Japanese
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特集 薬物依存の臨床
世界各国における精神作用薬乱用の現況とその予防
Abuse of Psychoactive Substances: A Major International Problem; trends and preventive measures
O. O. Ogunremi
1,2,3
,
諸治 隆嗣
4
1イロリン大学精神医学教室
2世界保健機関:精神保健,薬物およびアルコール依存に関する専門家による諮問委員会
3(財)東京都精神医学総合研究所精神薬理部門
4都精神研
1Department of Behavioural Science Faculty of Health Sciences, University of Ilorin
2The World Health Organization Expert Advisary Panel on Mental Health, Drugs and Alcohol Dependency, Visiting Scientist
3Department of Psycopharmacology, Tokyo Institute of Psychiatry
キーワード:
Psychoactive substances
,
Abuse
,
International problem
Keyword:
Psychoactive substances
,
Abuse
,
International problem
pp.807-814
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903287
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薬物乱用とそれに関連する問題は,非常に深刻であり,1988年2月に召集された国連総会では特別な会議が開催された。国連事務総長は議題の紹介に当たって「薬物乱用によってもたらされる脅威を過小評価してはならない。薬物乱用に伴う個人的な悲劇,健康に対する重篤な侵襲,社会の破綻,経済の損失,民主主義制度の破壊,腐敗,威嚇,暴力,死などについて議論する予定である」と宣言した。これらの問題の性質や重大性は,社会文化的環境によって世界各国で異なっている。先進工業国であるアメリカやヨーロッパ諸国は最も重大な問題を抱えているが,中東や極東の各国においても中等度から重度の問題となっている。発展途上にあるアフリカの第三世界の国々では,資源が限られ,また社会経済的な困難が山積しているにもかかわらず,やはり薬物乱用の急増という問題に直面している。各国の経験はそれぞれに異なるが,国連の特別総会は,最新でしかも徹底的な対策として「1988年度,麻薬および向精神薬の不法取引の防止に関する国際連合条約(United Nations Convention against Illicit in Narcotic Drugs and Psychotropic Substances)」を全会一致で決議した。
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