ジュネーブからのメッセージ
1万キロ離れた日本とスイスの対話
中谷 比呂樹
1
1WHO事務局
pp.937
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102892
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大部分の日本の方が考えるスイスは,モンブランにアルプスの少女ハイジ.そして永世中立と金融のメッカといったところで,1万キロ離れた遠い国といった感じではなかろうか.そういう筆者も,オフィスと居住地はスイス・ジュネーブにあるものの,出張が多いこともあり都合十年以上住んでいながら,チューリッヒや首都ベルンはあまり知らず,ワシントンやアジスアベバのほうが余程詳しくなってしまい思わず苦笑してしまう.
ところが,来年は,日本・スイス修好通商条約締結150周年ということで,日本ブームがおき,様々な地元サークルから講演の演者としてお呼びがかかるようになった.無論,源氏物語から始まる文化の話はできるはずもなく,双方に共通するテーマを考えてみた.確かに,片や1億2千万人の単一文化国,片や人口800万人で公用語も4か国の多言語国で,そもそも比較もできないほど異なっていそうだが,実は,双方に共通点も多い.例えば,共に,サービス産業の発展した先進国で,保健水準は世界最高水準,山国で,四方を日本は海,スイスはEC諸国に囲まれ(半分冗談だが…),国民は勤勉だが閉鎖的といわれる.
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