精神医学 34巻8号 (1992年8月)

巻頭言

精神医療の質と精神科医 西園 昌久
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 このところ,医療における患者の人権が強調されている。インフォームド・コンセントがその具体的な現れである。精神保健法の2大目標の1つである精神障害者の人権尊重もこうした医療全般の変化と無縁ではない。また,人権を大切にする考えは,何も医療あるいは精神医療に限ったことではない。人権が国際会議の最大のテーマとして扱われるご時勢なのである。今世紀の人類が獲得した最大の成果は人権尊重と科学技術の爆発的進歩の2つといわれる。しかし,この両者が別個のものとして存在するのではない。人ひとりひとりが,当然のこととして科学の発達によってもたらされるより快適な生活を求めている。それを支えているのが情報化社会といわれるものである。情報化社会というのは,個人のニーズを賦活することでもある。精神保健法における人権尊重もそうした文明論的視点を持ったものであらねばならない。精神衛生法から精神保健法への変化を促した1つの力が外国からの批判であったのも情報化社会を見据えてかからねばならないことを示している。精神障害者の人権尊重は,入院形態や行動制限についての法的手順を守ればすむものとは思われない。精神医学ならびに関連科学の最近の進歩がもたらしている医療技術をもって,患者に必要で適切な治療を行い,治癒あるいは社会復帰をもたらす努力をも含んでいる。さらにまた,クオリティ・オブ・ライフを求めることも患者の人権のうちであろう。

 アメリカ科学アカデミー(1978)がプライマリーヘルスケアの立場から,適正な医療を評価するための5つの因子を定めている。それは,①サービスへの接近性accessibility of services,②サービスの継続性continuity of services,③サービスの包括性comprehensiveness of services,④サービスの総合調整性coordination of services,⑤サービスの責任性accountability of servicesといわれるものである。頭文字をとってACCCAと略称されている。私は,この医療の適正な質を表す要素は精神医療にも当てはまると考えている。この中の責任性というのは,サービスの成果を評価し,スタッフが常に必要な知識と技術とを学習し,患者に情報を正しく伝えて同意を得ることなどを指している。また,経済的配慮もこの中に含まれている。こうした視点から,我が国の精神医療を見直してみると,適正な質の確保には程遠いといわねばならない。それを改善するには医療経済の確保なしには実現しない。その点で,私どもは深刻なジレンマの中にいる。

特集 薬物依存の臨床

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■はじめに

 1990年度版犯罪白書の中で,「享楽的な社会風潮が薬物に対する警戒心を薄れさせ,薬物の刺激を求める人々の安易な興味の対象となっており,他方,最近においては,覚醒剤以外にも,ヘロイン,コカイン,LSDおよび大麻などの多様な薬物が乱用される傾向がある」と提起されている(1990年度で押収量は前年度比のコカイン64.1倍,大麻2.3倍,LSD2.3倍,ヘロイン1.6倍である)4)。実際,薬物依存は多様化する傾向にあり,我が国でもコカイン精神病も報告されてきている。薬物依存は社会的にも,医療的にも多くの問題を抱えている。このことを踏まえて今回の特集では,融道男教授(東京医科歯科大)の司会で開かれた東京都精神医学総合研究所シンポジウム「薬物濫用の現況」(1991. 12)を含めて,多様化する薬物依存の今日的課題について編集した。ここでは,薬物依存に関する総論的な背景について述べることにしたい。

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 薬物乱用とそれに関連する問題は,非常に深刻であり,1988年2月に召集された国連総会では特別な会議が開催された。国連事務総長は議題の紹介に当たって「薬物乱用によってもたらされる脅威を過小評価してはならない。薬物乱用に伴う個人的な悲劇,健康に対する重篤な侵襲,社会の破綻,経済の損失,民主主義制度の破壊,腐敗,威嚇,暴力,死などについて議論する予定である」と宣言した。これらの問題の性質や重大性は,社会文化的環境によって世界各国で異なっている。先進工業国であるアメリカやヨーロッパ諸国は最も重大な問題を抱えているが,中東や極東の各国においても中等度から重度の問題となっている。発展途上にあるアフリカの第三世界の国々では,資源が限られ,また社会経済的な困難が山積しているにもかかわらず,やはり薬物乱用の急増という問題に直面している。各国の経験はそれぞれに異なるが,国連の特別総会は,最新でしかも徹底的な対策として「1988年度,麻薬および向精神薬の不法取引の防止に関する国際連合条約(United Nations Convention against Illicit in Narcotic Drugs and Psychotropic Substances)」を全会一致で決議した。

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■はじめに

 我が国の社会が初めて経験した深刻な薬物乱用は,戦後の覚せい剤乱用であった。その後,1957年頃よりheroinが,1960年頃よりmeplobamate,methaqualon,chlordiazepoxideなどの抗不安薬,睡眠薬そして鎮痛薬など各種薬物が乱用され,そのつど社会問題へと発展した。

 1967年頃より有機溶剤乱用が青少年の間に爆発的に流行し始め,1970年頃より覚せい剤が再度我が国の社会で乱用され始めた。そして,覚せい剤と有機溶剤は20年以上にわたり,我が国の主要な乱用薬物として乱用され続け,社会に,精神医療に多大の影響を与えてきた。

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■はじめに

 筆者はまず,我が国における薬物乱用の最近の傾向と薬物乱用防止対策のあり方を示し,その後に薬物乱用者の対応・処遇のあり方について述べ,最後に薬物乱用者対策として早急に取り組まなくてはならない行政的施策についていくつか提案をしたいと思う。

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■はじめに

 薬物の慢性常用による精神身体的変化を慢性中毒と呼ぶことの当否については,現在でも議論の残るところであるが,ここでは,それにこだわらず覚醒剤乱用による病態を「覚醒剤中毒」としておく。

 覚醒剤を代表するメタンフェタミン(methamphetamine)とアンフェタミン(amphetamine)の発見は,1880年代に遡る。前者は,1888年麻黄研究物質第33号として,長井長義博士によって合成された。アンフェタミンはそれに遅れること7年後,Edelemo, L. により合成された7)。薬理作用は交感神経刺激興奮作用が明らかにされて医薬品として用いられるに至ったが,この薬剤がナルコレプシーに有効との報告が出て,1936年頃から商品化された。始めはアンフェタミンの硫酸塩として発売され,次いでメタンフェタミンの塩酸塩のほうが力価が強いことが分かり,ドイツで発売された(ペルビチン)。

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■はじめに

 大麻草(Cannabis Sativa L)がもたらす向精神作用については古くから知られており,数千年の昔から宗教的儀式のためや日常的嗜好品として用いられてきた。現在でもアジア,アフリカ,南北アメリカ,ヨーロッパ,オセアニアなどほとんどの国々に大麻を使用する習慣が広がっており,全世界では数億人が大麻を使用したことがあると推定されており,違法性薬物の中では最も多く使用されているものと考えられる。日本では第二次大戦前は精神的な効果を求めて大麻を使用する習慣はなかったが戦後になってから駐留軍により大麻が持ち込まれ,初期には音楽関係者など限られたグループの中で用いられてきた。しかし近年は海外留学などで大麻使用を経験する者が増えており日本国内でも次第に広い階層に広まっている11)。大麻事犯での検挙件数は1970年代から増加し始め,1988年には1,500人を超えて最近ではほぼ横ばいで推移している。しかし日本では大麻の栽培,所持,販売および使用は大麻取締法により厳しく規制されており,現在のところ大麻の規制が成功している数少ない国の1つであろう。

 大麻の向精神作用を持つ主成分は△9-tetrahydrocannabitol(THC)であるが,産地や製剤の種類により含有量は異なる。また大麻製品は世界各地で様々な名称で呼ばれている。アメリカ圏では乾燥大麻の葉や雌花を刻みこんだものをマリファナ(marijuana)と呼ぶ。インド圏ではガンジャ(ganja),バング(bhang),チャラス(charas)と呼び,この順に純度が高くなる。南アフリカではダッガ(dagga),中近東では大麻樹脂をハッシシ(hashish),有効成分を抽出し液状にしたものはハッシシ・オイル(hashish oil)と呼び高純度のものである。このほかにも多数の名称や俗名が存在するが,本論文では特に断らないかぎり「大麻」または「カンナビス」と呼ぶことにする17)

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■はじめに

 ベンゾジアゼピン(BZ)系薬物は抗不安,催眠,抗けいれん,筋弛緩などの広範で優れた薬理作用と,重篤な副作用が少なく有効量と致死量との差が大きいという安全性から,現在臨床で最も広く用いられている薬物の1つである。我が国では1961年にchlordiazepoxideが,次いで64年にdiazepamが導入され,特に抗不安,睡眠導入薬としては,従来用いられてきたmeprobamate,barbiturateに比べ依存,耐性を形成しにくいとの認識もあって,1960年代末にはこれらの薬物にとって代わり,現在では約30種類ものBZ系薬物が臨床に適用されている。BZ依存については,1961年のchlordiazepoxide依存の症例8)を最初に少数の報告がなされたがこれらはいずれも治療域の数倍という大量服用者に限られ,我が国では早い段階で要指示薬に指定されたこともあり,大きな問題とはならなかった。しかし1970年代末以降海外では常用量服用者の依存症例が多数報告されるようになり1,13,29),我が国でも若干の症例報告のほか,最近ではtriazolam乱用についてのマスコミ報道もある。BZ系薬物が臨床各科で広く,そして多くは長期的に処方されている現状も併せ,その依存に対する安全性は再考の時期に来ていると思われる。以下,最近の基礎,臨床研究を中心にBZ依存について概観する。

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■はじめに

 薬物の乱用,依存は今日世界的に大きな問題となっている。乱用の対象となる薬物は数多くあるが,ここで取り上げる市販液状鎮咳剤は,医師の処方なしに合法的に購入できること,配合剤であることなど,他の薬物乱用とは異なる特徴がある。1980年代に注目された本剤の乱用も,その配合組成の変更が行われ鎮静化に向かいつつあるようだが,ここでもう一度振り返りその臨床的特徴をまとめてみたい。

コカイン精神病 永野 潔
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■はじめに

 薬物乱用は空間的には,地域的なものと広域的なもの,時間的には,一時的あるいは流行的なものと持続的あるいは通時的なものがある。コカイン乱用は今日すでに広域的であり,今後持続的,通時的なものとなることが懸念される。さて,コカイン乱用を歴史的に振り返ると,その乱用は,第1回目は1900年前後,そして第2回目は21世紀を前にした今日,つまり世紀の変わり目を境に,合わせて2回ピークがみられていることに気づく。最初の乱用の中心地はヨーロッパであり,今回は米国である。そして,今日のコカイン乱用は,粗製のフリーベースコカイン,すなわちクラック吸煙が最も代表的なスタイルである。

 コカイン中毒に関する報告も,この時期に一致してみられているが,本稿で解説が求められているコカイン精神病に関するものは,今世紀前後に比較的多くみられている。近年のコカイン乱用に関連した精神医学的研究はコカイン依存に関連したものが多いが,この間に依存性薬物に関する行動薬理学の進歩があることを考えれば当然のことであろう。しかし,クラック乱用の急速な蔓延の結果,コカイン精神病や,他の精神障害との合併に関する報告2,3)が目立ってきたことは気にかかる現象である。この乱用が21世紀まで持ち越されるか,あるいは今世紀中に解決の糸口がつかめるのかどうか,まさに現在が重要な時であろう。

多剤乱用の病態と治療 飯塚 博史
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■はじめに

 多剤乱用に関する問題は,我が国では未だ欧米圏諸国ほどには表面化していない。そのため一般的な認識は必ずしも高くはなく,また,それに関する報告も決して多いとは言えないのが現状である。しかし,異なった薬物を求めながら,しだいに依存が進行してゆく過程において生ずる,精神的,身体的,あるいは社会的障害の重篤さ,治療的介入の困難さ,そして何よりも,多剤乱用という現象が現代社会の中に浸透しつつあるという現状を考慮した時,決して見過ごすことのできない重要な分野であると考えられる。薬物依存症者は一般に多剤乱用の傾向を有するという指摘は数多く認められる20,27,33)が,実際のところ多剤乱用は,薬物依存のある本質的一面を象徴しているようにも見受けられる。

 本稿ではまず多剤乱用の実態について,これまでの報告を紹介し,現状に関する大まかな輪郭を描いてみる。その際,特にアルコール依存症との関連,および乱用パターンの問題に焦点を当ててみたい。次に,実際に医療機関を受診した患者としての多剤乱用者について症例および統計を提示し,簡単に検討を加えてみる。最後に治療的介入,および今後の対策についても言及してみたい。

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■はじめに

 アルコール依存をはじめとする精神活性物質常用障害が,精神分裂病,気分障害,不安障害など他の精神障害と合併することは,日常的な臨床の経験から言っても稀ではない。すでに,Bowman-Jellinek3)の古典的な分類でも,「schizophrenicdrinker」が「症候性飲酒者」の下位類型として位置づけられている。このほか「schizophrenic substance abuser」「schizopaths」「3D patients(drinking,drugging,disturbed)」など,様々な呼称が用いられているが,最近では「dual diagnosis(二重診断例)」として範疇化され,標準的な成書11,12,21)に採用されているので,拙論もこれに従う。

 その場合,長期にわたる精神活性物質の常用によって,稀ならず器質性精神障害(中毒性精神病)が惹起され,とりわけそれが生体内での薬理効果を超えてなお持続する場合,内因性の精神病との鑑別に苦慮する事例が存在し,事態を複雑にしている。dual diagnosis(以下二重診断例とする)に関するLehmanら19)の類型化仮説によると両者の症状が重複して出現する病態として,①一次性精神疾患に薬物乱用を合併した群,②薬物乱用に精神医学的後遺症状が生じた群,③二重(一次性)診断例,④両疾患に共通する成因を持つ状態(例えばホームレス)が挙げられている。ただLehmanらの類型化仮説に従った場合でもなお,「精神症状が真に薬物乱用の後遺症として出現しているのか?」「薬物乱用は精神疾患の結果として把握できるのか?」といった数々の疑問が生じてくる。二重診断例は疾病分類学上のアポリアに位置し,多くの問題をはらんでいるが,紙幅の関係からそれについての前提的議論は省略する。

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■はじめに

 近年の放射線医学の進歩により生きたヒトの脳の形態や機能を調べることが可能となってきている。X線CTやMRIは主に形態学的変化を,そしてポジトロンCT(PET)やシングルフォトン・エミッションCT(SPECT)は機能的変化を調べるのに有用である。薬物依存についてのこれらの手法を用いた研究は,依存症発症機序の解明および乱用による精神毒性または神経毒性の発生機序の解明,またはそれらの毒性の診断を目的に行われている。しかし,依存性薬物の脳への作用は種類や使用量,使用期間によって異なる。さらに,薬物摂取行動に伴う非特異的な作用も脳の形態や機能に影響を与えるので,薬物依存症者を対象とした画像診断の場合,これらの要因について分析する必要がある。そこでまず薬物依存の脳画像に及ぼす要因について考察する(図1)。

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 我が国におけるこの10年ほどの間の覚せい剤の乱用の状況は,戦後すぐの時期ほどではないにしても,規模においてはこれに次ぐ程度であり,第2流行期にあるとされている。検挙者数は減少の傾向にあるものの,依然として乱用薬物の首位にあり,今後もしばらくはこの状態が続くのではないか,と予想されている10)

 この覚せい剤の乱用から生じる覚せい剤精神病は,症状の内容,症状の経過の両面において精神分裂病に類似していることが指摘され,発症,経過にかかわるであろう機構について多くの検討が加えられてきている21,47)。本稿はそういった検討の中でも特に神経化学的な手法による研究を取り上げ2,38,39,42),この方面の研究の最近の動向のあらましを紹介することにしたい。

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■はじめに

 フェンサイクリジン(1-(1-phenylcyclohexyl) piperidine;PCP)は,米国における代表的依存性薬物の1つであり,精神分裂病(以下分裂病と略す)と類似した精神障害を引き起こすといわれる21)。1950年代に麻酔薬として開発されたPCPは,呼吸や循環器系の抑制が少なく,当初は優秀な解離性麻酔薬として期待を集めた。しかし,麻酔からの覚醒時に一過性の精神異常状態が頻繁に出現するため,臨床応用は断念された45)。その後10年あまりの間に,PCPは依存性薬物として知られるようになる。これを象徴するのは,1973年にWashington, DCで起こった出来事であろう。精神衛生センターに,分裂病患者の入院が突然それまでの3倍に達したという報告が入り,詳しい調査が行われたところ,大規模なPCPの乱用の実態が明らかになった34)。幸い我が国では乱用の報告はない。

 しかし,この薬物の社会学的意義以上に注目されなければならないのは,特異な脳内神経伝達機構への作用である。すなわち1982年に,PCPが中枢のN-methyl-D-aspartate(NMDA)型興奮性アミノ酸受容体を強力に遮断することが発見され23),分裂病型の精神異常状態に新しい薬理学的モデルを提供した12,36)。従来は,既存の抗精神病薬の作用に基づいて,脳内のドーパミン(DA)過剰伝達モデル(いわゆるDA仮説)を中心に分裂病症状の研究が行われてきた37)。PCPによる興奮性アミノ酸伝達低下モデルは,これらの研究が抱えていた限界を克服するのに,重要な示唆を与えているように思われる。本稿では,PCPのNMDA受容体レベルにおける作用から,分裂病症状の発現機序と薬物治療の研究の可能性を考えてみたい。

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 【抄録】 入院中の痴呆患者のうちで,俳徊や興奮,せん妄などの様々な異常行動と睡眠障害を呈していた34名について,それらの症状に対する頭部通電による治療効果を二重盲検・交叉法で検討した。頭部通電装置はHESS-100型を使用した。通電は午前10時から20分間とした。対象患者を実通電先行群と偽通電先行群の2群に分け,実通電と偽通電をそれぞれ連日2週間ずつ行った。観察は通電前2週間,通電2週目(実通電または偽通電),通電4週目(前2週間と交叉した偽通電または実通電),終了後2週目とし,全体として8週間にわたり実施した。医師または看護者による個々の患者の観察項目は,睡眠,問題行動,知的精神機能,情緒,神経症状,日常生活動作,脳波などであり,特に睡眠については睡眠時間帯の記録を長期間にわたって行った。効果の判定を「情報量規準」1)を用いたχ2検定によって行ったところ,頭部通電により痴呆老年者の睡眠障害,行動面での自発性,問題行動などに著明な改善効果がみられた。脳波記録の結果より,頭部通電には日中の覚醒レベルを上昇させる効果があると判断された。

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■はじめに

 悪性症候群は,精神科の日常臨床にほぼ定着した。統計報告における症例数の増加と死亡例の減少との対比8)は,悪性症候群への留意と対策が普遍化したことを表している。その一方で,典型的な悪性症候群に当てはまらず位置づけに苦慮する病像をみる機会が多くなっていると思われる。そのような病像を反復した1例を呈示する。

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 ニコチン依存研究会はニコチン(たばこ)依存の本態・実態とそれにまつわるたばこの功罪や対策などを研究し,意見の交換を行うことを目的として発足し,第1回研究会(大原健士郎会長)は1991年4月20日浜松市で開かれた。

 第2回研究会は福井進会長(国立精神・神経センター薬物依存研究部)のもと,1992年4月10日国際交流会館(国立がんセンター内)で開催された。研究会は前回と同様シンポジウム形式で行われた。

基本情報

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精神医学
34巻8号 (1992年8月)
電子版ISSN:1882-126X 印刷版ISSN:0488-1281 医学書院

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