臨床放射線 64巻1号 (2019年1月)

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肺血管には血管由来の腫瘍性病変,血管障害,発生異常などの病変が生じることが知られている。今回,画像,特にcomputed tomography(CT)が診断に有用な例として肺血栓塞栓症,肺動脈内膜肉腫,肺動脈瘤,肺動静脈奇形,肺分画症,肺底動脈大動脈起始症,scimitar症候群につき,その臨床,画像的特徴につき概説する。

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マルチスライスCTによるCT装置の進歩や画像処理技術の進歩により,日常的にthin-section high-resolution CT(HR-CT)1)2)が行われ,容易にしかも読影室で3D画像が作成できるようになった。HR-CTにより,葉間胸膜が線状に描出され,肺葉間のつながりについての解剖学的知見がより深くなってきた。筆者は35年前からHR-CTによる葉間胸膜の分析3-17)を行ってきたが,今回はこのうちの肺葉切除と関連したものについてまとめた。

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肺癌を疑い手術された症例では,ときに術前のCT診断と異なり,良性の病理診断がなされることがある。CTによる肺結節の診断は非常に精度が高いものであるが,それでもその正診率には限界がある。気管支鏡などで術前に病理診断がつけられることもあるが,小さな結節では生検も難しい。実際の臨床の現場ではこうしたCTの診断能の限界をふまえたうえで,リスク・ベネフィットを勘案して悪性の可能性があるものは生検なしに手術に踏み切っている。ここでは大阪国際がんセンターでの肺手術症例で,術後病理で良性と診断された症例を紹介する。

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胸部X線において中心静脈(central venous:CV)カテーテルや気管挿管チューブなど留置されたデバイス位置の確認は,基本的で重要な評価項目の1つである。多種類のデバイスが同時に留置されているような集中治療室入室患者においては特に重要である。留置されたデバイスの約10%に位置不良や合併症が生じるとされており1),胸部X線での早期発見による合併症予防が望まれる。また合併症が生じた際には,原因であるデバイスの同定と留置位置の補正を行うことが,さらなる合併症の予防と病態改善のために必須である。

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Mycobacterium属はグラム陽性細菌に分類される真正細菌の一属であり,いったん染色されると酸・アルコールにより脱色されにくい特徴がみられるために抗酸菌と呼ばれる。日常しばしば遭遇する代表的な抗酸菌はヒト型結核菌とヒト型肺非結核性抗酸菌である。これらによる感染症の画像所見は多彩であり,特に低免疫状態においてしばしば非典型的所見を呈し診断に苦慮する。今回我々は低免疫患者における抗酸菌感染症を概説し,その画像所見を呈示する。

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リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)は,平滑筋様の腫瘍細胞(LAM細胞)が肺・体軸リンパ節で増殖し,病変部位にリンパ管新生を伴う疾患である1)。生殖可能年齢の女性に好発し,男性の発症は極めてまれとされている。進行は緩徐で不可逆的であり,労作性の息切れや気胸などの呼吸器症状や乳糜腹水,下肢リンパ浮腫などを発症し,最終的には呼吸不全をもたらす2)

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扁平上皮腺上皮混合型乳頭腫は肺乳頭腫の中でも極めてまれな組織亜型であり,検索する限り20例程度しか報告がない。今回我々は,画像診断に苦慮した末梢型の扁平上皮腺上皮混合型乳頭腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

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骨巨細胞腫(giant cell tumor of the bone)は長管骨の骨端に発生することが多い腫瘍で,肋骨からの発生の報告は少ない1)。今回,後縦隔に腫瘤を形成し急速に増大したため,後縦隔悪性腫瘍との鑑別が困難であった肋骨由来骨巨細胞腫を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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小児の頸部腫瘤は発生異常に基づく疾患が多く,術前診断に難渋することが多い。今回我々は乳児期に頸部腫瘤を認め,生検にて異所性胸腺と診断された1例を経験したので文献的考察を加え報告する。

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帝京大学医学物理グループは,数学,情報,物理を基盤とし,現代医療を前進させるための基礎技術の開発,医療応用に取り組む学際的なグループである。現在,教員(物理,医学,保健学など多様なバックグラウンドをもつ集団),医学物理士などの病院スタッフ,大学院生から構成されている。2018年10月6日に開催された放射線治療談話会では,我々のグループの最近の取り組みの中から,従来は純粋数学の領域としてしか見なされていなかった,代数的位相幾何学の医療応用について講演した。本稿では,その概要を述べる。

連載

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画像所見 MRIで膀胱内腔に突出するT1強調像低信号腫瘤があり,内部に点状のT1強調像高信号を複数伴う(図1)。腫瘤に茎形成は認めず,膀胱壁と腫瘤との角度は鈍角をなしている。また腫瘤後壁は子宮体部と密に接しており,癒着が示唆される。そのほか骨盤内で異常所見はみられない。

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文献紹介

目次

英文目次

2019年臨時増刊号予告

次号予告

投稿規定

編集後記

基本情報

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臨床放射線
64巻1号 (2019年1月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0009-9252 金原出版

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