連載 衛生行政キーワード・161
消防の救急業務
寺村 一成
1
1総務省消防庁消防・救急課救急企画室
pp.730-734
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890080730
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はじめに——消防の組織
はじめに、わが国の消防について紹介します。消防は、その施設および人員を活用して、国民の生命、身体および財産を火災から保護するとともに、水火災または地震等の災害を防除し、およびこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務としています(消防組織法)1)。また、わが国では、市町村が、当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有し、市町村の消防は、条例に従い、市町村長がこれを管理するものとされています1)。2024(令和6)年4月1日現在、全国に720の消防本部があり、全ての消防本部において救急業務が実施されています。
また、国の行政機関として消防庁があり、消防庁は、消防に関する制度の企画および立案等により、国民の生命、身体および財産の保護を図ることを任務としています。消防庁は、1948(昭和23)年の国家消防庁、1952(昭和27)年の国家消防本部を経て、1960(昭和35)年に自治省の外局として発足し、現在は総務省の外局となっています2)。

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