Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
高次脳機能障害の気づきと病識
Awareness in Acquired Brain Injury
船山 道隆
1
Michitaka Funayama
1
1足利赤十字病院神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Ashikaga Red Cross Hospital, Tochigi, Japan
キーワード:
気づき
,
awareness
,
病識失認
,
anosognosia
,
片麻痺
,
hemiplegia
,
右半球
,
right hemisphere
,
失語症
,
aphasia
Keyword:
気づき
,
awareness
,
病識失認
,
anosognosia
,
片麻痺
,
hemiplegia
,
右半球
,
right hemisphere
,
失語症
,
aphasia
pp.816-821
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207313
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抄録
脳血管障害や外傷性脳損傷などの後天性脳損傷によって生じる高次脳機能障害は,発達障害や変性疾患などの精神疾患と同様に,自らの状態に気づくことが困難であり,病識を欠くことが多い。高次脳機能障害のうち特に,片麻痺,重度の感覚性失語,視覚認知(皮質盲,半盲,半側空間無視)において病識との関連が議論されてきた。多くの場合は脳損傷直後の急性期にこれらの機能の低下に対する気づきや病識も欠如しやすいが,回復とともに改善することが多い。しかし,慢性期においても,これらの機能の低下に無関心な状態は続くことがある。高次脳機能障害のリハビリテーションで気づきや病識の獲得は最も重要な過程となる。回復過程に注目すると,それぞれの認知機能の障害に起因する生活上の困難さや失敗の体験をきっかけとして,あるいは第三者の視点を通して客観的に見ることによって,気づきや病識が改善する場合がある。
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