公衆衛生 77巻11号 (2013年11月)

特集 院内感染対策

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 平成22(2010)年9月に,大学病院から多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRA)のアウトブレイクの報告が保健所にあり,国内ではそれまで報告例の少ない多剤耐性菌による集団感染であったことや広範囲な感染拡大傾向がみられていたことなどから,報道でも大きく取り上げられました.また,当時,国の通知により,院内感染発生を疑う事例がある場合には保健所などへの報告が求められていたこともあり,病院から保健所への報告が遅延したこともクローズアップされました.同時に,MDRAアウトブレイクに対し,保健所から病院側に有益な支援がなされるのかなど,その報告意義についても議論がなされた経緯があります.

 その後,MDRAによる感染症が感染症法上の定点届出対象疾患に規定され,制度面における整備強化もなされました.しかし,近年,散見されているMDRAなど多剤耐性菌による院内感染事例では,保健所が今まで扱ってきたノロウイルス,インフルエンザ,結核などのアウトブレイクで培った技術に加え,菌種に応じた新たな対応が必要とされ,保健所における技術面の強化が課題となっています.

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はじめに

 院内感染を引き起こす微生物にはさまざまなものがあるが,現在欧米を中心に抗菌薬治療が困難な多剤耐性菌の拡散に警鐘が鳴らされている.わが国でも今後そうした多剤耐性菌の増加が懸念される.本稿では,薬剤耐性菌サーベイランスの意義とそれに基づいた感染対策の概要を解説し,医療機関間および行政と医療機関間の連携のあり方についても述べたい.

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医療法が定める病院の院内感染対策

 院内感染対策の強化を図るために,厚生労働省は2005年に「院内感染対策中央会議」を設置した.また,同年に出した通知「医療施設における院内感染の防止について」1)において,標準予防策や感染経路別予防策,手洗いおよび手指消毒などについて定めた.

 2007年には「医療法」が改正され,第6条の10において,病院などの管理者は,「医療の安全を確保するための指針の策定,従業者に対する研修の実施,その他の当該病院,診療所又は助産所における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない」と定められた.この文における医療の安全確保には院内感染対策も含むものとされ,病院の院内感染対策が「医療法」上に明確に位置づけられることとなった.

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院内感染対策を実施していくための組織・体制

 多種多様な部門が,統一された基準で実践的な院内感染対策を行っていくためには,組織的な活動と,活動を実践していくのに必要な体制を整備することが重要である.感染管理担当者個人の努力のみでは十分な院内感染対策を行っていくことは難しく,全病院的に効率よく感染をコントロールするためには,担当の医師,看護師,薬剤師,検査技師,事務職員がチームで活動し,その活動内容が,病院幹部に理解され,各部署に伝達され,実施されていかなければならないからである.

 病院内で感染のコントロールを行っていく部署は,感染対策室,感染制御部(科)などさまざまな名称で呼ばれているが,その機能としては,大きく2つに分けられると思われる.すなわち,感染対策と感染症診療支援の2つである.この2つの機能は,感染制御のための車の両輪と考えられるが,施設によって院内感染対策は感染対策室,感染症診療支援は感染症科といったように別々の部署が担当している場合もあれば,同じ部署で両方に対応している場合もある.例えば私どもの慶應義塾大学病院では,感染制御センターとして,院内感染対策と感染症診療支援の両方の機能を担っている.

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はじめに

 2010年9月に公表された,大学病院における多剤耐性アシネトバクター(multidrug-resistant Acinetobacter;MDRA)集団発生事例は,メディアで大きく取り上げられるところとなり,一般人の院内感染およびその対策への関心を高める機会になった.その後もMDRAによる集団発生事例は後を絶たない.

 筆者は国立感染症研究所に6年間勤務し,さまざまな院内感染アウトブレイク事例の調査にかかわってきた.どれ1つとして同じような事例はなく,要因は複合的であり,終息への道筋や再発防止策も異なる.アウトブレイクの原因となった病原体が異なる場合は,その傾向が顕著である.しかし,共通点がないわけでもない.本稿ではその点に着目し,アウトブレイクを起こさない院内感染対策の基本について述べる

抗菌薬の適正使用 朝野 和典
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はじめに

 抗菌薬の「適正使用」というときには,抗菌薬が標的とする感染症およびその原因微生物に対して適正な選択であるか否かを判断することが前提となる.しかしながらその判断は極めて困難である.その理由として,感染症の診断の難しさがまず挙げられる.例えば,肺炎の原因菌はいまだに確定診断できない.喀痰から細菌が培養,分離,同定されたとしても,その細菌が肺炎の病巣である肺胞領域から由来するのか,気管あるいは口腔に由来するのかわからない.

 そのため,肺炎のガイドラインでは,原因微生物を確定するためには,気管支鏡を用いて病巣局所からの汚染を避けた検体の採取が必要であるとされている1).しかし,そのような侵襲的な検査は日常臨床ではほとんど行われないのが実情である.また,感染症の専門医が少ないため,各医療機関において,抗菌薬の適正性を判断できる人材がいないという根本的な要因もある.このように,抗菌薬の適正使用を実施するためには,極めて高いハードルが横たわっている.

 しかし,一方で,多くの病院が取得している診療報酬上の感染防止対策加算には,「院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制を有すること.特に,特定抗菌薬(広域スペクトラムを有する抗菌薬,抗MRSA薬など)については,届出制又は許可制の体制をとること」という条件が付されている2).専門医でも困難な適正使用について,誰が,どのように判断して許可しているのであろうか.ここでは,抗菌薬の適正使用のあり方について,当院の例を挙げながら考察してみる.

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はじめに

 日本の厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(Japan Nosocomial Infections Surveillance;JANIS)の公開情報(2012年年報)1)によれば,日本におけるバンンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus;VRE)の分離率は0.02%(腸球菌感染症における割合は0.2%)で,10.8%の医療機関からしか報告されていない.いい換えればVREは,院内感染対策上「完全制御しなくてはならない」耐性菌といえる2,3)

 藤沢市民病院(神奈川県藤沢市)では,2010~2011年にかけて,わが国における過去の報告4,5)を大幅に上回る症例数(106名)のVRE院内感染アウトブレイクを経験した.本稿では,個人・チーム・病院のすべての面で未曽有の院内感染事例に直面した時,その対策においてわれわれが何に成功し,何に失敗したかを振り返りたい.なお,詳細については病院ホームページ上の報告書6)を参照していただきたい.

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はじめに

 結核は徐々に減少しているが,2011年には22,681件の新規発生届けがあり,2,166人の死亡が報告されている.医療従事者にとっては結核患者に接する機会が減ることで,その診断,治療,院内感染対策の面で不慣れな対応が課題の1つともなってきている.

 医療機関からの結核発生届出を受理後,保健所では感染性の確認,感染期間の推定,感染機会の調査,感染場所の調査,接触者の特定などの疫学調査を行い,その結果に基づき接触者健康診断(以下,接触者健診)の計画と実施を行うことになる.その際には,診断した医療機関内の構造(空間の大きさや換気状態)や,感染性結核患者,医療スタッフ,来院者の動線などを確認し,感染が起こったと推定される時と場所を特定していく.そして,接触者健診を実施するうえで必要な調整を行いながら,保健所と医療機関とが連携して対応していくことで,接触者への効果的な対応と接触者健診の効率的な実施が可能となる.

 本稿では,最近経験した妊婦の結核のケースを通して,結核発生時の対応における医療機関と保健所の連携を中心に述べる.

目で視る院内感染対策 美島 路恵
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はじめに

 薬剤耐性菌の院内感染事例が報道されるなど,社会の目は薬剤耐性菌に対して年々シビアになっていると感じる.その反面,医療技術の進歩などにより,以前は救命することが困難であった症例も救命され,侵襲的な治療によるコンプロマイズドホスト(compromised host;易感染宿主)の増加など,感染の温床となりやすい患者や環境が増加していることも事実である.そのことから,病院(組織)にとって,薬剤耐性菌のコントロールは重要なミッションとなっている.

 本稿では,薬剤耐性菌が発生してからの対応ではなく,発生させない環境作りに着目して,当院における対策の実際も含めて解説していく.

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 先日,健康・医療戦略推進本部は,医療分野の研究開発予算を来年度から一元化する方針を決め,各省縦割りの予算を効率化して重点分野に配分し,応用につなげるとした.政策論議について素人である筆者には詳細はわからないものの,医療分野の研究開発が一元化されることは意義のあることと思う.これまでは,多くの政策が各省庁縦割りとなっており,必ずしも国全体が一丸となってある政策を推進している体制には思えなかったからだ.ぜひ素晴らしい成果が出せる方向で進んでほしいものである.しかし,その期待の一方で不安がないわけでもない.この推進本部そのものは,2013年6月に閣議決定された「健康・医療戦略」において創設が盛り込まれた,研究司令塔機能(日本版NIH)を担うためのもので,今回はその予算要求の基本方針が提示されたのである.

 2012年6月,前政権下の医療イノベーション会議で「医療イノベーション5か年戦略」が取りまとめられていたが,第二次安倍内閣は,「世界に先駆けて超高齢化社会を迎えつつある我が国にあって,政府は,世界最先端の医療技術・サービスを実現し,健康寿命世界一を達成すると同時に,健康・医療分野に係る産業を戦略産業として育成し,我が国経済の成長に寄与することにより,我が国を課題解決先進国として,超高齢化社会を乗り越えるモデルを世界に拡げていかねばならない」として,2013年2月にこれまでの医療イノベーション推進室を廃止し,新しく健康・医療戦略室を設置した.そして,この5か年戦略を見直し,新たに取りまとめたのがこの「健康・医療戦略」である.

連載 この人に聞きたい!・8

サプリメントと医薬品 井関 健
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 機能性食品,サプリメントといったいわゆる健康食品は,特定保健用食品の定義である食品の三次機能「体調のリズム調節や生体防御,疾病予防,疾病回復,老化防止などの健康を維持する(体調調節)」を促進するものとして注目されている.同時に,病気加療中の人が医薬品と同時に使用することもあるため,医薬品との相互作用も考慮すべき問題となっている.

 本稿では,近年注目を浴びているサプリメント,健康食品と医薬品の相互作用について,筆者の検討した結果も交えて概説する.

連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ―新しい仕組みをつくろう・20

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はじめに

 快適な環境の下で安全で健康的に,そして自律的に働くことはすべての人の権利である1,2)

 すべての企業は,産業安全保健に取り組む組織と体制を整備しなければならない.そのためには,第1に,「経営の安全保健」と「現場の安全保健」がほどよく融合し,両者の一体的な活動が強く望まれるところである.しかし,わが国の安全保健を俯瞰すると,現場の安全保健は,多数の企業において以前から活発に取り組まれている一方で,経営の安全保健への関与と実際の取り組みは多分に属人的で,システマティックに推進されているとはいいがたい状況にある.第2に,近年の社会状況と産業活動の変化をみれば,伝統的な安全保健活動を繰り返すだけでなく,変化の先にあるリスクを予知・予見して,予防対策を講じることが重要である.第3に,産業安全保健を担う人材の育成およびその人材を活用する企業のポリシーと器量が必要である.

 現場の状況に精通し,かつ産業安全保健の専門性を身に付けた産業技術職(エキスパート人材)の育成が急務である.

連載 リレー連載・列島ランナー・56

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はじめに

 宮崎県延岡保健所は,平成の合併により九州で2番目に広い市となった延岡市1市を管轄する保健所である.繊維工業を基盤とした,歴史のある企業城下町である延岡市では,現在地域医療を守る条例を整備し,健康長寿のまちづくりを行っている.

 延岡市は県庁のある宮崎市から北へ約100km離れているという地理条件もあり,当保健所管内の課題は,①県の中心部から距離があり,中央で開催される研修会を受講しにくい環境にあること,②中小規模の医療機関が多いため,地域のレベルに応じた研修会を開催し地域全体の底上げを図る必要があること,の2点である.

連載 衛生行政キーワード・91

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はじめに

 造血幹細胞移植は,血液のがんといわれる白血病などに対する治療法であり,抗がん薬の単独投与により治療が困難な患者についても造血機能の回復などの治療効果が期待できることから,後述する骨髄移植推進財団や臍帯血バンクなどが,日本赤十字社などの協力のもと,骨髄など提供者(ドナー)のあっせんや,臍帯血の検査・分離・保存・公開を行ってきた.

 こうした中,平成24(2012)年9月に,議員立法により,

  ①造血幹細胞の適切な提供の推進を図り,もって造血幹細胞移植の円滑かつ適正な実施に資するため,造血幹細胞の適切な提供の推進に関し,基本理念等を明らかにするとともに,

  ②講ずべき施策の基本となる事項や,骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業及び臍帯血供給事業について必要な規制及び助成等について定める

ことを目的に,「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が成立した.

 本稿では,法案成立の背景となった造血幹細胞の提供に係る従来の取り組みや,法律の施行に向けた議論の状況について概説する.

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目的

 平成17(2005)年7月に「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(以下,医療観察法)が施行され,その中で病状の改善,行為の再発防止,社会復帰の促進が明確化された.地域精神保健の中核を担う保健所の役割は大きく,身近な医療福祉サービスを実施するための自治体の責任・関与が求められている.今回,法施行後,全国の保健所がかかわった医療観察対象者についてのアンケート結果を報告する.

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 前著に続いて楽しい本である.本文を補足する記述はすべて脚注もしくはコラムの形になっている.この付随的な記事がないページはほとんどなく,多いところではページの半分を超える.その分,本文は本筋のみで構成され,見出しの適切さもあって論旨は大変明快である.このような構成をとっているため,著者は安心して脱線ができるのである(著者の中村氏は名だたる鉄道マニアなので「脱線」という言葉は嫌うだろうが).

 楽しい本だが,内容は大まじめである.アカデミアの世界で求められる考え方のイロハから説き起こし,CONSORTやSTROBEなど国際的な指針,倫理問題や著作権にも言及している.さらにエディター経験を生かし,図表やスライドの作り方から一文の長さに至るまで,ほぼ余すところなく記載されている.学会発表や論文執筆の初学者は,本書を(もちろん脚注でなく本文を)丁寧に読み込んで実践すれば,かなりの水準に達することが期待できる.すでにある程度の経験を持っている方々には,弱点補強のよい指南書となろう.

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 今般医学書院から,アメリカでベストセラー作家といわれてきたJerome Groopman医師とPamela Hartzband医師合作の“Your Medical Mind:How to decide what is right for you”という著書が,札幌医科大学卒業後米国留学の経験をもつ堀内志奈医師によって日本語に訳され,『決められない患者たち』という邦題で出版された.

 これはハーバード大学医学部教授と,ベス・イスラエル病院に勤務する医師の二人が,患者とその主治医に密着して得た情報を行動分析して,一般読者にわかりやすく書かれた本である.

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会 期:2014年3月7日(金)~8日(土)

会 場:江陽グランドホテル

    (宮城県仙台市青葉区本町2-3-1)

ジュネーブからのメッセージ

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 大部分の日本の方が考えるスイスは,モンブランにアルプスの少女ハイジ.そして永世中立と金融のメッカといったところで,1万キロ離れた遠い国といった感じではなかろうか.そういう筆者も,オフィスと居住地はスイス・ジュネーブにあるものの,出張が多いこともあり都合十年以上住んでいながら,チューリッヒや首都ベルンはあまり知らず,ワシントンやアジスアベバのほうが余程詳しくなってしまい思わず苦笑してしまう.

 ところが,来年は,日本・スイス修好通商条約締結150周年ということで,日本ブームがおき,様々な地元サークルから講演の演者としてお呼びがかかるようになった.無論,源氏物語から始まる文化の話はできるはずもなく,双方に共通するテーマを考えてみた.確かに,片や1億2千万人の単一文化国,片や人口800万人で公用語も4か国の多言語国で,そもそも比較もできないほど異なっていそうだが,実は,双方に共通点も多い.例えば,共に,サービス産業の発展した先進国で,保健水準は世界最高水準,山国で,四方を日本は海,スイスはEC諸国に囲まれ(半分冗談だが…),国民は勤勉だが閉鎖的といわれる.

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 B.B.(ブリジット・バルドー)やM.M.(マリリン・モンロー)と並んで3大セクシー女優として人気を博したC.C.ことクラウディア・カルディナーレが,彫刻家の妻として存在感のある演技を見せている「ふたりのアトリエ」をご紹介します.

 森を散歩する老人,木漏れ日のなかで木の枝をひろったり,鳥を眺めながたりする姿は,この老人の時がゆっくりと流れていることを暗示します.町のカフェに座って道行く人々を眺めながら,老人は特に女性の脚に目をとめています.しかし女性の脚に混じって,軍人の足が映されます.第2次世界大戦中のナチス占領下にあるフランスのスペイン国境に近い村が舞台です.

予防と臨床のはざまで

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 8月30~31日に,東京医科歯科大学で開催されたクラウド医療・健康・福祉フォーラムに,セッションナビゲータとして参加させていただきました.クラウドコンピューティングは,産業界で普及の一途をたどっていますが,医療・健康・福祉分野での活用は進展しているとはいい難い状況です.同フォーラムは,田中博先生(東京医科歯科大学教授)を実行委員長に,医療・健康・福祉分野のIT・クラウドの専門家が委員会に名を連ね,専門家,ベンダー,利用者である医療従事者が一同に会し,各分野でのクラウドコンピューティングの一層の利用推進と課題の整理,これを活用した各分野のサービスの質の向上を議論することを目的に開催されました.

 私自身は,クラウドコンピューティングについては全くの門外漢ですが,マイコン時代からのコンピュータ好きと最近の生活習慣病・メタボの予防医療分野のIT・クラウド活用に多少触れることができている立場で,予防医療分野の一セッションを担当させて頂き,ここ数年来ともに業務・研究等を進めて来た松澤一裕氏(株式会社ベネフットワン・ヘルスケア),大谷司郎氏(株式会社NTTデータ)にプレゼンテーターをお願いしました.8月最終週は,ヘルスプロモーション・健康教育国際会議(パタヤ)~日本人間ドック学会(浜松)~このフォーラム(東京)と移動でしたので,怒濤の1週間の締めくくりのプレゼンテーションとなりました.

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投稿規定

次号予告・あとがき 成田 友代
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 標準予防策や感染経路別予防策については十分理解していても,いざ,多剤耐性菌のアウトブレイクに対する病院訪問調査となると,果たして技術的に対応できるのかどうか不安を感じるという声が聞かれます.行政代表の緒方先生が,保健所について,アウトブレイクの経験は一般に多く,疫学的なことにも慣れている場合が多いが,臨床現場の経験は十分でないなどの特性があると述べていらっしゃいました.このような背景もあり,近年,院内感染予防において重要視されている臨床現場での水回り環境や排泄・呼吸器関連ケア時の衛生管理などにはあまりなじみがないことから,今までの保健所の経験では対応困難といった課題が生じているのかもしれません.今回,専門家の先生方が,写真も交え,わかりやすくポイントを解説してくださいましたので,実践に役立てていただければと思います.

 本特集を読まれ,病院には院内の感染管理を担う感染制御チーム(ICT)があって,ICTによる感染予防策の普及啓発,感染症事例発症時の対応や抗菌薬の適正使用についての相談助言体制もできていて,感染制御に関しては病院内ですべて完結し,もはや行政の出る幕はないのではと思われた読者の方もいらっしゃるかもしれません.

基本情報

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公衆衛生
77巻11号 (2013年11月)
電子版ISSN:1882-1170 印刷版ISSN:0368-5187 医学書院

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