Japanese
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特集 薬物依存の臨床
ベンゾジアゼピン系薬物依存
Benzodiazepine Dependence
藤堂 直之
1
Naoyuki Todo
1
1京都大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
Benzodiazepine dependence
,
Benzodiazepine-GABA-ionophore complex
,
Dependence liability
,
Withdrawal syndrome
Keyword:
Benzodiazepine dependence
,
Benzodiazepine-GABA-ionophore complex
,
Dependence liability
,
Withdrawal syndrome
pp.843-847
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903292
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■はじめに
ベンゾジアゼピン(BZ)系薬物は抗不安,催眠,抗けいれん,筋弛緩などの広範で優れた薬理作用と,重篤な副作用が少なく有効量と致死量との差が大きいという安全性から,現在臨床で最も広く用いられている薬物の1つである。我が国では1961年にchlordiazepoxideが,次いで64年にdiazepamが導入され,特に抗不安,睡眠導入薬としては,従来用いられてきたmeprobamate,barbiturateに比べ依存,耐性を形成しにくいとの認識もあって,1960年代末にはこれらの薬物にとって代わり,現在では約30種類ものBZ系薬物が臨床に適用されている。BZ依存については,1961年のchlordiazepoxide依存の症例8)を最初に少数の報告がなされたがこれらはいずれも治療域の数倍という大量服用者に限られ,我が国では早い段階で要指示薬に指定されたこともあり,大きな問題とはならなかった。しかし1970年代末以降海外では常用量服用者の依存症例が多数報告されるようになり1,13,29),我が国でも若干の症例報告のほか,最近ではtriazolam乱用についてのマスコミ報道もある。BZ系薬物が臨床各科で広く,そして多くは長期的に処方されている現状も併せ,その依存に対する安全性は再考の時期に来ていると思われる。以下,最近の基礎,臨床研究を中心にBZ依存について概観する。
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