特集 院内感染対策
院内感染対策におけるチェックポイント―標準予防策の徹底と環境整備
森兼 啓太
1,2
1山形大学医学部附属病院検査部
2山形大学医学部附属病院感染制御部
pp.893-897
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102879
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はじめに
2010年9月に公表された,大学病院における多剤耐性アシネトバクター(multidrug-resistant Acinetobacter;MDRA)集団発生事例は,メディアで大きく取り上げられるところとなり,一般人の院内感染およびその対策への関心を高める機会になった.その後もMDRAによる集団発生事例は後を絶たない.
筆者は国立感染症研究所に6年間勤務し,さまざまな院内感染アウトブレイク事例の調査にかかわってきた.どれ1つとして同じような事例はなく,要因は複合的であり,終息への道筋や再発防止策も異なる.アウトブレイクの原因となった病原体が異なる場合は,その傾向が顕著である.しかし,共通点がないわけでもない.本稿ではその点に着目し,アウトブレイクを起こさない院内感染対策の基本について述べる
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