寄与されている.

 従来X線検査は過剰に無差別に行なわれる傾向がなくはなかった.しかしX線検査は,正しい適応のもとに適正な運用を計るべきで,それが診断情報の確保とともに患者の被曝軽減に直結するのである.現在わが国のすべてのX線検査が適正に運用されているとは限らず,これに対しては適切な指導や規制が必要である.消化管X線検査の適正な運用を計るには,検査の適応や臨床判断に関する部分と,装置の性能や技術的分野に関する因子がある.

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 メチレンブルーやトルイジンブルーのような色素を消化管の内視鏡診断に用い,この着色効果を利用して,その消化管粘膜の機能異常や病変をより明確に観察しようとする努力は最近次第に盛んに行なわれるようになってきた.しかし,一般に,この方法に関してまだかなりの認識不足や誤解があるように思う.

 同じように色素を使用する従来からの色素撒布法は粘膜表面の凹凸不整を,その色素貯溜の濃淡より強調して観察しようとするものであり,着色法は粘膜凹凸とは無関係に色素の粘膜への着色(染色,取り込み現象)からその粘膜の異常を発見しようとするものである.両者共に色素法であることに違いはないが,その内視鏡的に観察できる現象は全く異質のものであるという点を十分に考慮した上で,正しく使い分ける必要がある様に思う.

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 胃色素撤布法の確立と生体染色現象の発見が契機になって,色素剤が消化管の内視鏡険査に積極的に用いられるようになってきた.そして最近ルゴール法や着色法も新たに加えられ,内視鏡学のなかに「色素法」あるいは「色素内視鏡法」と呼びうる新しい分野が展開されつつある.

 ここでは私達が改良した胃の色素撤布法を紹介し,あわせその目的,意義およびそれによる若干の知見について述べる.

胃液検査法 為近 義夫 , 岡部 治弥
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 最近の胃・十二指腸疾患の形態学診断法の進歩は著しいが,その病態生理の解明にはほど遠いのが現状であろう.胃機能(分泌,運動など)を知ることは疾患の治療上からも重要なことではあるが,検査法の設定やその結果の判定が必ずしも容易でないこともあり,その面の研究が遅れていたことは否めない事実である.ガストリンの発見以来,胃疾患の病態生理に関する優れた研究も数多く,消化管内に存在する種々のPolypeptideのRadioimmunoassy法を利用しての測定や作用機序の解明,最近ではヒスタミンのH2-Receptorの抑制物質の発見,更にはHの粘膜内への逆拡散に関与する可能性の強い粘液中の物質の測定等々トピックスには事欠かない.しかしわれわれが日常診療において簡単に利用できるのは,わずかに胃液検査法のみである.胃液中の酸,ペプシン活性は古くより測定の対象にされていたが,検査法の変遷が急速なためもあり,本邦では検査方法がまちまちであった.最近ようやく消化器病学会胃液測定法検討委員会により測定法が統一された.紙面の都合もあり胃液ペプシン活性については省略し胃液酸分泌検査法についてのみ述べてみたい.

 Kayにより1953年に発表された増大ヒスタミン法は燐酸ヒスタミン0.04mg/kgの刺激で胃内の全壁細胞が動員されその値はその人の最大の酸分泌能を現わすとし,ここに初めて定量的胃液酸分泌検査法が完成した.その後刺激剤は,ヒスタミンからヒスタローグへ,更に最も生理的かつ副作用の少ないガストリンへと変ってきた.臨床的にはガストリンのC-terminal tetrapeptideが真のガストリンとほぼ同一の胃分泌生理学的活性を有しかつ合成も簡単なことよリテトラガストリンが使用されている.

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 胃癌のうちで最も予後の悪い型とされている“Linitis plastica”はBrinton(1865)によって命名されたのであるが,当時はlinitis plasticaの成り立ちについて,炎症および癌腫の両方が考えられていた.その後,Saphir and Parker(1943)はlinitis plasticaの大部分は癌によるものであることを指摘し,そしてlinitis plasticaは胃癌の一つの状態像であることから“Linitis plastica type of carcinoma”とした.現在では,linitis plasticaは一つの独立した疾患ではなく,胃癌の一つの状態像であると理解されている.

 Linitis plastica状態の胃癌の原発巣は一般的にその形態からして不明の場合が多くその原発巣に触れている文献は極めて少ない.Saphir and Parkerは,幽門前庭部に発生した癌が胃体部へびまん性に拡がることによってlinitis plastica状態となる場合が多いと述べている.Stout(1953)は,linitis plasticaは胃粘膜あるいは異所性胃粘膜から発生した癌が胃壁全層をびまん性に拡がった状態である,とのみ記載している.最近,佐野ら(1974)はⅡc型のある癌がlinitis plastica状態になると述べている.

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 下痢,全身倦怠を主訴として来院し,体重減少,低血圧,貧血,低コレステロール血症,低蛋白血症等がみられ,生命の危険に直面する時期さえあった49歳男子症例で,逆行性大腸透視によって結腸と空腸との間に瘻孔の存在を発見し,再手術により完全に治癒せしめ得たmalabsorption syndromeの貴重な1例を体験して以来,消化吸収障害に関心を持ちその後8年間にかかる重篤なmalabsorption syndrome症例を教室において更に5例経験したので消化吸収試験成績を中心にこれらの症例について観察した結果を報告する.

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 欧米の報告では,脂肪腫は消化管の中で大腸に好発し,大腸良性腫瘍の中では腺腫性ポリープに次いで多いといわれている.本邦では消化管,ことに大腸の脂肪腫はきわめて稀で,その報告例は自験例も含め23例にすぎない.最近われわれは本症例を経験したので,本邦報告例とあわせ,症状,診断,治療につき考察したいと思う.

一冊の本

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 近年消化管ホルモンに関心をもつ人がふえてきた.本書はこの方面の問題をあつかった最新の本と思われる.最近編者の一人であると同時に筆者の恩師であるWi1liam Y.Chey教授からcomplimentary copyとして本書が送られてきたが,日本ではまだ知られていないと思われるので,本書ならびに編者に関係あるものとしてここに紹介したい.

 本書は1973年8月25~26日に,アメリカのニューヨーク州RochesterにおいてInternational Symposium on Recent Advances in Gastrointestinal Hormone Researchと題して行われたシンポジウムの内容をまとめたものである.このシンポジウムには日本からは群馬大学の伊藤漸博士や東京女子医大の竹内正教授らが参加されたはずである.

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 肉眼的に一見メネトリエ病の所見を呈し,病理組織学的には広範囲の早期胃癌であった興味ある症例を経験したので報告する.

症 例  患 者:57歳 男子  主 訴:心窩部痛  家族歴:特記すべきことなし.  既往歴:昭和15年,気管支喘息.  現病歴:10年来,時々心窩部痛があり,3カ月位前より,食欲不振,全身倦怠感,体重減少をともなうようになり当内科受診.

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 X線・内視鏡の診断技術の進歩により,胃病変の診断においては微細病変を診断するという領域に入ってきているが,上部胃癌,特に噴門部の癌は進行癌が大多数であり,早期癌の数が少ないのが現状である.最近我々は,噴門部のsquamocolumnar junctionの10×13mmのⅡa型微小早期胃癌を経験したので報告する.

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欧文目次

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 胃潰瘍に対する放射線治療は,かつて放射線治療技術の開発期においては,我国にても活発に実施せられたものです.

 即ち当時の我国においては,この疾患は肺結核と共に罹患率の最も大きいものの一つであったことから,新しい治療法としての期待に基づいて試みられたものです.

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Electrocardiographic Changes during Gastroscopy: K.Pyörälä, H.J.Salmi, J.Jussila, J.Heikkilä (Endoscopy, 5: 186~193, 1973)

 平均年齢50余歳の男女101例のGastrofiberscopyの施行中持続的にECGを記録し,Gastroscopyによりひき起こされたECG変化を検討した.101例を詳細な既往歴の聴取とECG所見よりcoronaly heart diseaseを有するCHD群39名と,有しない非CHD群62例に分け,Gastroscopy中のECG変化を両群間で対比した.

編集後記 青山 大三
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 ここで胃粘膜という用語は正常胃粘膜と慢性胃炎とを併せて広義の胃粘膜を意味する.一般的には慢性胃炎という言葉はいささか食傷気味で,なんともとりつくところがないとされている.一方,病理組織学的には正常粘膜とは何か,慢性胃炎とは何か,臨床的病理学にみた正常粘膜と慢性胃炎とは何か等々の多くの問題があるようである.組織学的にみての正常胃粘膜からはどうも発癌しそうもないようで,発癌はやはり胃炎のあるところからであるとされている.こんな意味から現時点で再検討することも有意義であろう.

 一般的には局在病変の診断はすでに詳細に行われてきたが,病変周辺の診断はあまりひろく行われていなかったのではなかろうか.そこで,さらに眼を広くして考え直そうとする見解もある.

基本情報

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胃と腸
10巻1号 (1975年1月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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