特集 旅行皮膚病
臨床例
Buruli潰瘍
濱田 利久
1
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科皮膚科
キーワード:
下肢潰瘍
,
生検
,
デブリードマン
,
経口投与
,
Clarithromycin
,
Buruli潰瘍
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Debridement
,
Leg Ulcer
,
Clarithromycin
,
Buruli Ulcer
pp.665-668
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013317309
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<症例のポイント>亜急性に経過する、女児の下腿に生じた有痛性の皮下結節。ガフキー陽性で病変部組織のZiehl-Neelsen(Z-N)染色で抗酸菌を同定。培養には成功しなかったが、菌特異的なDNA断片であるIS2404陽性のためにMycobacterium ulcerans(以下、M.ulcerans)感染症であるBuruli潰瘍と診断した。渡航歴はなく、本邦で発症した症例と考えられる。これまでの報告からも、本邦で発症したBuruli潰瘍症例のほぼすべては、本邦で発症したものと考えられている。Buruli潰瘍は、西アフリカから中央アフリカに多い疾患で、本邦ではM.ulceransの亜種であるM.ulcerans subsp.shinshuenseが皮膚に感染して結節や潰瘍を形成する。皮膚に初発するので、診断から治療までを皮膚科医が中心になって関わっていく疾患と考えられる。亜急性に進行する四肢の単発性の結節や潰瘍での病変では、鑑別疾患にBuruli潰瘍も加える必要がある。
Copyright© 2013 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.