Japanese
English
特集 薬物依存の臨床
薬物に依存する心と脳
Brain and Mind of Drug Dependent Individuals
内村 英幸
1
,
橋本 喜次郎
1
Hideyuki Uchimura
1
,
Kijiro Hashimoto
1
1国立肥前療養所
1Hizen National Mental Hospital
キーワード:
Brain
,
Mind
,
Drug
Keyword:
Brain
,
Mind
,
Drug
pp.802-805
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903286
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■はじめに
1990年度版犯罪白書の中で,「享楽的な社会風潮が薬物に対する警戒心を薄れさせ,薬物の刺激を求める人々の安易な興味の対象となっており,他方,最近においては,覚醒剤以外にも,ヘロイン,コカイン,LSDおよび大麻などの多様な薬物が乱用される傾向がある」と提起されている(1990年度で押収量は前年度比のコカイン64.1倍,大麻2.3倍,LSD2.3倍,ヘロイン1.6倍である)4)。実際,薬物依存は多様化する傾向にあり,我が国でもコカイン精神病も報告されてきている。薬物依存は社会的にも,医療的にも多くの問題を抱えている。このことを踏まえて今回の特集では,融道男教授(東京医科歯科大)の司会で開かれた東京都精神医学総合研究所シンポジウム「薬物濫用の現況」(1991. 12)を含めて,多様化する薬物依存の今日的課題について編集した。ここでは,薬物依存に関する総論的な背景について述べることにしたい。
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