総説
腸管浮腫をきたす急性腹症の鑑別 機序を知れば面白い
谷掛 雅人
1
,
田口 秀彦
,
藤本 良太
1京都市立病院 放射線診断科
キーワード:
アレルギー
,
異物移動
,
急性腹症
,
結腸憩室炎
,
大腸疾患
,
再灌流傷害
,
細菌感染症
,
充血
,
鑑別診断
,
浮腫
,
腸穿孔
,
小腸疾患
,
病態生理
,
腹部CT
,
腹膜炎-穿孔性
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Bacterial Infections
,
Edema
,
Diagnosis, Differential
,
Diverticulitis, Colonic
,
Foreign-Body Migration
,
Hyperemia
,
Hypersensitivity
,
Intestinal Perforation
,
Reperfusion Injury
pp.407-416
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017202870
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急性腹症にて腸管浮腫をきたす代表的な4つの機序(炎症、アレルギー反応、うっ血、再灌流障害)を取り上げ、その病態、代表的な疾患のCT所見、画像上の鑑別点について概説した。病理学的に浮腫とは、血管外組織に水分が貯留した状態と定義される。その成因により炎症性浮腫、静脈性浮腫、リンパ性浮腫、低アルブミン性浮腫の4種類に分類されるが、このうち急性消化管疾患に関連するのは炎症性浮腫と静脈性浮腫である。鑑別を進めるうえで観察すべき画像所見として、浮腫をきたしている腸管の部位、範囲、程度、病変部が正常腸管と移行する部分の状態、付着する腸間膜の状態、通過障害の有無、腹水の有無などが挙げられる。
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