Japanese
English
特集 せん妄をめぐる最近の動向
アルコール離脱せん妄
Delirium Tremens
木村 充
1
Mitsuru Kimura
1
1国立病院機構久里浜医療センター精神科
1Department of Psychiatry, National Hospital Organization, Kurihama Medical and Addiction Center, Yokosuka, Japan
キーワード:
Alcohol withdrawal
,
Delirium tremens
,
Treatment
,
Risk factor
,
Benzodiazepine
Keyword:
Alcohol withdrawal
,
Delirium tremens
,
Treatment
,
Risk factor
,
Benzodiazepine
pp.243-252
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205554
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はじめに
2013年に行われた疫学調査によれば,アルコール依存症疑いの患者は全国に108万人いると推定されている。アルコールはさまざまな身体疾患を引き起こし,また転倒,転落などの事故のリスクも高いため,救急受診につながりやすい。そのため,アルコール離脱はさまざまな科で遭遇することの多い病態である。
アルコール離脱によるせん妄は振戦せん妄とも呼ばれ,アルコール離脱てんかんと並んでアルコール離脱の最も重症な形態である。振戦せん妄は,救急医療や集中治療室での対応困難を引き起こすだけではなく,致死的となる可能性もあるため,的確な診断とマネジメントの必要性は高い。本稿では,アルコール離脱せん妄の病態,治療についての概要を述べたい。
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