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編集後記
青山 大三
pp.114
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112108
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ここで胃粘膜という用語は正常胃粘膜と慢性胃炎とを併せて広義の胃粘膜を意味する.一般的には慢性胃炎という言葉はいささか食傷気味で,なんともとりつくところがないとされている.一方,病理組織学的には正常粘膜とは何か,慢性胃炎とは何か,臨床的病理学にみた正常粘膜と慢性胃炎とは何か等々の多くの問題があるようである.組織学的にみての正常胃粘膜からはどうも発癌しそうもないようで,発癌はやはり胃炎のあるところからであるとされている.こんな意味から現時点で再検討することも有意義であろう.
一般的には局在病変の診断はすでに詳細に行われてきたが,病変周辺の診断はあまりひろく行われていなかったのではなかろうか.そこで,さらに眼を広くして考え直そうとする見解もある.
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