臨床婦人科産科 71巻10号 (2017年10月)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

最新の副作用対策

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●制吐剤はレジメンの催吐リスクに応じて選択する.初回はガイドラインに準拠する.

●コントロール不良時は1段階上位の制吐療法を行うか,作用時間の長い第2世代の5HT3受容体拮抗薬や,その他作用機序が異なる薬剤を検討する.オランザピンは慎重に使用する.

●中等度以上の催吐リスクレジメンでday 2以降のデキサメタゾンを省略できる可能性がある.

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●発熱性好中球減少の定義は,①1回の腋窩温が37.5℃以上または口腔内温が38℃以上で,②好中球数1,000μL未満で500/μL未満に減少すると予測される場合である.

●発熱性好中球減少に際しては全身状態確認,必要な検査を施行後,速やかに(60分以内)広域抗菌薬を開始すべきである.

●発熱性好中球減少後の対応としては,抗がん剤の減量,G-CSFの2次予防としての使用,予防的抗菌薬投与がある.治療目的により使い分ける必要がある.

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●有害事象の評価にはCTCAEを使用する.

●抗がん剤治療を継続するためには,減量や延期などの調整が必要となる.

●治癒目的の治療であるか,緩和/延命目的の治療であるかによって,調整の基準が異なる.

●治療レジメンの根拠となる臨床試験を意識することが大切である.

卵巣がん

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BRCA変異陽性のプラチナ感受性再発卵巣がんを対象にオラパリブ維持療法の有効性を示したSOLO2の結果を受け,オラパリブは医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請が行われている.

●最近の臨床試験では,相同組換え修復異常(homologous recombination deficiency : HRD)を示す腫瘍に対して対象が拡大されている.

●ルカパリブ維持療法の有効性を示したARIEL3の結果では,BRCA変異とHRDのステータスに関係なく,プラチナ感受性再発症例に有効性が示唆されている.

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●近年の腫瘍免疫研究の発展により,がん微小環境における「免疫逃避機構」の存在が明らかになってきた.PD-1/PD-L1経路もその1つである.

●われわれはプラチナ耐性再発卵巣がんに対し,抗PD-1抗体ニボルマブを用いた医師主導第二相治験を行い,その有効性と安全性を報告した.

●ニボルマブを含む免疫チェックポイント阻害薬は,これまでの治療と異なる作用機序であるため,自己免疫疾患に類似した特有の副作用があることに注意が必要である.

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●胚細胞腫瘍は総じて進展が早いため,治療自体の開始だけでなく化学療法についても術後可及的速やかに開始するように努める.

●化学療法の第一選択はBEP療法であり,投与量・投与スケジュール・薬剤の種類を厳守して施行する.

●二次化学療法以降については,卵巣よりも症例数の多い精巣悪性胚細胞腫瘍に対する治療を主に参考にして治療方針の決定を行う.

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●進行・再発子宮頸がんに対する化学療法は,殺細胞性抗がん剤の2剤併用から,殺細胞性抗がん剤2剤+分子標的治療薬へと変化しつつある.

●ベバシズマブの有効性が証明され,保険診療下のベバシズマブ併用が可能となった現在も,化学療法の位置づけは,あくまで「延命およびQOLの改善」である.

●重篤な有害事象(血栓塞栓症・消化管穿孔・瘻孔)が報告されているため,ベバシズマブの使用を考慮する際には,慎重な症例選択と十分なインフォームド・コンセントが必要である.

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●子宮頸がんで推奨される術後補助療法は,高リスク群に対して同時化学放射線療法(CCRT),中リスク群には放射線療法でリスク因子の数・程度によってはCCRTも考慮することになっており,化学療法単独治療は推奨されていない.

●子宮頸がん術後の補助化学療法の有用性は確立していないが,治癒が期待できる早期子宮頸がんにおいては,治療効果があり,長期の有害事象が少ない化学療法の適応は十分に検討されていくべきであろう.

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●子宮体がん術後補助化学療法については,再発高リスク群に対する有効性は明らかであるが,再発中リスク群に対するエビデンスはまだ不十分である.

●補助化学療法のレジメンはAP療法が標準とされてきたが,近年TC療法を中心としたタキサン+プラチナ併用療法にシフトしつつある.

●再発リスク分類や補助療法の適応については現時点で画一化されたものはなく,海外のエビデンスの適用にあたっては治療背景の違いに留意する必要がある.

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●まずは初回治療時に再発をさせないための最善の手術療法と有効な補助化学療法を行う.

●再発時の治療法は集学的治療である(手術療法+化学療法+放射線治療).

●子宮体がん治療の展望(新規抗がん薬,ホルモン薬,分子標的治療薬および免疫療法).

子宮肉腫に対する化学療法 高野 忠夫
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●単剤化学療法と併用化学療法の臨床試験では,中等度の有効性を示す結果が得られている.

●初回補助化学療法のオプションとしては,ドキソルビシン単剤療法およびゲムシタビンとドセタキセルの併用療法(DG療法)が奨められる.

●パゾパニブ,トラベクテジン,エリブリンは,LMS治療の新たなオプションになる可能性がある.

●今後,LMSの分子学的特徴が明らかになり,新たなターゲットに対する治療戦略が開発されることが期待される.

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール

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症例

▶患者

 44歳,1経妊1経産.

▶主訴

 過多月経・貧血,月経困難症.

▶既往歴

 帝王切開術.

連載 Obstetric News

緊急避妊2017年 武久 徹
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 計画しない妊娠が米国では進行中の健康問題である.計画しない妊娠率は,何年にもわたって全妊娠の約50%を占めている.しかし,2011年のデータでは,計画外の妊娠率は45%に減少している.この減少は30年間で最も著明な変化である.この減少を説明できると思われるいくつかの因子があるが,長期間作用型可逆的避妊,特にIUD(子宮内避妊器具)が最も重要な因子であるかもしれない.

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基本情報

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臨床婦人科産科
71巻10号 (2017年10月)
電子版ISSN:1882-1294 印刷版ISSN:0386-9865 医学書院

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