特集 診断と治療に難渋した皮膚潰瘍
深部切除マージンの決定に苦慮したブルーリ潰瘍の1例
恋水 諄源
1
,
大狩 慶治
,
貫野 賢
1近江八幡市立総合医療センター 形成外科
キーワード:
Rifampicin
,
生検
,
前腕
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
Clarithromycin
,
Mycobacterium ulcerans
,
Levofloxacin
,
Buruli潰瘍
Keyword:
Forearm
,
Clarithromycin
,
Rifampin
,
Debridement
,
Drug Therapy, Combination
,
Biopsy
,
Mycobacterium ulcerans
,
Levofloxacin
,
Buruli Ulcer
pp.655-661
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022224302
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40歳男性。右前腕の腫脹を主訴に前医を受診し、抗菌薬や抗真菌薬の投与を受けるも改善せず、同部位に潰瘍を生じたため当院へ紹介となった。初診時、右前腕尺側に白色壊死組織を伴う直径6cm大の浮腫性紅斑が認められた。潰瘍部の組織培養結果からブルーリ潰瘍が疑われ、国立感染症研究所ハンセン病研究センターに菌種同定を依頼したところ、Mycobacterium ulceransが検出され、診断が確定した。以後、リファンピシン・レボフロキサシン・クラリスロマイシンによる3剤併用療法が行われ、治療開始12週間後に病巣切除術を計画した。術前マッピング生検の結果から、紅斑部から1cmマージンで皮膚切除線をデザインし、筋膜とともに病巣を切除した。次いで筋膜切除部は人工真皮を用いて後日二期的に植皮術が行われた。植皮術後9ヵ月経過現在、合併症や炎症の再燃はみられていない。
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