総合リハビリテーション 11巻5号 (1983年5月発行)

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特集　リハビリテーションとスポーツ

身体障害者スポーツの現状藤原　進一郎 11巻5号 , 1983年5月 , pp.339-343

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はじめに

　身体障害者のスポーツに対する見方や考え方は，それぞれ係わりあう立場の相違でかなり異なっているように思う．例えば，選手の健康管理についての考え方にしても，「選手自身の問題であるから指導はしても判断は自分でするべきだ」とする考え方もあれば，選手を引率する立場に立てば，「健康管理の不充分な者は早目に選手からはずしてしまう」立場もあり得る．また，脳性麻痺者の平泳ぎで，いくら努力しても泳法違反となる場合に「脳性麻痺という障害を考えて認めるべきだ」とする考え方と，誰でもすべての運動ができるとはいえないから，「できない場合は当然失格だ」とする考え方もある．

　今回の特集は，いろいろな立場からのご意見が述べられるはずであるから，在宅の身体障害者が主たる対象となる施設に勤務し，また，(財)日本身体障害者スポーツ協会の技術委会の一員として，主として競技スポーツなどにも携わる立場から，身体障害者のスポーツについての現状を述べることにする．

リハビリテーションとスポーツ医学中嶋　寛之 11巻5号 , 1983年5月 , pp.345-350

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はじめに

　近年スポーツは益々盛んとなり，スポーツ人口も一昔前の競技選手中心の時代とうって変り，ジョガー・ママさんバレー・女性のテニスプレイヤーまた子供のスポーツクラブ員などその層が広がりつつある．

　このように一般市民がスポーツを楽しみ，健康維持と体力増強に努めることは医学的にも好ましいことではあるが，スポーツ人口の増加とともにスポーツによる事故もまぬがれないのが現状である．

　したがって外傷が生じたらできるだけ早い時期，障害を訴えたらできるだけ軽い時期に適切な治療を施し，復帰までの期間を短縮することが望ましく，それにはリハビリテーションが欠かせないものとなる．

　一般にリハビリテーション医学の分野では残存機能を生かす，あるいはひき出すことにより日常生活を全うさせるように努力される．

　しかしスポーツの分野では日常生活はもとより，そのスポーツに必要な極限までの体力が要求され，なおかつ試合に間に合わせるなど体力的にも期間的にもより難かしい問題が含まれてくる．

　すなわち外傷・障害後，日常生活に復帰するまでのいわゆるmedical rehabilitationと，スポーツに復帰するまでのathletic rehabilitationという二段階のものを考えなければならない．

　これらの効果をあげるためには初期治療としての救急処置，テーピングの技術，トレーニングの知識などは不可欠のものである．

リハビリテーションにおけるスポーツ処方初山　泰弘 , 水田　賢二 , 金田　安正 , 加藤　博志 11巻5号 , 1983年5月 , pp.351-356

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はじめに

　リハビリテーションの中で行われるスポーツには，機能訓練的な要素の部分とリクレーション的要素を含んだ部分とがある．

　機能訓練的色合いの濃いスポーツは治療体育（remedial gymnastic）として，医師，訓練士，スポーツ指導員などの指示管理の下で病院やリハビリテーション施設内で行われることが多く，リクレーション的要素の強いスポーツはリハビリテーション施設なり障害者が社会に戻った地域でクラブ活動として行われることが多い．

　「処方」という表現については薬と同様に医師の責任が明記されるという点からみると，治療体育的色合いの濃いスポーツでは妥当と考えても，市民スポーツ的色彩の濃い部門にまで「処方」するかどうか問題が残される．

　最近は社会復帰した障害者が，勤務後や休日に集まって訓練をする機会が増えてきている．しかしこの多くの者は相談相手となる医師なりコーチを持っており，折りにふれて指示を受けている．

　昭和55年（1980年）に実施された身体障害者の実態調査の結果は，在宅身体障害の74％の者が一年間に1回は医療機関を訪れ，26％の者は一年に30日以上の通院を必要としたことを示している．

　また身体障害者スポーツ競技大会は，出場者の障害の種類，程度によって出場種目が分けられているが，この障害の認定も現在医師が行っている．

　このような点を考慮に入れるとリハビリテーションの分野で行われるスポーツには何らかの形で医学的な管理なり協力が必要である．

　最近一般市民の間で体力増強について運動処方という言葉が使用されるようになってきたが，リハビリテーションの分野でスポーツ処方という表現はまだ少なく，身体障害者スポーツの先駆者である故グットマン卿の著書「障害者スポーツ」の中にも処方に関する記述は認められない．

　この項では一般に用いられている運動処方を参考に，リハビリテーションにおけるスポーツ処方の意義と問題点について触れてみたい．

車いす運動の運動強度と全身持久性トレーニング効果芳賀　脩光 11巻5号 , 1983年5月 , pp.357-361

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はじめに

　目的：脊椎損傷や頸髄損傷，あるいはポリオ等様々な原因によって車いすを利用せざるを得ない身体障害者においては，日常の健康維持をはかるためにも，運動をとり入れることは極めて重要なことと思われる．こうした場合の他に，体力向上をはかる場合や競技者としてスポーツ活動を行う場合，車いすによる運動時の呼吸循環機能にどのような反応を生じるのか，また，長期にわたるトレーニングを行った結果，どのような効果が観察されるかについて体力科学，運動生理学の立場から検討することを目的とした．

　そこで本研究では次に示すごとく，Ⅰ．車いす運動の運動強度について，Ⅱ．車いす運動による全身持久的トレーニング効果の検討，Ⅲ．車いすバスケットボール練習時の呼吸循環機能の3つの観点から検索した．

リハビリテーションにおけるスポーツと今後の課題畑田　和男 11巻5号 , 1983年5月 , pp.363-367

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はじめに

　リハビリテーションの目的は改めて言うまでもなく，経済的，社会的に自立を得て，社会活動に参加することにあり，医学的，心理的，社会的に総合的リハビリテーションを行うことにより目標達成を図ることになるが，現在の厳しい低成長経済時代においては，社会で職業を得ることは障害者にとって極めて困難である．昭和54年，身体障害者の雇用法により幾分なりとも障害者の社会復帰率が向上したが，未だ不充分である．表1に示す労働省職業安定局の調査によると，不就労中の障害者は約130万人であるが，その不就労の理由は障害が重度のため，病気のため，高齢のため，3つの項目で全体の約80％，約106万人が仕事についていないことがわかる．このことは意欲の問題も含めて，体力的な自信のなさと考えられる．近年我が国の平均寿命の伸びは著しく，世界の1，2位の長寿国となった．また，障害者も医学の進歩にともない寿命が長くなっていることも事実である．産業事故，交通事故による重度外傷患者も救急救命医学の発達により生存率が高くなったが，反面重度の身障が出来ることも事実である．したがって健常者および身障者の長寿になったための老化現象，成人病が大きな社会問題になってきた．老化あるいは成人病が大きな社会問題になってきた．老化あるいは成人病が，障害者にどのようなかかわりを持つかは，医学的にも未解決な面も多く，とりあえず一般健常者の老化，成人病の予防と同じ立場で障害者の予防対策に取り組まねばならない．この点からいって，職に就くということは当然老化予防の必須の要因であるが，そういった予防対策としてのスポーツを含め，リハビリテーションと身障スポーツのかかわりについて考えてみたい．

ヨーロッパにおけるリハビリテーションとスポーツの現状矢部　京之助 , 指宿　忠昭 11巻5号 , 1983年5月 , pp.369-372

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はじめに

　ヨーロッパ内で1976年から1979年の4年間に発表されたスポーツ関係の論文は544題に達し，そのうち18題（3.3％）が障害者スポーツに関する内容である¹⁾．国別に発表数をみると，フランス5題，ドイツ，イギリス各4題，ベルギー3題，オーストリー，スイス各1題である．この論文からも各国研究者の障害者スポーツに対する関心，理解のほどをうかがい知ることができよう．

　さて標題のヨーロッパにおけるリハビリテーションとスポーツの現状であるが，ヨーロッパ諸国のリハビリテーション・障害者福祉については，二木・上田⁹⁾（1978，1979）による詳細な一連の報告がなされているので参考にされたい．またヨーロッパにおける身体障害者スポーツ（以下，身障者スポーツ）については，1962年以来，国際ストークマンデビル競技会（ISMG）に参加した経緯などからも，主にイギリス，ドイツ等が中村^7，8)（1964，1975），増田⁴⁾（1964）によって報告されている．世界の主な国については朝日新聞¹⁾（1964），山下¹³⁾（1980），その他の国についてもいくつかの報告^3，6)がある．

　したがって，ここではフランス，ドイツ，イギリスを中心にヨーロッパ諸国の身障者スポーツの状況を述べることにする．

巻頭言

思うこと萱場　倫夫 11巻5号 , 1983年5月 , pp.337

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　わが国にリハビリテーション医学会が設立されてから，二十年の年月が経過し，リハ専門医，認定医の制度も発足し，社会一般のリハに対する認識もほぼ定着した感がある．

　今から約25年前脳卒中片麻痺のリハに関する仕事を開始した頃は，40～50歳台の働きざかりで発症する高血圧性脳出血例が圧倒的に多く，本人ばかりでなく，家族もまた経済的困難におちいった例を数多くみてきている．その当時は未だ理学療法士，作業療法士などの制度もなく，マッサージ師，看護婦などとともに，リハの実施にあたってきたことを思うと今昔の感にたえない．

研究と報告

進行性筋ジストロフィー症とDuchenne型（217例）ADLとStageの推移野々垣　嘉男 , 野崎　正幸 , 榊原　弘喜 , 桑原　英明 11巻5号 , 1983年5月 , pp.373-378

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はじめに

　進行性筋ジストロフィー症（Progressive muscular dystrophy以下PMDと略す）は，1884年¹⁾Wilhelm Erbによって単一疾患として命名されて以来，遺伝学，病理学，生化学，臨床医学，リハビリテーション等の見地から病因の探求と治療法に多大な努力が払われている難病疾患である．

　PMDの有病率はHouston²⁾によれば人口10万に4人という．またWalton & Nattrass³⁾のPMD病型分類・比率によれば，Duchenne型80％，肢帯型15％，顔面肩甲上腕型3％と述べている．PMDの多くを占めるDuchenne型は悲観的な予後を辿ると多くの諸家が述べている．

　Rusk⁴⁾はリハビリテーションの観点から，常にその時点のADLを最大の効率と機能保持に務めることが重要であると述べている．

　従ってPMDの経過時におけるADL能力の推移を知ることは重要である．すでにADLに関する報告はBecker-Sjovall⁵⁾，Price⁵⁾，Walton³⁾，Dubowitz⁶⁾，小林⁷⁾，清原⁸⁾等の数多く見られる．我々も昭和41年より昭和56年の15年間にPMD，Duchenne型217例の運動動作能力の経過を追跡する機会を得たので，その結果と多少の考察と加え報告する．

症例報告

Pelizaeus-Merzbacher病の1家系例大橋　光伸 , 石黒　千代子 , 三輪　茂樹 , 安井　厚 11巻5号 , 1983年5月 , pp.379-383

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はじめに

　Pelizaeus-Merzbacher病は，Pelizaeus⁶⁾，Merzbacher⁵⁾の報告以来，数10例を数えるが，本邦での報告は極めて少なく，4例のみで，そのいずれもが剖検例で，かつ散発例である．

　我々は従来，混合型脳性麻痺と診断されていた兄弟を含め，臨床遺伝学的にみて，古典型Pelizaeus-Merzbacher病と考えられる1家系3症例に遭遇したので，若干の文献的考察を加えて報告する．

講座　CT（5）

脳血管障害のCT像竹谷　虎雄 11巻5号 , 1983年5月 , pp.385-393

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はじめに

　1972年，英国のEMI社が始めてCTスキャナーを市場に出して以来，その普及発達は目覚ましいものがあり，我が国においても，1975年，東京女子医大に設置された第一号機を皮切りに増加の一途をたどって，現在既に約2,000台が稼動中であるといわれている．

　CTに関する臨床面での本格的な論文もEMI-scanner発明者G.N. Hounsfieldの協力者であるJ. Ambroseの論文¹⁾を始めとして，PaxtonおよびAmbrose²⁾，Newら³⁾，Scottら⁴⁾，Bakerら⁵⁾，喜多村ら⁶⁾のそれと続き，現在ではCT装置の普及に伴って，文字どおり枚挙にいとまがない程の数に達しており，その結果，臨床的評価がほぼ確立して，CTは今日，神経学の臨床上必要欠くベからざる手段となっているのである．

　本稿ではこのCTの広範な適用範囲のうちから，各種の脳血管障害について自験例を提示しつつ解説を加えて行く．

講座　上肢の機能解剖（2）

上肢の解剖と運動学―（2）肘・手・手指石神　重信 11巻5号 , 1983年5月 , pp.395-401

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　Ⅰ．肘関節

　上肢の目的物に手をはこぶ役割に，肘関節は，上肢長を調節する重要な機能をもつ．

　肘関節は，上腕骨，尺骨，橈骨からなり，腕尺関節（humero-ulnar joint），腕橈関節（humero-radial joint）および上橈尺関節（superior radio-ulnar joint）を構成する．

ひと

「重症心身障害児の療育と福祉に尽した功績」で昭和57年度朝日社会福祉賞を受賞された　江草安彦（えぐさ・やすひこ）氏末光　茂 11巻5号 , 1983年5月 , pp.402

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　昭和25年，岡山医科大学を卒業，小児科学教室で小児の神経疾患の臨床研究にとりくんだことをきっかけに，その後30余年にわたり未開拓だった障害児者の医療福祉の充実のために活躍してきた．

　昭和32年，総合施設「旭川荘」設立に参画し，精神薄弱児施設旭川学園園長，昭和42年，重症心身障害児施設旭川児童院院長となり現在に至る．その間，はやくから精神薄弱児の作業療法，重度障害児のリハビリテーションのための総合的な療育体制づくり，さらには地域福祉，療育計画の策定など，基礎研究と臨床研究を結びつけた，独創的かつ先駆的な研究，実践を重ね，成果を多くの著書や論文にあらわしてきた．これら学際的研究とともに，アジア各国の障害者施設職員の養成への援助を続けており，国際的視野に立った活躍が今後ますます期待されている．

一頁講座　スプリント・5

材料・加工法（4）金属・その他土肥　信之 11巻5号 , 1983年5月 , pp.403

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　1．金属

　①鋼（Steel）：鋼（炭素鋼，carbon steel）は，いわゆる“はがね”と呼ばれている金属で，昔から最もよく用いられている素材である．鉱石を溶鉱炉で溶解し銑鉄がつくられる．これに炭素，マンガンなどを配合してつくられる．鋼は炭素含有量が少ないほど柔かく，装具材料に用いられるブリキなどでは0.07～0.13％の炭素を含む．アウトリガーにつかうバネ，ピアノ線では0.65～0.95％の含有量をもつ．鋼は柔かいものであれば，たたいて自由な型にすることができ，修正も容易である．また焼入れ，焼きもどしなどの熱処理を行うことにより使用状態に適した硬さとすることができる．

　鉄合金は汗などによる錆の問題があるので，メッキ，塩化ビニールコーティングなどが行われる．

印象記

第6回リハビリテーション交流セミナー緒方　甫 11巻5号 , 1983年5月 , pp.406-407

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　第6回リハビリテーション交流セミナーは九州大学名誉教授・天児民和先生を委員長として，昭和57年12月4・5日の両日，福岡市において開催された．

　このセミナーは我が国のリハビリテーションをささえる多くの専門分野の人々と，直接，広く情報を交換し，リハビリテーション事業を発展させるための場として，東京の専門家有志ボランティアの実行委員会によって試みられたものである．回を重ね，過去5回は全て，東京都において開催されてきた．今回は総理府障害者対策推進本部をはじめ，関係省庁や地元の自治体の後援を得て，福岡県内の有志実行委員会の企画により，東京以外の都市にて，初めて開催されるので，その成功が危惧されたが，600余名の参会者があり，その評価も高く，成功裡に終了し，一実行委員としても喜びにたえない．

書評

―J.B. de Quirós他著　鷲田孝保・他訳（国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院）―学習障害児のリハビリテーション本田　哲三 11巻5号 , 1983年5月 , pp.393

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　現在のリハビリテーション医療において，学習障害児（Leaning disabilities）への治療は未だ有効な方法論の確立していない分野の一つである．

　従来の小児神経学中心のアプローチは，重篤な脳障害の診断は可能であっても「繊細な」（minimal）障害の評価には必ずしも有用ではなかった．

―Herman L. Kamenetz編―Dictionary of Rehabilitation Medicine 大川　嗣雄 11巻5号 , 1983年5月 , pp.405

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　あなたはAlexander exercise，Feldenkrais exercise，The Rolfing，あるいはStructural integration，のうちいくつ答えられますか？

　これらの全てに“Dictionary of Rehabilitation Medicineが解答してくれます．

―上田　敏監修（東京大学）　森　亨・他執筆（結核予防会研究所付属病院）―カード式　在宅脳卒中のリハビリテーション谷岡　淳 11巻5号 , 1983年5月 , pp.413

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　本書を一読して感じることは，過去10数年自分自身が行ってきた病院外での患者の指導について，自信を与えてくれる面と，在宅脳卒中患者のリハビリテーションのあり方を再考させられる面が，交錯することである．

　監修の上田先生が述べられているように，地域リハビリテーションの基本技術を基準化するのにはどのようにするべきか，それが基準化されたものが，患者本人や家族にどのように実践の段階にまで浸透させていくか，保健婦を中心と考える地域リハビリテーションの現状は，あまりにも限られた専門職に負担がかかりすぎてはいないだろうか．

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文献抄録 11巻5号 , 1983年5月 , pp.409-413

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編集後記千野　直一 11巻5号 , 1983年5月 , pp.414

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　かねてより，リハビリテーションとスポーツの関係に興味をもっていた筆者として，今回それが「特集」としてとりあげられ時宜にかなったものと考えている．

　藤原氏は体育学の立場から障害者の社会復帰後を中心としたスポーツの利用の実態を総括し，また芳賀氏は身障者の足ともいえる車椅子のトレーニングについて，やはり同じ専門分野の立場から最近のデータを提示して下さった．一方，中嶋氏は長年にわたるスポーツ整形外科の経験から具体的な症例と治療方針をのべられ，medicalとathleticの二面からスポーツ医学をとらえるべきことを解説して下さり，初山氏他は「スポーツ処方」の体系化の必要性を説かれた．

基本情報

総合リハビリテーション
11巻5号
(1983年5月発行)

電子版ISSN：1882-1340 印刷版ISSN：0386-9822 医学書院

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投稿規定

総合リハビリテーション 11巻5号 (1983年5月発行)

特集 リハビリテーションとスポーツ

巻頭言

研究と報告

症例報告

講座 CT（5）

講座 上肢の機能解剖（2）

ひと

一頁講座 スプリント・5

印象記

書評

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基本情報

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講座　CT（5）

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