技術解説
内視鏡的色素着色法
鈴木 茂
1
,
小野 邦良
1
,
竹本 忠良
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.68-69
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112096
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メチレンブルーやトルイジンブルーのような色素を消化管の内視鏡診断に用い,この着色効果を利用して,その消化管粘膜の機能異常や病変をより明確に観察しようとする努力は最近次第に盛んに行なわれるようになってきた.しかし,一般に,この方法に関してまだかなりの認識不足や誤解があるように思う.
同じように色素を使用する従来からの色素撒布法は粘膜表面の凹凸不整を,その色素貯溜の濃淡より強調して観察しようとするものであり,着色法は粘膜凹凸とは無関係に色素の粘膜への着色(染色,取り込み現象)からその粘膜の異常を発見しようとするものである.両者共に色素法であることに違いはないが,その内視鏡的に観察できる現象は全く異質のものであるという点を十分に考慮した上で,正しく使い分ける必要がある様に思う.
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