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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
22.ムコ多糖症
Mucopolysaccharidoses
知念 安紹
1
CHINEN Yasutsugu
1
1琉球大学大学院医学研究科育成医学講座
pp.154-160
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000536
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1 基本病因,発症機序
ムコ多糖症(MPS)は,50疾患以上ある遺伝性ライソゾーム病の一つである。ライソゾームは細胞内小器官の一つで,細胞内外から取り込まれた高分子化合物を酸性(pH4~5)で加水分解酵素により順序よく分解する。その過程に関連する遺伝子変異により酵素活性が失われると,その酵素に特異的な基質がライソゾーム内に蓄積して細胞の機能障害を起こし,個体として疾患が発症する。MPS-plus症候群を含む8つの病型に分類され(表1),小児慢性特定疾患および指定難病の対象疾患である。
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