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特集 介護ロボットの開発と普及
製品開発—見守りロボット(眠りSCAN®)の経験から
Product development-experience with the development and dissemination of the care robot “NEMURI SCAN”
木暮 貴政
1
Takamasa Kogure
1
1パラマウントベッド株式会社パラマウントベッド睡眠研究所
1Paramount Bed Sleep Research Laboratory, PARAMOUNT BED CO., LTD., Tokyo, Japan
キーワード:
介護ロボット
,
見守り
,
睡眠
,
シート型体振動計
Keyword:
介護ロボット
,
見守り
,
睡眠
,
シート型体振動計
pp.229-235
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201578
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はじめに
2012年に8.4兆円であった介護に係る社会保障費は2025年に19.8兆円まで増大し1),介護職員は38万人不足する2)という厚生労働省の推計を背景として,持続的な財政と社会保障システムの維持のために介護需要増加の抑制と労働環境改善を含む介護サービスの効率化に資する介護ロボットの開発と普及が求められている3).また,産業育成の観点から,経済産業省は介護ロボットの国内市場規模を約500億円に拡大することを目標としている.厚生労働省と経済産業省は介護ロボットの開発と普及を促すために支援事業を実施しており,重点的に開発をすすめる分野として6分野13項目を策定している.厚生労働省による導入効果実証研究では,市販されている移乗支援ロボット5種類と見守りロボット7種類を対象として効果検証が実施され,見守りロボットの導入により夜勤帯の業務が効率化される結果が報告されている4).そして,2018年度介護報酬改定により,一定数以上の見守り機器を導入しているなどの条件を満たすことで夜勤職員配置加算の条件が緩和された.
こうした背景などから,介護ロボットの中でも見守りロボットは最も普及が速いと期待されており,近年多くの機器が市販されている.本稿では,前述の厚生労働省の導入効果実証研究の対象となった見守りロボットの1つで筆者がその開発と普及に長年携わっているシート型体振動計(商品名:眠りSCAN®)について,その経験と今後の展望を解説する.
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